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2024年、私にはフラットベッドスキャナが必要だ

エプソンのインクジェットの複合機(プリンタ+スキャナ)が壊れて電源が入らなくなり、代わりを探す必要が出てきました。


年季の入ったインクジェット複合機、墜つ

エプソンのインクジェット複合機をずいぶん長い間使ってきました。プリンタ部分は交換インクの値段の高さに辟易して使用しないようになり(カラーレーザープリンタのほうがいいので)、スキャナ部分だけを使い続けていました。

なかなか性能もよく、書類や証明書のスキャンなどで地味に活躍してきたのですが、ついにお星様になってしまったのです。

今年は父親もお星様になってしまったこともあって(父親はパソコンの周辺機器ではないのですが)、家族の昔の写真を取り込んだりと、実家や自宅のスキャナは割と活躍していました。

地味に影響の大きいスキャナの不在

書類や写真のスキャンなど、毎日使うものではないものの、数ヶ月に1回ぐらい、そうした用事が確実に発生します。ないと困る機械ではあるのです。正直なところ、中古品でもよいのですが、中古品だと最新のmacOS環境につないで使えるかという不安が残ります。

そこで、実に久しぶりにフラットベッドスキャナについて調べてみました。

フラットベッドスキャナは、複合機やドキュメントスキャナへと進化?

そして、某量販店の売れ行きランキングや中古流通状況などを調べてみると、なかなか目が覚めるような状況が広がっていたのです。

No.1人気は2018年発売の新製品

フラットベッドスキャナのメーカーといえば、エプソン、キヤノンぐらいしか知らないのですが、だいたいその認識で間違っていないようです(HPもありましたが、あまり見かけなくなりました)。

写真をスキャンするといった用途は、スマホを筆頭に写真そのものがデジタル化されきったことで、ニーズが極少化。

スキャナ市場は、紙の印刷物を取り込むドキュメントスキャナが独自の市場を形成する一方で、プロが素材を取り込むための上位機種を展開するエプソンが完全制圧。ドキュメントフィーダーを装備した製品も用意されており、仕事場で買うならエプソン一択でしょう。

その一方で、薄くて軽い「たまに使うぐらいならこれでいいだろ」と言わんばかりのお安いキヤノンの製品がランキング1位を抑え続けているという状況。キヤノンの「CanoScan LiDE 400」は2018年に発売されたもので、実に6年前のものです。そして、同社のラインナップでパーソナル向けスキャナは本製品ただ1つ。

某量販店のスキャナ売り上げランキングのうち14位以下は終売した製品ばかり。アイドルの人気ランキングを集計してみたら、14位以下は「お亡くなりになった人」「現役引退した子持ちのお母さん」しか出てこないとかいう強烈な状況であり、フラットベッドスキャナの人気投票「FBS総選挙」の盛り上がらなさに涙を禁じえません。

もう少し古い機種でもいいかと考え、いろいろ調べてみたものの……最新OS用のドライバが存在していません。正直なところ、macOSだったら古い機種でもつないで認識すれば、イメージキャプチャ.appでスキャンするだけならできそうですが(どうせ何かの機能ボタンを押すとOCRアプリが起動するとかいってもWindowsだけなんでしょ? という)、一応現行OSがサポートされている世代の製品を選んでおいたほうが無難な雰囲気ではあります。

スキャナよ、どこへ行く?

すっかり忘れていたフラットベッドスキャナという存在。デジカメが登場するまでは、一定の地位を確保していたような気がします。

ドキュメントスキャナとして生き残っている製品もあれば、「複合機」の一部として生き残っているものもあるようです。世の中から書類や写真を取り込んでデジタル化するというニーズはなくならないでしょうし、スキャナがなくなったら個人的には困ります。

ただ、さらなる高性能化をめざそうにも、解像度4800dpiとか言われると「そんなにいらんわ」と感じてしまうほど、十分すぎるレベルですし、さらなる薄型化を目指そうにも、価格が上がってしまっては元も子もありません。スマホにつなぐためにUSB-C端子採用とかいっても、誰も喜ばなさそうです。それ以上変わりようのない、「進化の袋小路」に入ってしまった製品に見えます。

単独製品としてのフラットベッドスキャナは、なくなっては困るのですが、そろそろなくなってしまっても、おかしくはないことでしょう……。

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