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紅白歌合戦における「けん玉」的なもの

 昨年(2023年)の大晦日に行われた第74回NHK紅白歌合戦で、「けん玉世界記録への道」が失敗に終わったことが話題になっている。

 これは、歌手・三山ひろしが歌っている最中に「連続してけん玉を大皿に乗せた人の最も長い列」のギネス世界記録に挑戦するというもので、これが7回目の挑戦だった。

 今回は前年よりも1人多い128人で臨み、歌い終わった128人目の三山が無事に大皿に玉を収めて、一旦はギネスの公式記録員によって世界記録として認定された。

 しかしその後、SNS上などで「途中で失敗があったのでは」との声が続出し、映像を確認した結果、記録が取り消しとなったのだ。

 ・・・失敗してしまった人は責任を感じて大変だろうな、と懸念する一方で、どう考えても歌の最中に「けん玉」をやる必要はないよな、とも思う。

 まあ、1回ぐらいはイベントとしていいのかもしれないが、さすがに7年連続ともなると、
「誰か『もう、やめよう』と言わなかったのか?」
 と思ってしまう。


 ところで、こういう「紅白歌合戦における『けん玉』」的なものは、学校にもたくさんあるのではないだろうか。

・一部の学校行事
・児童会や生徒会の〇〇運動
・PTAのナントカ教室 等々

 当初の目的や理念が忘れ去られ、形骸化してしまっているものは、けっして少なくないだろう。

 それなのに、誰かが「やめよう」と言い出すと、
「これを楽しみにしている人もいるのだから」
「もう1年、様子を見てから決めよう」
「一度やめてしまうと、復活させることは難しいから」
 と、ブレーキがかかってしまうのだ。


 紅白歌合戦の「けん玉世界記録への道」に関しては、
《次回に再挑戦》→《成功》→《それをもって打ち切り》
 というのが「落としどころ」として適切ではないかと思う。

 なにしろ、その先には、
「この御時世に、男女に分かれて得点を競い合う」
 という時代錯誤な番組をどうするのか、という大きな問題が控えているのだから。

 ・・・学校も、まずは「紅白歌合戦における『けん玉』」的なものを何とかしなければ、その先のことなど夢のまた夢なのである。

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