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「新時代」の学校

 先日、初任のときに勤めていた小学校の近くを通った。

 周囲には田畑があり、横浜市内とは思えないような自然豊かな環境の中にある学校だった。その風景は今もそれほど変わっていない。

 当時の学校には、農家や分譲地に住む子どもたちも在籍していた。しかし、大半を占めるのは学区内にある大規模な県営住宅の子どもたちだった。

 私は初任校に6年間在籍していた。その期間中に、県営住宅には多くの外国人の方たちが移り住んできていた。
 それでも当時はまだ、外国につながる子どもたちはクラスに2~3人程度だったと思う。

 その後、外国につながる子どもたちの割合は増え続け、10年前に近隣の同じような環境にある学校と統合し、今に至っている。現在の同校では、外国につながる子どもたちが過半数を占めている。

 学区内には、外国人向けの店舗が点在している。

 団地内にあるゴミ集積所の掲示物も多言語表示である。
 おそらく学校の教室は、こうした地域社会の縮図のようになっているのだろう。

 近くにある保育園の「子育てサロン」の案内板には、
「外国にルーツのある方もお待ちしています。」
 と書き添えられていた。

「新時代」の学校というと、テクノロジーを駆使し、SF映画のシーンを再現したような場所を想像するかもしれない。

 しかし、ここも間違いなく「新時代」の学校なのだと思う。

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