7月14日付の朝日新聞に、東京五輪・パラリンピックを巡る談合事件に関する記事が載っていた。
先日の教職大学院の授業でテキストとして使った「話し合いの作法」(中原淳著)には、「対話の8つの要素」が挙げられている。
この8項目を東京オリ・パラの大会組織委員会で行われていた会議での「対話」に当てはめると、おおよそ次のようになるだろうと想像する。
「会議は踊る、されど進まず」
これは、1814年9月に開かれた「ウィーン会議」の様子を風刺した言葉だ。舞踏会や宴会が多いわりに、審議が紛糾難航する様子を皮肉ったものだと言われている。
しかし、東京オリ・パラの大会組織委員会で行われていた話し合いは、この「ウィーン会議」の水準にさえ達していないように思える(宴会だけは頻繁に行われていたようだが)。
今後、この組織委員会の会議のことは、「よくない話し合い」のサンプルとして授業で取り上げてみたいものだ。
東京オリ・パラの開催に当たっては、日本の国民1人当たり1万375円、東京都民だと11万7,212円を負担しているという計算になるらしい。
それならば、せめて反面教師として利用させてもらわないと割が合わないと思うのである。