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構造化と代替えコミュニケーション

ASDなどの支援を考えるうえで必要と思われることは・・・

①イマジネーションの問題
・常同性
・過剰な想像
②コミュニケーションの質の問題
・話ができるので、言語的コミュニケーションで伝わると思ってしまう
・言葉の使い方が一般と異なる
・非言語(独特なジェスチャなど)
③対人関係の問題
・積極的奇異(誰彼構わず、場所に関係なく握手を求める、など)
・断ることができない(受動的)
・対人関係が苦手(孤独になりやすい)
④独特な身体感覚
・過敏だったり鈍感だったり、あるいはそれが時間によって変化したり・・・(非恒常性)
・共感覚(音が光になって見える、など)
・相貌失認などの認知機能障害がある

①②③④を軸にすること、だと考えます。

表面に現れている問題の多くは・・・

・外からの刺激(③、④)
・見通しが持てないこと(①)
・自分の思いを伝えることができない(②)

ことによる相互作用によって起こっていることが多いと考えます。

治そうとするのではなく工夫することで頻度を減らす
という意識が大切かもしれません。

治そうとして注意したり、怒っても、効果的なことは少ない・・・。
何が問題になってその行動が起きているのか、をアセスメントして、それに対する配慮を工夫する。
すぐには行動が変わることは少ないかもしれないですが、統一して関り定期的に見直しを行うことで、少しずつ行動が変化すると思っています。

支援するうえでの工夫

・時間の構造化(スケジュールやワークシステム)によって、予期不安を少なくする。
・物理的構造化(線やパーテーションによって空間を分ける)、道順を表示する、など。
・感覚刺激を少なくする(音に敏感であればイヤーマフをする、光に敏感であればサングラスをする、人目が気になるときはパーテーションで仕切る・個室を準備する、表示する情報をシンプルにする、など)
・代替え的なコミュニケーションを準備する(ジェスチャなどの内容を観察しまとめることで、何が伝えたいのかを把握する。カードが使えればそれによりコミュニケーションをとる。などによって利用者と職員間の共通言語を作る)
・空気が読めない、他者の思いを感じ取るのが苦手(コミック会話を利用する、など)

なぜこれらの工夫が必要なのか・・・

構造化は主にASDの人が環境の意味を理解する貯めに行う→インプット
(受容的コミュニケーション)
コミュニケーションの支援は(苦手な)言葉に頼らなくても意思表現できる→アウトプット
(表出的コミュニケーション)

を助けるために行います。

実はこれらのことは、一般社会でも行われてるんですよ

・電車の時刻表→どこ行きの電車が何番ホームに何時に来るのか、あらかじめわかる。
・ゆずりあいシート→妊婦や障害者・高齢者優先のシートであることを色分けして伝えている。
・トイレで誰もいないのに水が流れる理由があらかじめ明記してある。→明記してあることで、誰もいないのに水が流れても驚くことが少ない。
・ドアが押したら開くのか、引いたら開くのか、が書かれている。
・道路標識→どこへ向かう道なのかが分かる。追い越したらいけない、一旦停止するなどの予告。
・道路にひかれている線→どこを通ったらいいのかが分かりやすい。

この他にもあると思いますが・・・。

もし、これらの標識がなかったら・・・。

電車がいつ来るのか、行きたい場所に向かう電車は何処のホームに留まるのか、分からない。
押したら開くのか、引いたら開くのか分からなくて戸惑った。
誰もいないのに、トイレの水が流れて・・・。心霊現象かと思ってしまった(笑)
交差点を曲がったらどこに行くのかわからない・・・。
広い道路でどこを通っていいか迷う→事故につながる。

など、不便や不安なことが多いですよね。

ASDの人もこんな感じなんだと思います。
構造化というとなんかむつかしく思ってしまいますが、実は・・・。
いつ、どこで、何を、どのようにしたらいいのか、
を伝える道しるべ、だと思うといいのではないかと思います。

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