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Gのあとしまつ(ノンフィクション)

先日の夜
いつもの寝る前の最後の作業、歯のフロスを行っていたところ、なんだか気配を感じて左の方へ少し振り返ってみたら
ベッドの下からGが出てきていた。
しかもでかい。
今の部屋では数年見かけていなかったので、久しぶりの再会の衝撃もでかい。
束の間、固まった。
多分Gも固まった。
お互いに存在を認めた瞬間だった。

急いですぐにスプレーを取りにいって噴射
6畳ワンルーム、色んな物がすぐに取れる狭さに感謝

気がついたらラップ調。

動きが素早くなるG。
私の部屋は、床に本だのPCだのコロナ禍で再び挑戦しようとしたものの飽きてしまったミニギターなど、あらゆるものが置いてあるので、それを避けての噴射なんて到底無理。なので、色んな物にも一緒にスプレーがかかっていた。
PC、大丈夫かな、、、

そして、いつ飛んでくるかわからない恐怖。
スプレーがかかるギリギリのところまで遠く離れて、そこから噴射し続ける。
苦しんでいそうなG。
本棚に登り、しかし上まで行く体力が無くなったのか途中で引き返す。
そしてベッドの下へと入って行った。

ベッドの下にはキャスター付きの収納BOXがあり、キャスターと床の隙間から更に噴射。
もう見たくないという強い思いと共に、そこにいるであろう姿が見えない相手に向かって打つ。
シュッ!!シューっ!!

姿も見えず何も音も聞こえず。
きっと下にいるであろうと思いながらも、ベッド下に明かりを照らしてまでして結末を知りたくなかった私は、その日は就寝した。
とりあえずスプレーはかなり命中していたはず。

次の日の朝、起きた瞬間に思い出したGとの出来事。
なんだかベッド下に感じる気配。

とにかく朝は時間がない。
仕事帰りにブラックキャップを絶対に買う!と思いながらとりあえず出勤準備をする。

ブラックキャップ的なのを設置したのはもう数年前。的なのと書いたのは、色がグレーだからだ。グレーだからそれらはブラックキャップではなくブラックキャップ的なやつなのかもしれない。自分で買ったはずなのに全く記憶にないし、今では埃を被っているそれらの効果もすでにない。
きっと片隅でそのようなこと(これ、もう効果ないだろうなあ〜)を思ったことは、今までに何回かはあったはずなのに。
ブラックキャップの効果というものを目にしたわけではないけれど、とりあえず可能性にすがりたい。もうGが目の前へと現れない可能性に。

帰宅途中、予定通りに薬局屋へと向かった。
ブラックキャップを買おうと思っていたのに、いざ売り場を前にし、気持ちが揺らぐ。ゴキブリホイホイのが良いのかな。。
ブラックキャップだと、とりあえずゴキブリが毒の餌を食べに来ちゃうもんね。
ゴキブリホイホイだったら、そのまま誘き寄せて捕まえられるもんね。
しかしゴキブリホイホイだったらそのまま捕まえて姿が見えてしまう。耐えられるのか。

悩んだすえに、予定通りブラックキャップを購入。帰宅し、今まで置いていたブラックキャップ的なのを捨て、正真正銘のブラックキャップを設置していく。

そして確認しなければきっとずっともやもやするだろうと、ベッド下を確認することにした。
見つかったらどうしようという感じだし
見つからなかったらどうしようという感じ。
どっちにしろ、どうしよう。

クイックルワイパーみたいなのがあるので、掃除用シートを付けてベッド下のさらに収納BOX下をガサガサやってみようと思ったら、掃除用シートが無かった、、、
とりあえずティッシュをガムテープで付けてやってみようとしたら、収納BOXと床の間が狭くてシートを付ける部分と折り曲げたりできる棒の付け根?部分が引っかかってしまう。

しょうがないから、反対にして棒の方を入れることにする。ガムテープの粘着部分を外側にして棒の先端部分に巻く。そのままだと抜けてしまうかもしれないので、一箇所をガムテープで止めた。
棒はすんなりと入った。
左右へガサガサする。引き出してみたら、粘着部分には埃が付いていて、すでに粘着としての力は残ってはいなそうだった。
あいつは付いていなかった。

また棒を入れる。
今度は奥から手前へとかきだすように動かした。キャスター付きの収納BOXの横にも収納BOXがあるのだけれど、こちらはキャスターが付いていない。床にそのまま置かれている。その箱の側面に棒を当てる様にして、左右へ動かし奥から手前へとかきだす。
すると、あいつがキャスター付きの収納BOXとキャスターが付いていない収納BOXの間から現れた。
裏返っていて足が広がっている(様に見える)。
しばらく放心した。

そこにいてよかったという見つけた安心と、これからどうしようという呆然。

実家にいたときは掃除機で吸い取り、はいおしまいという感じだったけれど、この家には掃除機がない。

もう動かないといえど、ティッシュで取るのは無理!!これ以上近づきたくはない。

私はまた、ガムテープを駆使することにした。
棒の先端部分に、今度は巻かずに真っ直ぐにしたガムテープを粘着部分を外側にして丸めたガムテープで付ける。そして、Gの上にそっと置く。ガムテープにはくっついたけれど、ゴミ箱へと運ぶまでに落ちる可能性もあるし、何よりまだ姿が見えてしまっていて無理。床に真っ直ぐにしたガムテープを粘着部分を上にして置く。その上に先程のGがついたままのガムテープを置く。Gをガムテープサンドにした。
ゴミ箱へと捨てる。

2日間かかったGとの出会いからの結末。
ひと仕事をし終えたかの様な疲労感。
そして、ガムテープサンドを思いついた自分の天才さ。

これからの時期、もし同じようなことが起こったらガムテープをおすすめします。
万能です。

そして
最近読んでいる短編集の次の章がGについてで、こんな偶然ある?
って驚いてます。

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