投資指南書が教えてくれない、「ナンピン買い」をやってはいけない本当の理由
正直言ってワタクシ、投資にさっぱり向いていません。
向き不向きで言えば最低レベル。
本来ならデイトレーダーなんて絶対やちゃダメな人だと思っています。
なんでそう思うかというと、性格というか思考パターンというか、例えばナンピン買いをする時にそう思うのです。
投資をしている人には説明不要なんですが、そうでない人のためにナンピン買いとは、
保有株の価格が下がった時に、更に買い増すことによって平均取得金額を下げて、株価が100%回復しなくても利益を出す買い方。
例えば100円で50株(5000円)の株を買った時、ひと株あたりの平均購入金額はもちろん100円。
この株価が下がって50円まで暴落した場合、そこで50株買い増すと追加で2500円必要。合計7500円の出資なので平均購入金額は、75円。はじめから100株買うつもりだったとすれば、当初より25%も安く買えたことになる魔法のような買い方。
が。
一般的にナンピン買いは避けるべきだと言われていています。それは買い増ししたあと、上がればいいけど下がったら身動きが取れないからです。
「そうはいっても、個人のリスクに対する考え方。リスクをわかっていれば、良くも悪くもなかろう。手段の良し悪し。ナイフを持っているやつが全員犯罪者だとは限らんのだから」
と、お考えの貴方。それは違うと思います。
ナンピン買いの本当の怖さは、金額ではなく考え方。損失挽回、リカバーするという思考。
つまり、ナンピン買いをすることによって、
その人の脳内で、過去の自分の失敗を無意識のうちになかった事にできる
この一点につきます。つまり、以前100円でかった事実をあとの後の行動で上書きし、無意識になかった事にする精神的な恐ろしさ。です。
「何そこまで言わんでもね。ナンピン買いして上がったらやれやれ売りで良かろうもん」
いえいえ、そんなに簡単ではありません。
思考の歪みは正しい判断ができないことであり、一番恐ろしい。
と思います。この話には重要な脳の働きが関わってきます。
人間の脳には自分自身の不都合を無意識のうちに修正するために事実認識を歪める思考をする
ということです。有名な学説なんですけど、個人的には人間の脳は自分の都合が良いように考えることで精神の崩壊を自動的に防いでいる。と思います。
さておき、そのような脳の働きで、とかく人間は悪いときもいいときもとかく自分の都合のいいように事実認識を歪めてしまう生き物なんだと思います。そしてそういった歪みを増長するのが過去の成功体験やナンピン買いのような思考の上書きだとおもうのです。
さて、ナンピン買いと真逆なのが損切り。
言葉の通り、その場で過ちを認めて、損失を確定する。
損切りの場合、その株がピークをつけた後で損切するのならば、その判断は早ければ早いほど損失は少ない。
まあ、結論いうと投資の指南書が言う通り、ナンピン買いは駄目で損切りが重要としかならないのですが、人間の脳の働きを考えるとなぜ駄目なのか全く理由が違うと思うのです。
単純に技術的なダメさではなく、思考パターン的な悪さがナンピン買いには潜んでいて、決定的な違いは、ナンピン買いで上手く行けば行くほど成功体験が積み上がり、いつか手痛いしっぺ返しが来る。
僕が思うに、
短いサイクルで間違っていないか、こまめに点検し、間違っていたらミスを素直に認めて修正する。
が一番重要ではないでしょうかね? 定期的にってのが重要で、トレーディングルームでチーム戦をやるなり、また個人種目でも上司チェックが入るなりすればいいんでしょうけど。個人事業主は、第三者が入りにくいので、なかなかそれができない。
投資歴が長い人は、四半期毎の決算でわるかったらバッサリ捨てるとか、10%下落したら損切りするとか、自分のルールを決めている人が多いようで。第三者のチェックがないのであれば、機械的にやるというのが一番いいかもしれません。
そして僕が向いていないと思う最大の理由は、ナンピン買いに代表される都合の良い考え方、自分自身の無意識バイアスが人よりも大きいと思うからです。客観的に思考をしていると思いつつも実はそうでないのが逆に足かせになる。
羨ましい事にそういう事に長けた人は存在します。ワタシも一時期そういった人の真似をしようとしたことがありまして、でもね、根っこのところでそういう人たちとは違うのでやっぱり駄目なんじゃないかな。もちろん他の要因ももたくさんあるんですけどね。
古今東西、他人の猿真似ってうまくいった試しがないってなもんで。
というわけで意外に深いとおもうナンピン買いをしてはいけない理由でした。
どなた様にも、より良い判断ができますようにお祈りしつつ(ー人ー)
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