見出し画像

親方ちゃんねる生配信というチャレンジ

日本相撲協会の公式YouTubeチャンネルにて、大相撲の開催期間中に幕内の取組を観ながら、若い親方衆があーだこーだ喋ってる親方ちゃんねる生配信が面白い。

どんなものなのかは以下のサイトを読んでもらうとして。

取組解説生配信という名目で配信をしているので、NHKのように取組の解説ばかりで堅苦しい配信なのかと思いきや、取組解説ももちろんするけど、基本的にはレギュラー親方陣やゲスト親方らの現役時代の思い出話や趣味の話をしたり、黒歴史の暴露をしあったり、お互いにいじりいじられの攻防が始まったと思ったら茶番劇が始まったりで、ただ親方衆がワチャワチャとトークしている時間のほうが圧倒的に多い。

それはきっと出演する親方衆に同世代が多いってのもあって、昔からよく知っていて仲が良いからこそ生配信中にできること。

というか、(取組映像はNHKやAbemaで流れていて、その大人の事情もあって)取組映像は配信に映らないことがほとんどで、たまに画面の隅っこにおまけ程度に取組ワイプが入る程度。

なのでYouTube配信に映る映像は、数名の親方(おじさん達)が並んで座ってただしゃべっている画である。

***

レギュラー親方4人の中でメインMCを任されている音羽山親方(元 天鎧鵬)は一番後輩ということもあって、周りからいじり倒されつつも、負けじとここぞとばかりにボケては滑り、不知火親方(元 若荒雄)はネットスラングや流行に敏感でコメント欄の対応中心、小野川親方(元 北太樹)は会話のフォローが上手でまとめ役、岩友親方(元 木村山)はマァマンである。

お相撲さんは無口で怖そうで近寄りがたいというイメージを吹っ飛ばす4人とゲスト親方のやりとりは、一度は見たほうが良い。とにかくみんなクセが強くてキャラが立っている。

自分も最初は「へー、こんな配信あるんだ」と、なんとなく配信を観ているだけだったけど、力士の中にこんなにトークやジョークが言える人がいるのかと驚いたし、仲が良いゆえにお互いの高感度をいかに下げようかと黒歴史暴露などを仕掛けるし、みんなが笑いを欲しがる欲しがり屋さんなのがわかって「あ、これは相撲関係なしにおもしろコンテンツだ。これこそ相撲を知らない人(自分含む)に観てほしい」と思った。それ以来ずっと楽しみにしている。

***

何がすごいって、相撲協会公式アカウントでこの配信をやっていること。国技・神事・品格などのワードのおかげで相撲のイメージはお硬いのに、こんなゆるゆるなトーク配信にOKを出している相撲協会は、インターネットを駆使し始めてからだいぶ攻めの姿勢に入っていると思った。

不知火親方も言っていたけど、こういうこと(取組だけじゃなく相撲に関する事柄をネット配信・動画などでPRすること)もこれからの時代には必要だと。そのとおりだと思う。

もちろん伝統を守り続けることも大事だけど、YouTube配信や動画・SNS等で、主に相撲ビギナーや若者に向けたコンテンツも時代に合わせて作っていかないと、いつまでたっても「相撲はお年寄りが観るもの」というイメージのままになると思うから、ほんとに良いチャレンジをしていると思う。

リアルタイムでコメントも打てるから、視聴者の質問や時には無茶振りなどに答えてくれることもあるし、距離も近くなっていいよね。

***

さて、この親方ちゃんねる生配信も2020年の三月場所から開始して、2021年の三月場所でちょうど一周年を迎えました。

元はといえば去年3月の無観客開催の場所のときに、会場に来られないファンへ向けてなにかできないかと考えて始まった限定企画なので、あれから観客を入れはじめてだいぶ経っているし、親方衆も元の仕事が忙しくなってYouTube配信の時間も短縮されたので、そろそろ打ち切りになるのかなと思っていたけど、どうやら規模を小さくしてでも続けていく方針との噂を耳にした。

取組と並ぶほど楽しみになった親方ちゃんねる生配信、これからも進化していってほしいです。そして、これきっかけで新規ファンが増えるといいね。応援しています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?