哲学者はなぜ変人と呼ばれ煙たがられてしまうのか
「哲学者」と聞いて誰を思い浮かべるでしょうか。ソクラテス、プラトン、ニーチェ、ハイデガー、キェルケゴール、フロイド、カント、岡潔、千葉雅也、実に多くの人々が哲学を持ち、哲学し、哲学を深めて来ました。
哲学に関心を持つようになり様々な書籍を読んでみて気づいたのは、
「そもそも」という書き出しがとても多いという事実です。
なぜ、「そもそも」が多用されるのかと言えば、哲学が物事の根源であったり、本質を探求する学問であるからではないでしょうか。
近頃、AIやディープラーニングが流行しています。ディープラーニング
(深層学習)とは機械(コンピュータ)に大量の情報(ビッグデータ)を与え、分析や特徴の抽出を行う「学習」のことで、人間が物事について深く「学習」する行為、哲学を機械にやらせたものと言えるでしょう。
機械は単純作業が得意です。パーソナルコンピュータの仕様を見れば分かるように、CPUは数GHzの速さで動作し、0と1のビット情報を処理し続けます。
2016年、人工知能の囲碁プログラム”AlphaGo ”が、世界トップレベルの実力を持つ韓国のプロ棋士に勝利したことをご存知でしょうか。
囲碁や将棋、チェスなどの頭脳競技は競技者同士がお互いに、ここに打てば相手はこう打って、その次は…というように何手か先まで考えシミュレーションをして、限られた時間の中で選択し、決定をするプロセスを繰り返します。したがってシミュレーションする範囲が広ければ広いほどミスが減り、ゲームを有利に進められるゲームです。人間vs人間の場合は機械にはない感情や直感があるため、心理的な戦いでもあるのですが、機械vs人間の場合、機械を心理戦に持ち込むことは出来ないため、優秀なプログラミングがなされたAIに人間が勝つことは非常に難しくなったというのが事実です。
僕が言いたいのは、これらの頭脳競技に於いて機械vs人間の試合を組むのはもう辞めようということであって、人間vs人間の試合を否定することではありません。藤井聡太七段とかホントに凄い。純粋に物事を追求する人、哲人は尊敬しています。彼のような人が出現すると将棋界全体に衝撃が走り、年長者たちが焦りを感じます。結果、将棋界が盛り上がり幼い子供たちに将棋を教えたい人が増えるはずです。
つまり、どの業界でもトップを走るプレーヤーが哲学的思考ができる人間であればその業界は再加速出来る訳で、業界内という狭い範囲では嫌われたり煙たがられたりしてしまうのですが、俯瞰的な視野においては明らかに善いことになるのです。
因みに僕が現時点で最も親しみを持っている哲学者はニーチェです。
キリスト教社会にあって「神は死んだ」と言い、恋愛下手だったニーチェに自分との共通点を感じてしまうのかもしれません。
現在、国内では知性の高い方々、普段は怒らない方々が怒りの声をあげています。原発再稼働の政府方針に対し坂本龍一さんや宮崎駿さんが、哲学者の方々が日本の詰込み型教育に、沖縄の民衆が辺野古への基地移設に、多くの市民がオスプレイやイージス・アショアの購入に、今でも充分税率が高いのに消費税まで引き上げようとしていることに、屁理屈みたいな法案を強行採決ばかりする政府に、怒っています。
哲学はいつの時代も「真・善・美」などのシンプルで奥深い概念や言葉の本質を探求する学問で、二律背反する要素(テーゼとアンチテーゼ)を如何に解決するか(ジンテーゼ)を考える学問でもあります。
社会主義にしても民主主義にしても、そもそもは哲学者が考えた統治方法なのですが、どちらにしても独裁者がトップに立ってしまったら機能しなくなるのは当然です。
最後に、知性を高めるコツをいくつかお伝えしたいと思います。
・ニュースはテレビや新聞だけではなくインターネットで確認すること
・本を読むこと、歴史に関心を持つこと
・自分の経験を活かす方法を考えてみること
・尊敬する人の意見に耳を傾けること
・尊敬できない反面教師を観察し、逆の行動を取ってみること
人は観たいもの、聞きたいことしか脳にインプットしない厄介な特性を持った生き物です。意識的に「観たくない、聞きたくない」ことに向き合うことをしてみると人は精神的に強くなることができます。
どうです、哲学してみたくなりませんか。
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