第186怪〜忘却のタイムレコーダー

先週末かな、千日前味園ビルにて営業している秘密倶楽部アニマアニムスに嬉しい来店があった。まあ毎日嬉しい来店客ばかりなのだが。

というのも、1か月前位に来店してくれた元・ストロベリーソングオーケストラの三味線奏者、川本高虎さんがまたまた扉を開けてのご来店だったのだが、続いて「お久しぶりっすー」と入って来た見覚えの無い客人。

「だ、誰？」

と、眼鏡を掛け直して改めて見直すも全くわからず。あれか、良くある来店2回目10年ぶりに来て「マスター、覚えてますか？」ってなメメントマスターみたいな客か？と身構えていたら、コレが魔さかまっ逆さまの、これまた元ストロベリーのドラマー、赤塊叩（あかいたたき）こと、高橋さん（鍵盤じゃない方）だった。

てか、当時よりバチバチ痩せてますやん！そりゃ解らんわ！

赤塊叩こと高橋さんは2005年〜2007年後期まで在籍してくれたドラマーの方で、この頃の代表作といえば『真夏の手鞠歌』になる。ちなみに真夏の手鞠歌は2008年WEB版のイカ天PV大賞を呪賞しているが、特に目立ちもせずぷすぷすと地下世界にて種火を灯ている。

このnoteでも度々書いて来た事かと思うが、ロケ地である墓地は高橋さんのご自宅（伊勢）の真裏にある山の中にあって、そこの墓守のお婆ちゃんとは、志村けんさんの「ひとみ婆さん」ばりのコントをした事がある。こちらの言う事が全く聴こえないという例のストロングスタイルだ。

そんな真夏の手鞠歌を撮影したのも今から19年前。そらお互い歳も取るよね、と、そういや撮影で使用した赤塊さん家に置いてった（捨てていったとも言う）どこでもドアはどないしたんデスか？と聞いたら「親父が燃やした！」と、山下洋輔のピアノばりに燃えていた！！南無ー。

そんな高虎and高橋（太鼓）の高虎コンビがアニアニで談笑していると、ここで現ドラマーの佑児が来店！

三代目ドラマーと七代目ドラマーとの奇跡の対面、2005年メンバーと2024年メンバーがアニアニにて酒を飲み交わすというドラマーが故のドラマみたいな展開に。

と！！？

そこに見た目、フォックスピルカルトのケビン君みたいなイケメン男子がフラっと来店。もしや、何代目かのいつぞやの鏡町住人か？と思ったら、いやいやストロベリーソングオーケストラのファンの方でした。所謂共犯者だな。

で！
このイケメン男子、若干20歳で、なんと中学生の頃からストロベリーソングオーケストラを聴いてくれていたみたいで、引き篭もっていた頃にストロベリーソングオーケストラの「切断ダリア」と出会い、そこから音楽をやり今に至る、みたいな経歴のイケメン。

うをー！一人のヒトを僕等の音楽で救った！？もしくは沼に沈めてしもうた？！なんしか一人の感情を動かしたのは確かだ！そんな彼が鏡町のアンテナショップに来店して、そこで歴代のヒーロー達に逢えるだなんて夢またいな場所だなアニマアニムスは！

と、昨日24日月曜日の来店客、2人。
今日も通常営業でございやす。

そんな本日、定期検査である病院からのチョコザップを経て、これより瀉葬の訓練をしに逝ってまいります。真面目か！！

7月6日と本番が近づいてきております。皆さん是非お越しくださいよ。アニアニでもチケット受付しとります。

瀉葬文幻庫主催『怨塊禁書』 in大阪 - パスマーケット

それでは今日は病院からの更新なので、過去の犯行履歴はお休み。
サクっとエッセイ的なのを。

忘却のタイムレコーダー

忘れられていた歌が幾つもある。

末期患者の腹の中に忘れてきたメスの響音。
精神病棟の庭にある病葉の口笛。
犬恐怖症牧師の犬克服エチュード。
肺結核二等兵殺人慰安唱歌。
盲目駅員による社歌。
娼婦の愛撫レクイエム。
眼帯女学生の君が代。
集団薩摩守、都市襲撃曲。

目を閉じれば数々の忘れられていた歌が幾つも甦り、僕の作業場に不吉な字体として現れる。

右も左も知らない20歳そこそこの若者が作った、呪われた人間工学を暗喩する歌ばかりが、哀しいかな、恥ずかしいかな、今頃になって蘇るのだ…