廉価版MacBook?
このところの最も香ばしいMac系の噂が、「廉価版のMacBookが出てくるんじゃないか?」という話です。
情報の出所はApple系のリーカーと呼ばれる人のようですが、自分はYouTuberのMax Tech chの動画で聞きました。
Apple Silicon時代にこそ合う製品「MacBook」
そもそもApple Silicon Macが登場しはじめた頃、「MacBookも復活するのでは?」と思っておりました。
あの、IntelのCore Mプロセッサ(TDP=5W)を搭載し、薄型軽量でファンレス製品として出てきたものの、実際に動かしたら数値以上に発熱してサーマルスロットリングを頻発し、
「本気で使うとあっという間に熱で止まる」
「快適に使うには大型送風機でつねに冷やす必要がある」
「放熱ファンまで含むと持ち歩けない」
などの悪評が絶えなかった、あのMacBookです。
搭載したバタフライ・キーボードが、騒音必至の出来であるうえに、すぐに壊れて動かなくなるなど、キーボードの無償修理プログラムが行われるほどでした。
その薄くて美しい筐体と裏腹に、MacBookにかかわるストーリーは重くて分厚い「始末書」の歴史であったとすらいえます。
価格もMacBook Airより高かったので、「一体、誰が買うマシンなんだろう?」と首をひねったものです。
それでも、型落ちでもM1あたりを積めば、ファンレス製品に仕立て上げられるでしょうし、価格が安いことはディスプレイが小さいことやポート数を減らすことで言い訳ができるでしょう。
場合によっては、バッテリー量を減らしてもいいぐらいです。
廉価版MacBook復活の条件とは
699ドルMacBookというと、1ドル150円換算で10万4,850円。1ドル145円でも10万1千円ぐらいです。
USでは「安い!」という価格ですが、日本だと「もう一声!」と言いたくなるところ。型落ちのMacBook Air M1と大差がないので、そこまで安くは感じません。
さらに、M1とM2の性能差を考えると、M1のMacBook Air/Proを買った人が、そんなにすぐに買い替えるとは思えません。
Appleとしては新製品(M3世代)に自信があるようですが、Intel MacBook Air/ProからApple Silicon MacBook Air/Proに乗り換えたときのインパクト(CPU乗り換えボーナス)ほどには、M1からM3への移行は大きな変化はもたされないでしょう。
なので、M1 MacBook Air/Proが出た頃と比べて「売り上げが下がった」という話であっても、「そりゃそうでしょ」以上の感想が出てきません。
その売り上げ減を挽回すべく、廉価版のMacBookが計画されている……というストーリーのようです。でも、紹介の話の中では
「M4が出てきたタイミングでM2搭載のMacBookを製品化」
と言われていました。
M4の登場時にといわれても……
だいたい、M4ってなんなんでしょう? M1→M2→M3へと変遷してきた中身をまとめてみると、
CPUコアの性能向上
GPUコア数増加
動作クロック向上
M3よりも高速な処理を行えるSoCということになります。まず最初にAシリーズで新型CPUコアが採用され、MシリーズはAシリーズと同一コアを採用した高機能版という作り方になっています。
M4というSoCはまだどこにも出てきておらず、もしもM4というものを構成するとしたら、同一コアを採用し、性能アップしたA18が搭載されたiPhone 16が2024年の9月に出て、MacBook Air/Mac miniにM3が搭載されるという状況が出来上がった後になることでしょう。2024年の3月にこれらの製品アップデートが期待されています。
噂で出てきている条件をクリアするには、2024年中に出てくることはないでしょう。2025年中に出てくるかも怪しいところです。
これが、もしA13搭載とかいった話であれば、価格と位置付けに割と現実味があるのですが……M2搭載という話に現実味がないというべきなのか、M4が出てきたタイミングという条件そのものがナンセンスだと見るべきなのか。
Apple Silicon版のMacBookそのものは、試作品などはすでに存在しているものと考えます。Apple Siliconの強み(低消費電力、低発熱、長いバッテリー寿命)を活かすのであれば、MacBookを製品化しないのは、逆におかしなところです。
ただ、こうした薄型軽量製品へのニーズが高いのは東アジア地域の一部の国だけである可能性が高く、このところApple製品の販売が低調と言われる日本市場のテコ入れを担った製品・価格設定になることでしょう。
AppleのM/Aシリーズの製造の全量を受託生産している台湾TSMCの3nmプロセス製造工程に、どの程度の製造能力の余力があるのかは分かりませんが、3nmプロセスでM1を製造したっていいわけです(できるのかどうかは不明)。むしろ、M1の検査落ちSoC(6コアしか動かないなど)を作りためて低価格MacBookを作るのではないかと真剣に思っていたほどです。
これは、多分に願望をこめた話ではあるものの、出てきてほしいと願うところです。この噂自体が、どの程度そうした製品に対してのニーズがあるかを測るために流された話だと思えてきます。
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