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元気な祖母は認知症🍰

わたしの祖母の話。
父方の祖母は認知症である。

元気な認知症である。
行きつけのお店はセブンイレブン。
いつもたくあんを購入。
おかげでわたしの家にはセブンイレブンのたくあんが切れることなく存在する。
たくあん好きのわたしからすればありがたい話。
ヤクルトも同じくである。
祖母はいつもヤクルトのお姉さんから営業を受け購入。
祖母が飲むことはなくわたしのうちにやってくる。
祖母のおかげでわたしの腸は活性化しているのだ。

しかしそんなほっこりした話だけでなく
元気な認知症患者はさまざまなハプニングを起こす。

「おばあちゃん家にいない事件」
数年前に他界した祖父を訪ねに祖父がいた特別養護老人ホームまで自転車で行っていたのだ。
幸い、正しく施設に向かうことができたことと
施設の方が祖母を覚えてくれていたことで解決することができた。

「おばあちゃん勝手に人を殺す事件」
ある日突然、パニック悲壮感に満ち溢れた祖母から電話がある。
むかいの〇〇さんの息子が死んだ。
葬儀屋の車が来て大騒ぎや。
今から葬儀やから行かなあかん。
他にも祖母からの情報はとてもリアルな話ばかりであった。
とにかく急いで喪服を持ち、準備をして祖母のうちに向かう。
…。
祖母の話と打って変わって、静まり返ったご近所。
ケロッとした顔で向かい入れる祖母
「あんた達どうしたの」
やられた。
勝手によその人を殺さないで〜。

実はこの事件には続きがある。
「おばあちゃん勝手に人を殺す事件part2」
3週間後、あの日のパニック状態で
また祖母より電話がある。
むかいの〇〇さんの息子が死んだ。
当然2度目であったため、こちらは余裕。
「大丈夫よ」
「また明日行くからその時確認しよう」
次の日の朝にも引き続き同じ電話。
あれ?今回こそ本当か?
一応喪服持っていくか…?
いや、でもまた勘違いだよ〜
面白半分でそんな会話を交わしながら向かうと。
あれ?どうやら本当らしい。
祖母の言っていた通りに
むかいの〇〇さんの息子さんが亡くなったみたいだった。
本当に突然だったようだ。
不思議な話しだ。
3週間前の祖母のあの電話。
3週間前の祖母の慌てた声。
何かがわかっていたかのような。

元気な認知症。
元気な祖母。
何かを伝えたいのかもしれないし
何かがわかるのかもしれない。
周りのわたしたちはそんな祖母を信じてあげること
できるだけ同じ気持ちで、置いてきぼりにしないようにしよう。
祖母が元気に生きている限り
振り回されるかもしれないが、祖母の意見を尊重すること。
祖母が元気に生きた証となるよう、楽しい珍な思い出を増やすために
私たちはとことん付き合っていくことを決めた。

セブンイレブンのたくあんが
プリンやシュークリームに変わることを
ほんの少しだけ期待して
それでも祖母の選ぶもの、祖母の話すことに
できるだけ否定をしないように
祖母に沢山愛されたように祖母を愛したいと思う。


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