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なぜTwitter中毒になったゲイは、脱いで自撮りし、ルッキズムを加速させるのか

昨年「自撮りなんて恥ずかしくてできない」と言っていた同年代のゲイがいた。しかし先週、鏡の前で自撮りをする彼の画像が、Twitterのおすすめに流れてきた。私は、驚愕した。ゲイのTwitterには、彼の信念を変えてしまう「何か」があったーーー。

この世には、知らない方がよかったものがある。

例えば、自分よりも大きく鍛えられた男の肩、割れた腹筋、太い腕、主張する胸筋。自分よりも整った顔だち、高い鼻、小さい顔、輝くきれいな肌、

そして、ジムでEAAを飲みながら自撮りする青年のリプ欄に群がる信者たちーーーー


このようにTwitterには「わたしよりも上位(に見える)存在」が大量にいることを教えてくれる。

そこでは「短髪で鍛え上げた筋肉ムキムキの男」ばかりが美しく価値のあるものとして、フォロワーたちにチヤホヤされ続け、そのさまを見て、SNS利用率が高い20代ゲイたちは影響を受け、自分も筋トレをして短髪にしなければならないと考えるようになるーーー。
これが、Twitterが持つ影響力の怖いところだった。

私はTwitterを始めて10年目。
毎日見ないと気が済まないド中毒なので、だからこそ今回は、このテーマを皆さんと一緒に考えていきたい。

なぜ脱ぐのか。その単純な理由としては、

近年、「鍛えて、脱げば、ツイッターでチヤホヤされる」という
単純な法則が確立されてしまったから。


そんなことを踏まえて、以下が今回の目次(Vol.01〜Vol.03)です。みなさんと一緒に考えていこうと思います。


日本国内では東日本大震災を契機に、その情報発信の力や価値が注目されて以降、平成世代のゲイの間で普及してきたSNS「Twitter」。

これが今、ゲイの間でルッキズムに拍車をかけている。

一般人のゲイであってもSNSで日々の情報を発信できるので、「いいね」の数、フォロワー数・リツイートによってその反響が可視化される。そして、大量のリプ欄に沸く男たちを見てしまうと、外見の良いゲイたちに対する「賞賛の声」に影響されてしまうことが多い。


本題に入る前に「そもそも、ルッキズムって何?」

というお話はこちらの解説記事から!


Vol.01 「鍛えて、脱げば、チヤホヤされる」という法則が確立されてしまったから


なぜ脱ぐのか。単純な理由としては、
近年、「鍛えて、脱げば、ツイッターでチヤホヤされる」という
単純な法則が確立されてしまったから。

そしてその法則に伴い、
フォロワーが多くて見た目の良い、チヤホヤされているゲイに
「いいね」やフォロワーなどが集まる状況を、
私たちは、目の当たりにしている。

「人間は、外見だけで判断する傾向がある」という点が、今のこの(一部の)社会現象に影響してしまっている。
特に20代の中には「多数派の意見」に流されやすい人もいるので、そういうのがルッキズムを加速させる。


刺激的だ。それを見て落ち込む若者もいる。だから、SNSというのはあまり心の健康によくないと言われていることもある。
まるでカフェインのように、適度に摂取しなければならない。


見すぎた若者は、過度な筋トレに及んだりする。そして大量のEAAを買ったりして、自分も鍛えようとする。

もちろんいいことなんだけれど。


Vol.02 顔出しで稼げるいいねでは、物足りなくなるから


冒頭で紹介した彼のように、まだ顔の自撮りであればまだ大丈夫。

しかし、顔で稼ぐいいねで満足しなくなったらーーーーー?

いいね中毒の先にある「脱ぐ」という行動に進んでしまう。

一度脱ぐと、他の人はどんな写真をあげているのか気になるようになる。そして、他の人の裸をいいねするようになる。

Xの力は恐ろしいもの。

私自身も、気になる男の上裸の画像をいいねしていくと、タイムラインには「上裸の男性が鏡の前でスマホで体の自撮りをする画像」しか出てこなくなる。

そして、また、脱ぐというループが生まれてしまう。

<Column>
私は、2014年にゲイとしてのTwitterアカウントを始め、今年で10年目になってしまった。その間、コロナ流行に伴うコミュニケーションの形は変化したほか、VEROやTikTokの台頭、そしてTwitterはXに改名されるなど歴史は激変した。私の周りのゲイの、コミュニケーションツールの中心はTwitterだった。


Vol.03「はあ、痩せなきゃ」という自虐風自慢


ここからは、完全な私の私見であります。
あまり関係ない話です。

こういうXの機能のせいで、「はあ、みんなこんなに良い体をしているんだ」という筋肉プロパガンダが発生してしまう。
私も、色々見てるんですけど、そこでちょっとだけイラッときてしまうような投稿とかもあるんですよね

例えば、

バキバキに鍛えられた腹筋を見せつけてきて、
「はあ、痩せなきゃ」と投稿する男。


痩せなきゃじゃないよ〜〜〜〜〜痩せてんだよ〜〜〜〜〜毎年ちゃんと視力検査してる???


(大変、申し訳ございません、取り乱しました)

これを自虐風自慢というようです(大昔に2chで習いました)

しかし、やはりTwitterというのは、
いい部分しか切り取って載せていないもの。

この人も、きっと腹筋が割れているのは
自覚していて、それでも、自虐風の自慢として
私たちに提供している、ということを
もう一度、自覚しなければならない。

だから、このTwitter空間ばかりに縛られていけないのだ。


ですので、あまりTwitterは見ないようにします(嘘です)
今後とも、よろしくお願いいたします。

このほかにも、気になるゲイのこと(オブラートに包みました)を話しているPodcastをやっています!



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