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日銀リスクについて

ツイッターでも黒田さんの逆バズーカで、なぜこのタイミングなのかと、恨みつらみが散見されますが、私は今回の日銀の仕事はかなり良かったのではないかと思っています。
理由は色々ありますが、仮に修正が退任後だった場合は、後任に課題の丸投げとなります。実はバーナンキさんも同様に後任のイエレンさんに忖度してバーナンキショックをうっかりやっちゃいましたが。この時は一週間に5%程下げました。比較はできないものの、黒田さんの場合は今のところ3%も下げていませんし、バトンとしてはなかなかいいのではないかと思います。
これが来年のタイミングで出てきますと、こんな下げでは済まなかったと思います。
また、いつものダウ日経スプレッドを見てみると、

直近、このように差が縮まっていたんですよね。
この差は、日米の成長率の差であり長期的に見て差が開いていくべきものであって、逆に縮小していた、というのが日銀の事実上の緩和によるところが大きかったとすると、いいタイミングでガス抜けできた気がします。

さてもう一つ目立つツイートがありまして、それは今回の下げはやや行き過ぎではないかという指摘です。
これについて、私はテクニカル的には行き過ぎだと思う反面、それ以外の面だと割と妥当なところまで落ちたのではないかと思います。

理由は、今回コロナ禍前の日経EPS約1700円から、現在のEPS約2200円の差、500円の内、円安恩恵は少なくとも100円以上はあると思っているからです。
そこで、12月になってからの株価の下落が11月、10月からみてEPSベースで実質的にどの程度落ちると見ているか、株価から逆算してみます。

11月~10月のPERの平均値を取ると12.54となり、約12.5です。
それからすると、現在のEPSの2160円に12.5を掛けると、
27000円
になります。これが従来EPSから算出される株価。
でも実際は、現在26500円程度、これを12.5で割り算して、EPSを逆算すると、
2120円
実は、40円しか下がっていません。
これは円安修正の織り込みは不十分ではないでしょうか?
もっとも直近の予想EPS自体、下落気味で、ちょっと前は、2200円だったので、すでに円安修正が入りつつあると仮定すると、80円下がったということで、割と良いところまで下げているのかもしれません。裏を返すと、今後の日銀政策金利について更になにかを行うというリスクは全く入っておらず、そういった報道が出れば嫌気されもう一段下押ししてもおかしくないと思います。

以上から、報道やツイートで出ているように今回の下げが、過剰かと言われれば私は割と妥当な下げで、現在の株価もそれほど間違っていないと考えています。むしろリスクの織り込みは言うほど進んでいないのではないでしょうか?
過度に悲観する必要はないと思いますが、それは日本株に対し、適度にリスクを取っている人に言えることで、現在過度にポジションを取っている、あるいはフルインベストしている人は一度全体を俯瞰して適切なリスク管理を行うときだと、私は思いますけどね。

(なお上記計算でPERが12.5と割と低めなのは、来期のEPS下落を少し織り込んでいるからです)

さて、今回の計算が合っているか間違っているか?と言うのはおいておいて、銀魂でも、

と言っている通り、日銀のせいで評価損が出たなどと人のせいにすると、状況を冷静に分析できなくなって困るのは自分になるんじゃないでしょうか?

こういう時ほど、報道に惑わされず冷静に判断、分析したいところです。
因みに私はアニメ好きなんですが、銀魂は数話でギブしたので上の話は見ておりません(*´∀`)お後がよろしいようで



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