問題を解決するための近道
以前、ある研修のなかでこんな紙が配られた。
その紙には、1から50までの数字が不規則に並んでいた。私たちが講師から与えられた課題は、
「このなかから、1、2、3…と順番に数字を探していってください。時間は30秒間です」
というものだった。
私を含めた30名ほどの受講者は、講師の合図で一斉に数字を探しはじめた。しかし、多くの数字のなかから順番に目的の数を見つけ出すことは、思ったよりも難しい。
結局、30秒後に私がたどり着いた数字は15か16だったと思う。他の受講者を見ても、最高記録は20台の前半で、50には程遠かったと記憶している。
その後、講師は同じような紙をもう1枚配った。
先ほどの紙に、縦2本、横2本の線が書き加えられている。
おわかりだろうか?
4本の線によって全体が9個のマスに区切られている。そして、最上段の左端のマスには1、真ん中に2、右端には3、次は下の段にいって…という具合に、デタラメに並んでいたように見えた数字にも、実は規則性があったのだ。
このルールを知っていれば簡単に次の数字を探すことができる。制限時間内に50までたどり着くことも難しくはないだろう。
私たちは日々、容易には解決することができない問題に直面している。
しかし、その問題のどこかに何本かの線を引いてみると、解決するための近道が見つかるのかもしれない。
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