「」

「おやすみ」が嫌いだ、
1日の終わりを告げる言葉、明日も生きなくてはいけないという使命感に襲われる

「おはよう」が嫌いだ、
新たな一日を迎えてしまった事実を嫌でも突き付ける言葉、朝から死にたくなる

「おやすみ」=また明日も生きましょう
「おはよう」=今日も頑張りましょう

僕には呪いの言葉にしか聞こえない

まだ生きていなければいけない、
頑張らなくてはいけない、
笑顔でいなければいけない、
気を張って常に空気を読んで察して、
自分を殺して我慢して、
逃げ出せない人生の渦に囚われていく

自業自得だ、自縄自縛だ、
そんな事は分かっている
だけど思考は止まらない

息苦しい空間、
明日が来るのが、
寝るのが、
目を閉じてしまうのが、
孤独の暗闇が、


怖い。


でも、気付けば瞼は落ちていて、目が覚めると嫌でも日付が変わっている
空からは太陽が顔を覗かせて青々と晴れた空と共に、僕を見て笑っている


また、今日をやり過ごす試練を与えられてしまった

今日も今日とて生きなくてはならない

笑って、挨拶をして、
誰にでも優しいを振る舞い、
浮かないように息をひそめ、
周りの気配にアンテナを張る

そうやって常に人の顔色を窺っていないと落ち着かない

外の音が徐々に増していく

鳥の歌声が聞こえてきた、
車の走る音、駐車場の動く音、電車の音、
早朝出勤の人の足音、

あぁ、憂鬱だ

朝が来た、来てしまった。

でも、逃げられない
僕も行かなくちゃ、、、

今日も人生(とき)は、
僕らへの試練を手にして待ち構えている



「あぁ、おはよう」

━━ さぁ、憂鬱ショーのはじまりだ ━━

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