ワクワクの50代
子どもの頃から老け顔である。
小学6年のとき、生まれて初めていった美容室で大学生と間違えられた。必死に小学生だと訴えながら泣きそうだった。迎えに来た母のおかげでなんとか信じてもらえたけれど。
結婚したあと夫を誰かに紹介するとたいてい、
「若いだんなさまだねー!」
といわれた。実際はわたしより2歳年上の夫。訂正するのもめんどうで、てきとうにうなづいておく。
娘が生まれてつきあう友人も年上が多くなった。歳を明かすと驚かれるが、
「老け顔なんだよー!」
と笑いにできるようになり。
40半ばになり、あどけない顔だちの母と並ぶと姉妹と間違えられる。喜ぶ母を横目でにらみながら、もう言葉もでない。
こんなわたしだが、だんだん若くみられるようになると信じている。これは父のおかげだ。
父にお見合いの席で初めて会った母の感想は、
「なんておじさんなんだろう。」
そのころ父はまだ20代。
そうして、父は40代までは老け顔のまま。50代は年相応に。60をこえたころから歳より若くみられるようになった。現在、76歳。けれど10歳は若くみえる。畑仕事に精をだし、こまめに散髪にいく。
小学生の甥っ子に
「おじいちゃん、43歳にみえる!」
といわれて照れる父。うらやましい。わたしより年若じゃないか。
わたしは父によく似ている。若いときはあまりうれしくなかったが、よく似ているということは……。わたしもそろそろ……。
その日が待ち遠しい。ちょっぴり白髪が目立つようになったから染めてみよう。太り気味だから運動もしよう。努力もしないと。
準備を万全にして、ワクワクと50代を迎えたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?