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自動車教習所に見る「学び方」の変化

 我が家の娘が自動車教習所に通いはじめてから1か月ほどが過ぎた。娘に話を聞くと、昭和の時代の教習所とはずいぶん中身が変わっているようだ。
 どうやら、DX(デジタルトランスフォーメーション)の波が教習所にも押し寄せていることが、様変わりした一番の要因らしい。具体的な変化としては、教習の予約システムや原簿の電子化、AIの顔認証による教習生の「なりすまし」防止対策などがある。
 また、VRを活用した「ドライビング・シミュレーター」の導入によって、危険予測の能力を高めたり、縦列駐車や車庫入れなどを集中的に練習したりすることが、バーチャルで可能になっているのだという。

 そうした中でも、学科教習が「オンライン授業」になったことが一番大きな変化だろう。
 娘によると、今では自宅で好きな時間にスマホなどを使って学科の教習を受けることが可能になっているらしい。もちろん、すべてがオンラインというわけではなく、応急救護処置の実技教習や、危険予測に関するディスカッションなどは対面で受講する必要があるようだが、それでも普通免許の取得に必要な26時限の学科教習のうち、21時限分はオンラインによる映像形式で受けることが可能になっているそうだ。

 この3年間のコロナ禍で、小・中学校や高校、そして大学ではオンライン授業が急速に普及したが、自動車教習所も「学校」としてその例外ではなかったのだ。そして今後も、オンラインによる学科教習は継続されることだろう。なぜなら、オンライン化が教習生のニーズに合っているというだけでなく、人件費や効率などの面で教習所の側にもメリットが大きいと思われるからだ。
 小・中学校や高校、大学の場合、一昨年や昨年にはオンラインで実施していたことを対面に戻す「揺り戻し」が起きているらしい。しかし、自動車教習所の取組からもわかるように、オンラインで済むものまで無理に対面へ戻す必要はないように思う。対面とオンライン、それぞれの「いいとこ取り」をすればいいのだ。 

 自動車教習所のDX戦略。
 さすがは令和、さすがは21世紀である。
 ・・・だが、令和の教習所にも昭和の名残はあるようだ。かつての教習所によくいた「やたらと教習生を怒鳴りまくる鬼教官」は、娘によれば、
「今もいる」
 ということである。

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