周回遅れ
先日、ある小学校の全校公開授業を参観した(念のために言っておくと、私の地元である横浜市の学校ではない)。
「情報活用能力の育成」をテーマに掲げ、全学級が「1人1台」のタブレット端末を活用した授業を公開するというものだった。
・・・授業後の協議会の際、その学校の校長先生が冒頭の挨拶でこんなことを言っていた。
「本校の教職員たちは、この研究のために全員が一団となって同じ方向に向かって走り続けています」
だが、各クラスの授業を見て回った私の印象では、その大半が
「便利なアプリの使い方を発表する会」
というレベルに留まっていたように思う。
たしかに、「1人1台端末」を
「まずは使ってみる」
「そして使いこなす」
という段階は必要である。
しかし、いつまでもそのレベルに留まっていていいわけではない。
私が見た範囲では、さらに上のレベルである
「授業の改善、改革」
を本気で目指していると思えたのは1クラスだけだった。
(ちなみに、いただいた研究紀要のなかには、「研究の目的」の一つとして「授業の改善、改革」が掲げられている。)
・・・校長先生は、
「本校の教職員たちは、この研究のために全員が一団となって同じ方向に向かって走り続けています」
と言った。
しかしそれは、陸上競技の長距離走にたとえると、
「先頭のランナーと周回遅れのランナーたちが一緒に走っているので、一見すると一団になっているように見えるだけ」
なのではないだろうか。
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