はちみつ日和①
今日は、鬱くんと私でも話している、彼女について紹介したいと思います。
彼女との出会いは、今から8年程前になります。専門学校で知り合った私たちは、趣味であったアニメや漫画の話で意気投合しました。
専門学生の間は、良き友人として時間を共にしていき、看護師となる時も、一緒に喜びを分かち合いました。
彼女の事を、恋愛感情として意識し始めたのは働き始めて3年目の事です。大好きなアニメがご当地コラボすると知った私たちは、貯金を切り崩して旅行に行きました。
美味しいものを沢山食べて、ゆっくり温泉にも入って。
実は、温泉が苦手だった私を克服させてくれたのは、彼女でした。自身のセクシュアリティを意識しだしてから、逆に女性の事が苦手になっていた私は、誰かとお風呂に入ることに苦手意識を持っていました。
そのことを、当時は彼女に告げていなかったのですが、彼女はそれを察して人の少ない時間帯に入浴を勧めてくれたり、気持ちのいい入浴方法を沢山教えてくれました。
おかげで今では温泉好きです。コロナの影響で今は自粛していますが、以前は月2~3回通っていました。
こうして、彼女と楽しいことを沢山共有する中で、彼女の女性としての魅力を、どんどん知っていきました。
旅行の終わり、あまりに楽しかったので、その日は彼女がウチに泊まることになりました。初めてのお泊りではない筈なのに、なぜかその日は妙に胸の中が落ち着かず、寝付くまでドキドキしていました。
しかしその後、予想外のことが起きてしまいます。
それは病院でいつも通り働いていた時の事。病室の隅から別の男性職員と私の関係をからかう声が聞こえてきたのです。
その男性職員とは、年も近く、確かに仲は良かったですが、一切噂されるようなことはありませんでした。
誰かが話のタネの為に作った嘘だなとすぐにわかりましたが、噂は治まらず、仕事の時にまで支障を及ぼしました。
このままではいけないと思った私は、噂の大元を調べて、その人に止めるよう話しました。
その人は、普段から仲良くしている人だったのですが、噂については悪気はなく、すぐに謝ってくれました。私と男性職員が仲良くしているのを見て、つい口を滑らせたようでした。
こうして、噂は段々と治まっていき、仕事も以前と同じようにこなせるようになっていきました。
そして、この騒動のおかげで、私はあることに気が付きました。
「そっか、私は彼女のことが好きだから、こんなにも噂されていたことが嫌だったんだ」
自覚した途端、胸の中がいっぱいになって、彼女の事が大好きだという気持ちが溢れかえってきました。
身勝手かもしれないけれど、この気持ちを伝えないまま後悔したくない。
そう決意した私は、早速彼女にアプローチするための行動に出るのでした。
(②に続く)
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