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「フリーランス」という働き方

 フリーランスとは、個別の業務に応じて企業や団体などと契約を交わして働く人のことである。カメラマン、雑誌のライター、Webページやゲームの制作者、イラストレーター、大工、税理士など、世の中には多くの職種にフリーランスが存在する。

 ドラマ『ドクターX』に登場する外科医・大門未知子もフリーランスだといえるだろう。米倉涼子が演じる主人公の大門未知子は、特定の病院や医療機関に所属しているわけではない。しかし、他の医師たちが二の足を踏む難手術を次々に成功させ、その見返りとして莫大な報酬を得ているのだ。

 当然、封建的な医療の世界で彼女は異端の存在であり、周囲の怒りや妬みを買うことになる。しかし、医療に関する彼女の膨大な知識、その天才的な技術、そして豊富な経験に基づく的確な判断の前に、他の医師たちは脱帽せざるを得なくなるのだ。

「私、失敗しないので」
 という彼女の決め台詞は、その圧倒的な実力に裏づけられているのである。


 近年、教師の世界にもフリーランスが進出している。特定の自治体や学校で正規の教員として働くのではなく、あえて臨時任用や非常勤として学校を渡り歩く教師たちが増えているのである。

 特定の学校に長く勤めていると、授業以外の業務が多く回ってくるようになったり、人間関係が煩わしくなったりするものだ。「フリーランス教師」の道を選ぶ理由の一つには、こうした事態を避けるということもあるらしい。定期的に自らの立場をリセットし、「新参者」として再スタートをするのである。

 また、
「去年は北海道、今年は沖縄」
 といった具合に、ワーキングホリデーのような働き方を選択している方もいるようだ。教員免許は医師免許と同じように日本全国どこでも通用する。海外の日本人学校なども視野に入れれば、その働き口は世界中にあるのだ。

 ネックになるのは、正規の教員に比べて身分が不安的なことである。しかし、最近の「教員不足」の状況を踏まえれば、仕事が途切れることは当分なさそうだ。


 将来的に、こうした「フリーランス教師」のなかで、

・学級崩壊しているクラスをかならず立て直す
・クセの強い学年主任とも上手くやっていく
・クレームの多い保護者を味方につける

 などの「圧倒的な実力」がある方の場合には、その評判を聞きつけて、各自治体の教育委員会から個別にオファーがくるような時代になるのかもしれない。

 そうなったら、外科医・大門未知子ほどの報酬は無理だとしても、
「ティーチャーX」
 と呼ばれ、ミッションを達成した場合には臨時ボーナスぐらいは貰えることだろう。

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