子どもには見せられない
子どもには見せられない姿、というものがある。
赤信号での横断やゴミのポイ捨てなどのマナー違反をやってしまいがちな人も、近くに小さい子どもがいると「自粛」をすることが多いようだ。
そういう姿を子どもには見せたくないという思いが、行動に「待った」をかけるのだろう。
宮城県の大河原町議会で、73歳の男性町議が本会議中にスマホでゲームをしていたことが発覚し、大きな問題になっている。
当の佐藤貴久町議は、
「皆様に大変ご迷惑をお掛けしましたこと、深くおわび申し上げます。申し訳ございませんでした」
と述べているという。
この不祥事が表面化したきっかけは、地元の小学生が書いた感想文にある。
先月、授業の一環として本会議の見学に訪れていた子どもたちが、議席でゲームをする佐藤町議の姿を目撃し、それを感想に書いたのだ。
「なぜ話し合いの途中でゲームをしている議員がいたのか分からない」
「議員として働く人としていいのかと思いました」
・・・という感想が並んでいたという。
問題が発覚した当初、佐藤町議は
「本会議中にゲームをした記憶はないが、複数の小学生が見たと言っており、事実と認める。プレーというより画面を開いて見ていた」
と釈明をしたそうだ。
議場に子どもたちがいることを忘れてしまうほど、ゲームに気を取られていたのかもしれない。
町議の有志は、佐藤町議に対する辞職勧告決議案を提出する意向を示しているが、当人は自身の進退について、
「町民に説明責任を果たした上で決断したい」
と話している。
しかし、子どもたちに見せられない姿を見せてしまった結果として、少なくとも子どもたちへの「反面教師」としての役割は、もう十二分に果たしているのではないだろうか。
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