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第184怪~鏡よ鏡〜鏡町誕生秘話

皆は一日一回は見る機会があるであろう『鏡』。
皆は『鏡』といえば何を思い浮かべるだろうか?

日本が誇るスラッシュメタルバンド、ジュラシックジェイドの名曲「鏡よ鏡」、、でも無く、グリム童話『白雪姫』の名言「鏡よ鏡、鏡さん」でも無く、、僕の頭の中で常に増築され続ける、、

海馬郡鏡町仏壇仏具長屋六ノ三上ガル借家。

この暗黒ガウディの借家を語るに欠かせない物が、モナリザの描かれた一枚の鏡であり、この鏡を元に、鏡町の総てが在ると云っても過言では無い。ちなみに熊本や富山にある鏡町とは全く無縁である。

モナリザ

モナリザの描かれた鏡。そもそも、そんな鏡の存在自体が幻だったのかもしれない。よく見ればモナリザでは無く五輪真弓だったのかもしれない。いや、山下達郎、いや、山崎マゾ、いや、オシリペンペンズの石井モタコ、いやいや、コーラを一気飲みしてゲップを出さずに山手線駅名を一気に言…ゲフッ…だったのかもしれない。なんせ小学生の記憶なんだから確かでは無い事が確かなのである。

僕がよく遊んでいた幼馴染みのT君、あだ名が「かっちゃん』なのだが、その『かっちゃん』の家にモナリザの描かれた鏡があった。かっちゃんの家に遊びに行く度に、鏡のモナリザが僕を見てくる。僕はかっちゃんと遊んでいる最中も、時折モナリザの視線が気になり、それは監視されている感覚にも似ていた。

そんなある日、僕は変な夢を見た。夏目漱石の夢十夜風に言うと、こんな夢を見た。かっちゃんの家にある鏡の中に僕が入って行く夢だ。

鏡の表面は水の様に波打ち、モナリザは泣いているようにも見えた。その鏡の中に入れば何処か異空間へ行けるかもしれないという、子供ながらの夢である。

が、その鏡の中には、白い服を着た女の人が沢山いて、顔は何故か黒いマジックで書き潰された様に靄がかかっていた。そして各々が不規則なリズムにあわせて歩いている。

そこにはモナリザの存在は無く、再び鏡の外へ出ると、モナリザは子供の僕を睨みつけ、監視の目になっているのである。

普通子供だったら恐怖の1シーン、トラウマドリームなんだろうが、幼い頃から妖怪や怪獣が好きだった僕には寧ろ興味深い夢であった。

モナリザの鏡の夢を何年も海馬に焼き付けていた僕は、自身の創作活動の軸として、鏡を現実の世界と虚構の世界の狭間の位置付けとし、鏡町という名前を付ける事で、第3の空間を作ったのであった。

鏡には自分が映っており、手を振ると振り返してくれる。笑ったら笑い返してくれる。だが、鏡に背を向けた途端、虚像の自分でもある鏡の中の自分が包丁を手に取り、振り上げていたとしたらどうであろう。まさに志村けんさんの往年のコント、志村うしろ!うしろ!である。僕は、そんな世界を現代社会に対する皮肉として描いてきた。

鏡ほど興味深い物は無い。僕をはじめ、人間の殆どがこの先も鏡と生きていき、鏡町の住人として、妄想世界を作っていく事であろう。そして、その妄想とは真逆の現実世界を目の当たりし、再び鏡を割るのだ。

鏡を割り、その破片に映る様々な虚構達が数々の事件を産み出していく。はて、我が家の鏡は何枚目なんであろうか。そしてこの国の鏡は後何枚重なるのだろうか。まさにミラーワールド、仮面ライダー龍騎の世界である。

そういえば、かっちゃんは元気にしているのだろうかと気になっていた所、僕が高血圧症で通う病院にて、偶然かっちゃんのお母さんとお父さんに会い、彼は何をしているのか尋ねてみたところ、かっちゃんは中学を卒業して地元の料亭で修行し、辻調理専門学校に行き、料理のプロになって今は立派な板前になりお店を経営しているとの事。

親御さんに仕送りもしてるみたいで、何と素晴らしい事だろうか、まさに人間の鏡だよ。
それに比べて僕の鏡は曇りっぱなし。曇り止めのクリンビューを吹き付けて、親の仇の様に鏡を拭いても拭いても、鏡の中のマリオネットは気分のままに踊っている。もつれた糸を断ち切り、味園の事もあるし、早くこのドンヨリした空気と共にピカピカにしたいものだ。


最近何度も口甘酢っぽく、酢豚のパイナップルばりに言っている事が『多忙』というキーワードであり、今、僕は鏡町の業務で3つの案件を抱えている。

7月に行う瀉葬文幻庫の『怨塊禁書』影像編集作業。
8月に行うストロベリーソングオーケストラ単毒公演『夜雨に帰ル、Ame-1:50』の色んな作業。昨日もとある撮影で日中外出していた。

そこに来て、先日しっとりと発表された演劇本公演の台本執筆作業。こちらが月末には脱稿し、7月頭には各演者・裏方衆と共に台本の読み合わせをして逝かねばならんのだ。と、とても焦る!!が、今、その戯曲を書き出しているところなのだが、いやあ、面白いじゃないか。これ、どんな結末になるんだろう?と、僕自身、完成が楽しみでございます。

と、その前にだ。
やはり、今手掛けている、この2本、『怨塊禁書』『夜雨に帰ル、Ame-1:50』を一人でも多くの人に観てもらいたい!!

チケットをまだ購入していない!という、うっかりこっくりさんな紳士淑女な皆さん、今スグに下記のチケット購入リンクから購入してください!


今月末のYouTube生配信『怪帰蒐集友の会』は6月30日(日)19時からデスよ。禁断の女子会と題し、ストロベリーソングオーケストラの女子メンバーだけで行います。

4人居てますよね…あれ?

今怪はここまで。
今怪の毒者限定記事も過去の犯行履歴をお届けいたします。

今怪、お届けする影像は~(夢グループ石田社長風)

2012年に行った演劇作品『箱師』をお届けします。

箱師


箱師

ていうか!!
当時のチケット価格が安すぎ!!

2800円でやってたん??どないしてたん?メンバー全員カニ漁船とかに乗って出稼ぎでもしてたんか?

当時はアニアニもやりたてだったので、作品中にアニアニのシーンも登場したりしますよ。

この当時に作られた曲達も今とは少し違ったアレンジになっていたりと、中々新鮮でございます。

当時の台本はこんな感じ。

それでは毒者登録して是非ご覧ください!

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この【仮分数のヒトビト】では、ストロベリーソングオーケストラや伝説のコント集団・ストロベリーソングオーケストラ野球部、僕が飴彩里沙羅と行っている瀉葬文幻庫に纏わる秘話、そして毎回何かしらのレアな付録が憑いてきます。 共犯者の方は生ビールを一杯呑んだつもりで定期購毒、毒者と成り果ててください。(月に4~5怪の更新になります)

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