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花を降らせるつもりだった

今日はとっても暑かった。半袖でも暑いくらい。信号待ちをしてる時に肌がジリジリ焼けているのを感じた。それくらい夏を感じたのに、5月になったのに、写真は桜。この桜は3月に退院した日の帰りに撮った写真。外出自粛で見られることもなく散っていった今年の桜を、せめてここに残しておきたかった。

タイトルは今期の放送が延期されているドラマの代打で再放送されている「野ブタ。をプロデュース」の台詞の一部。放送当時リアルタイムで見ていたので放送が決まった時は嬉しかった。何より芸能界を引退した堀北真希ちゃんをまたテレビで見られることがとても嬉しかった。

堀北真希ちゃんは私が初めて好きになった女優さんで引退した今でも一番好き。好きになった当時私は小学生だった。多分きっかけは野ブタ。そこからファンクラブにも入ったし、お小遣いで雑誌や写真集を買った。でも何が好き、どこが好きと聞かれても答えるのは難しい。小学生の頃から好きだから。今更好きの理由を考えたところで全部って答えになってしまうの仕方ない。

でもこんなにずっと好きなのにファンクラブのイベントや舞台など、直接見る機会は一度もなかった。きっと一生会えないと思っていたし、ずっとテレビの中の人という認識だった。

だけどある日突然その日はやってきた。数年前、当時裏方をしていた私はドラマの撮影で早朝からとあるスタジオに来ていた。警備員さんに入構証を見せていると後ろから人の気配を感じたので振り返った。するとそこには堀北真希ちゃんがいた。びっくりしすぎて声が出なかった。小学生の頃からずっと好きだったテレビの中の人が目の前にいる状況についていけなかった。でも必死に冷静を装った。怪しかったかな?だけど警備員さんに不審者扱いされなかったからきっと上手く行ったんだと思う。それから同じエレベーターに乗ったけど正直何も覚えていない。息の仕方すら忘れるくらい緊張していたと思う。なんなら呼吸止めてたかもしれない。エレベーターを降りてすぐにお手洗いに駆けこんで深呼吸をした。

そのあと休憩中に上司に頼まれた機材を取りに駐車場へ向かうと、堀北真希ちゃんが撮影をしていた。カットがかかるまで通れないので先輩と一緒にそのまま少し見学させていただいた。カメラのレンズもテレビも通さずに自分の目だけで見る好きな人の演技に泣きそうになった。辛いことの方が多かったけどこの時はやってきて良かったと思えたし、いつか一緒にお仕事できるように頑張ろうって思った。

だけどその1年後、堀北真希ちゃんは引退してしまった。私が撮影を見学した作品が彼女の最後の作品だった。そのドラマとはクールが違ったんだけど、たまたま最終回の撮影と初回放送の撮影日がぶつかったので同じスタジオだったらしい。色々な偶然が重なって、好きになってから十数年の時を経て、最後の最後でチャンスが回ってきたみたいだった。夢みたいだった。

もうテレビで見ることも、ましてや会うことも一生ないと思うけれどこれからもきっとずっと好きだと思う。どこかで元気に暮らせていたらいいな。

野ブタパワー注入✌︎

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