【批判記事】タイムパラドクスゴーストライターがヤバすぎる件

この間のジャンプで鬼滅の刃の最終回が載ったと同時に連載が始まった件の漫画ですが、皆さんは読んでどう思いましたか?
僕は最初のページをめくった時点で「うわぁ…」と思いました。
いやだって電子レンジがタイムマシン(厳密には違うけど)になるという発想がもうシュタインズ・ゲートそのまんまで…
そして肝心の内容も「うわぁ…」続きで、続いての2話も「ん…うん…?」となりました。3話に至っては「」です。4話、5話と続いていくうちに……うん。
なんで続けば続くほど順調に「わけがわからないよ」としか言えない展開ばかりになるのか…。

以下、なぜこのような感情が湧いてしまったのかを要点を抑えて語ります。
ボロクソに貶していますので見たくない人はブラウザバックかアプリを閉じるなどを推奨します。

第一部:問題「しかない」主人公

既にこの漫画に対して何らかの感想を書き上げた人たちもいますが、「この主人公ヤバくね?」という意見を多く見ます。
正直言いますと自分も同意見です。
確かに1話の頃はまだ始まったばかりだし、「まぁ一応、夢だと思ってたし」と、まだ擁護できる点もありました。
でも2話、3話と続いていき、それらを何度も読み返したり感想を巡っていくうちに「この主人公、結局自分の事だけしか考えていないのでは…」となりました。というかそれ以外の感情を抱かない。
話が続くたびに、読み込むたびに、本当に空っぽとしか思えない。

それを強く感じるようになったのが2話。
盗作してしまった事に気付いてタイムマシンを壊そうとするものの、事情を知らない担当編集の説得とファンレターを見て思いとどまり、義務として罪の十字架を背負いながら描き続ける…という流れですが。

まず盗作している時点で読者を裏切ってるとは思わないのか。
その感動が盗作したものから来たと知ったらまず読者さん方は失望するでしょう。

盗作はマズいという最低限のモラルは持ち合わせている事は良かったのかもしれない。けど、モヤモヤ感が拭えない。
これならばいっそ盗作である事を開き直って描き続けたり、素直に盗作である事を告白すれば良かったのでは…とも思います。後者だと話が続かないというツッコミが出るのは別として。
……2話読んだあたりまではこう思っていました。

続く3話では、目の前に現れた藍野居月本人を前にして(この娘も相当にぶっ飛んだ思考なので誤解するのも仕方ない気はしますが)Gペンを持ったことでもしやそれを凶器に殺しに来たのでは…と考え全速力で逃走。居月も追いかけ、突き刺そうとするかのような勢いでGペンを見せびらかす。
いやそうはならんだろ。

4話・5話では模写したりトレスしたりで描いた絵に「偽物感が出る」と一人悩む。
当たり前だ、別人なんだから。
で、悩んだ末に居月に相談し、なんやかんやで自分の絵で描くことにしました。ネームはそのままで。
というか、こういう事すら自分で決められないのって一体どういうことだよ…。

言っちゃなんですが、現在進行形で量産されている異世界召喚・転生系小説で大なり小なり自発的に動いている(かつやっている事は一応人助けが多い)主人公がまだ見られる分、マシに感じられてしまいます。
俺はここまで自分で判断ができない主人公を見たことが無い。
25歳の大の大人が一体何をやっているんだとしか言えない。

鼻に付いてしょうがない漫画論、主人公に都合が良い展開

主人公の主張で特に鼻に付いた大きな問題点。
1話の編集さんは確かに態度は嫌味ったらしく描かれていますが、決して間違った事は言ってないと思うんです。

マイナー路線でも実際に成功している人が沢山いるので「多くの人に楽しんで欲しい漫画が描きたい=マイナー路線はちょっと」という主張はちょっと理解が出来ません。
この辺はこれから語られるのかもしれないけども、それならそれで「なら1話でやっておけよ…」としかならないかも…。

そもそもなぜジャンプにこだわるのかが今に至るまで全く語られないんですよね。
一番売れてる漫画雑誌だから?
ジャンプにだってマイナー路線で始まった作品沢山あるだろうに…。

で、3話において「描きたいものなんて無い!凡人でも天才に匹敵する者が描けるはずだ!」と一見すると格好いいように見えるけど、中身が無い発言を「あなたも私と同じなんですね!」「描きたい事っているんですか?面白ければいいだろ!ってなるんですけど!」と、藍野居月すらも肯定。

その面白さに起因するのが描きたい事=テーマじゃないのか?
一応「漫画で全人類を幸せにしてみせる」と漫画好きな所が描かれてるのは素直に好感が持てて良かった。漫画論は別として。

で、肝心の物語そのものですが確かに1話ごとに話が大きく進んだりとテンポは良いのですがあまりにご都合主義な所が目立ちます。
失敗続きの主人公がある日突然盗作してみたらありえないくらいに周りからも読者からも大ウケ、さらに藍野居月が勝手に納得して勝手にライバル認定、その後も世間からは時の人扱いと…とあまりに予定調和かつご都合主義過ぎてかえって不自然な展開ではぁぁぁぁぁぁぁぁと大きなため息が出ました。
この世界にはbotしかいないのか?
主人公以外全員がピエロみたいな扱いって一体どういう事なんだよ…

結局『ホワイトナイト』は面白いのか

ここまでの話を読み返してみて何度も思うのですが「『ホワイトナイト』は面白いという事実がどうにも伝わってこない」と感じます。

まず、劇中における『ホワイトナイト』への感想ですが、作品の絵がほとんど出てこなくて登場人物たちの「面白い!」という口からの感想だけでほぼ済まされます。
それがかえって機械的かつ思考停止しているように見えて、より都合が良いという印象が強まっています。

以下は第1話試し読みからのページ引用です。

画像1


それにしても台詞の量多すぎませんかね…かつて連載されていた『』を悪い意味で思い出してしまう。
このページに限った話でも無いのですが。

そして続く2話でも3話でも4話5話もまーーーーーーーーーーーったく『ホワイトナイト』の絵が出てこないもので感情が湧いてこない。
面白い作品を見て勝手に盛り上がっている場面を遠目から眺めているだけで面白いと思えてきますか?
自分としてはこういう感想にこそ、作品の絵を交えて説明した方がより説得力が増すし作品に対する愛着も湧くものだと思うのですが…。

総評:創作に謝れ!

最初読んだ時は「バクマンとシュタゲに謝れ!」と思いましたが、今となっては「漫画という文化、引いては創作そのものに謝れ!!」となりました。

まさかコミックスにもなっていない段階かつ、たったの数話だけで自分の中のワースト1漫画だった「僕の名前は少年A」をあっさり超えてくるとは思わなかった。
アレだって、主人公の行動やストーリー展開に問題こそあれど、行動そのもの動機は全て一貫してたし、主人公の行いは決して正しいものではないと明言されてるし、制裁も食らってはいたのでそこは認められる。
でもこの主人公はその動機すらも共感できず、自分に酔っているだけの善人面した卑怯者としか言いようがない。
しかも不満点の9割が主人公のウザさに集中しているので、この一点だけで燃え上っているのはある意味で凄いのかもしれない。

一応評価できる所は、(台詞量の多さは確かに気になるものの)作画担当の方の漫画の構成の上手さと画力の高さ、1話ごとに大きく動く話のテンポの良さ、良くも悪くもストーリーがどうなっていくのかが全く読めない所です。
まぁ、作画の方も前作のクロスアカウントで主人公のウザ顔を乱発してたんですけどね!!(流石にコミックスで修正されてたのでそこは評価できるかも)

狙ってやってる?

…と、長々と貶してきましたが、もしや意図的にこういうキャラ造形にしているのでは?と思う節も無いわけでは無いです。俗にいう炎上商法ですね。

他者にも自信にも空っぽと強調し、それを3話に渡って描いてきている辺り、もしかして「空っぽ人間が空っぽでなくなる話」になるのでは…とも思えてきます。
本当にそういう話であったら作者さんを賞賛しますが……どうなるんだろう。

…まぁ、もし本当に炎上商法だとしてもそれはそれで「こんな人の神経逆なでするようなもの描いて何が楽しいの」となります。


第二部:全てが茶番と化した7話

…以上、ここまでが7話を読むまでチマチマと書き溜めていた下書き分です。

7話は本当にもう予想以上の事態となりました。
作者側の倫理観を本気で疑うくらいに。
いや本当どうしてそうなる…?

そこまでして哲平の行為を正当化させたいのか、
入れるタイミングがあまりに遅すぎないか、
フィクションにこういう事言うのも的外れかもしれませんが、現実で絶筆となった作品も多い中でこういうネタを盗作行為の是非が描かれてきた中に入れてくるのはあまりにも不謹慎すぎやしないか。
もうツッコミどころしか出てこない。
(そして偶然とはいえ、この話が載ってから程なくして本当に著名作家の訃報が出てしまい、もう不快感しか抱かなくなった)

散々他の方もおっしゃってますが、この展開を入れるなら最初からやっておけ。
あまりにも導入が長すぎる。
ガンブレイズウェストですらプロローグは5話と少しは短かったぞ…それでもコミックス1巻分の8割も使ってるけど。

しかも今度は今度で哲平がまた変な使命感に目覚めてるし、目的がコロコロ変わりすぎて統一性が無い。
こんな漫画どう評価すればいいんですか。

まぁ…愚痴文章書いた責任として最後まで付き合います。これもまた謎の使命感か。

PS.8話を読んでこの漫画はどんだけ藍野伊月をいじめたいの?としか思わなった。

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