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大坂なおみGS制覇と感じた違和感

今朝テニスの四大大会の一つである、USオープンで大坂なおみがセリーナ・ウィリアムズを6−2、6−4のストレートで破り、初のビッグタイトルを手にしました。20歳の若さでの快挙、本当におめでとうございます!

確かに大坂の今日のプレーは素晴らしいものでした。何度も何度もウィリアムズにブレークチャンスを握られながら、許したブレークは1回のみ。相手が深い球を打ってきても、カウンターが浅くならず、長いラリーを制したのはほとんどが大坂でした。今大会は1Rから明らかに調子が良さそうで、ラウンドを重ねる毎にひょっとして優勝あるかも、と多くの人が期待していたものと思います。

が、この決勝戦、正直言って違和感というか後味の悪さが際立つ試合であったことは否めません。詳しいことはこちらの記事をご覧ください。

日本ではセリーナ・ウィリアムズや男子のロジャー・フェデラーやノバク・ジョコビッチのことを『絶対王者』と呼ぶことがあります。個人的にこの言葉にはかなり嫌悪感を覚えます。

テニスは公正さや真摯さを前提とするスポーツで、その他のスポーツ同様、肉体的な要素だけではなく、精神的・経験的な要素にも大きく左右される、見た目以上に複雑な競技だと僕は思っています。

なのでランキング1位の状態が、ある程度の期間続いたからと言って、その人に対し『絶対(的な)王者』などと呼ぶことは、彼(彼女)がそのポジションを維持するための努力に対して非常に礼節を欠く行為なのではと思うわけです。

さて、今日の試合で精神的な破綻を先にきたしたのは挑戦者である大阪ではなく、かつてのNo.1、ウィリアムズの方でした。今日の試合でウィリアムズは下記の行為でポイントを1つとゲームを1つ失いました。
(1)コーチングを受けた疑惑
(2)ラケットを叩きつけ折る行為
(3)主審に対し、暴言を吐いたこと

正直、(1)の行為についてはTV観戦をしていただけでは分かりませんでした。プレーヤーである彼女を不安にさせたウィリアムズのチームのミスであり、気の毒に思います。(2)も(1)や試合の中で溜まったフラストレーションの発露なので、仕方がなかったのかもと思います。

ですが主審に対して「あなたは嘘つきだ」と言ったことは、結構深刻なエラーであり、おそらく後日罰金などのペナルティが課されるのではと、推測しています。

結局試合はペナルティによるポイントが大坂に入った事も手伝って、思っていたよりもあっさりと、淡白に試合は終了しました。

上の記事にもありましたが、ウィリアムズが冷静さを取り戻したのは試合の後、表彰式に入ってからでした。セレモニーが始まった次の瞬間に始まったブーイング。それに対して彼女は「もうブーイングは要らない」と毅然とした態度で観客に伝え、涙を流す大坂を慰めました。

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決勝の試合が荒れてしまった原因は、ウィリアムズの精神的な起伏だけでなく、観客の「ナショナリズム」にもあったのではないかと僕は思います。
ルックス的には大坂もウィリアムズも「有色人種」ですが、国籍は大坂が日本でウィリアムズはアメリカです。このような場合、アメリカ人は当然の如くアメリカ人を激しく応援します。今日の試合は会場の9割くらいの人々が多分ウィリアムズが勝つだろうと思っていたし、彼女に不利な事には徹底的にブーイングをしていました。どちらが正しいかというよりも、まるでトランプさんの如く、「America as No.1 」と言いたかったようにも映ります。

テニスが大好きな僕からすると、選手の国が日本か違う国かはそれほど大きな問題じゃなくて、それでも日本人らしさがちらほら見える大坂なおみのキャラクターや彼女のテニスに対する姿勢は素晴らしいと思っています。

ランキングが7位にジャンプアップする大坂なおみ。これからは色々な選手から研究され、マークされることでしょう。日本人だからという理由ではなく、彼女のことはこれからも応援したいと思います。

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