絵本 ペンちゃんと黄色いハラマキ

ゆきがしんしんとふるまちに
ちいさなペンギンの
ペンちゃんがいました。

ペンちゃんは
げんきなペンギンのこども
なにかをみつけるのが
だーいすき

『きょうは、なにがみつかるかな?」

ぺんちゃんは
きょうもげんきに
おうちのまわりをあるきます

ぴゅーう、ぴゅーう
きゅうに、つよいかぜがふきました

「わぁ、とばされちゃうよー」
ペンちゃんはぎゅっとからだをまるめました

すると・・・

ひゅーん、パサ

なにかやわらかいものが
ペンちゃんのあたまにひっかかりました

「うわ、なんだなんだ?」

モゾモゾモゾモゾ
パァー
「なんだぁ、これ?」

それは、きいろいきいろい
ふわふわのハラマキでした

「すごくふわふわだぁ」

ペンちゃんは
どうつかうかわかりませんでしたが
このふわふわなものが
すきになりました。

「いいものみつけた」

ペンちゃんは
みつけたきいろいハラマキを

あたまにかぶってみたり
だきしめてみたり
あしにまいてみたりしました

「ふわふわできもちいいけど
ぼくにはちょっとおっきいなぁ」

そうしていろいろ
あそんでいるうちに
ペンちゃんはおなかに
ハラマキをまいてみました

「あ、これだ
おなかもあったかい」

ペンちゃんは
うれしくなって
あるきました

すこしあるくと
おともだちのギンちゃんに
あいました

「それなーに?」
「ふわふわであったかいんだ」
「いいな、ぼくにもかして」
「ダメ、これボクの」

つぎは、おとなりにすんでる
アザラシさんにあいました

「きいろいそれかわいいね」
「うん、ふわふわであったかいんだ」
「さむくておなかがつめたくなっちゃったから
ちょっとかしてくれる?」
「ダメ、これボクの」

また、すこしあるくと
おじいさんぺんぎんの
ロウさんとあいました

「やぁ、ペンちゃんいいハラマキしてるね」
「ロウさん、ハラマキってなぁーに?」
「きいろのおなかにまいてるやつだよ」
「これハラマキっていうんだね。
うん、ふわふわであったかいんだ」
「そうかそうか!よかったね」
ロウさんはニコニコしながらいいました

ロウさんは、やさしいおじいちゃん
とってきたさかなをアザラシさんにあげたり
つくったマフラーを
ペンちゃんやギンちゃんにプレゼントしてくれたり
なにかしてあげるのがだいすきです

ペンちゃんはふしぎでした
「なんで、みんなにあげるのかな?」

ペンちゃんはロウさんにきいてみました
「どうして、みんなにプレゼントしてるの?」

するとロウさんはいいました
「ぼくにはじゅうぶんあるからさ」
「それにみんながよろこんでくれたら
うれしいからね」
「ペンちゃんもだれかにプレゼントしてみたら?」

ロウさんはニコニコして
おうちへかえっていきました

「ボクにプレゼントできるものなんかないよ」
と、ペンちゃんはおもいながらおうちへかえりました

おうちにはいるとママがいました

「ペンちゃんおかえり」
「あらあら、かわいいハラマキみつけたのね」

少しさむそうにしながら
ママはイスにすわっておなかをさすっています

ママのおなかは
まいにちおおきくなっています

そうです
もうすぐペンちゃんはおにいさんになります

「ママさむいの?」
ペンちゃんはききました

「うん、いつもつかってるふわふわさんは
おせんたくしたからね」
そういうとママはまどのほうをみました

まどのちかくには
いつもママがつかってる
ふわふわさんがほしてありました

その時ペンちゃんは
ロウさんがいってくれたことを
おもいだしました

「ペンちゃんもだれかにプレゼントしてごらん?」

ペンちゃんはおもいました
「ぼくのハラマキも
ふわふわだし、あったかいぞ!」

ペンちゃんはハラマキはずして
ママにあげました

「ママこれどうぞ!」

ママはびっくりしたかおしましたが
すぐにニコニコになって
「ペンちゃんありがとう
ペンはやさしいね」といって
ふわふわの黄色いハラマキを
おおきくなったおなかにまきました。

「ペンちゃんあたたかいわ
あかちゃんもよろこんでるよ」

そういうとママのおなかがうごきました

ペンちゃんはすごくうれしくなって
ロウさんがだれかにプレゼントしてるりゆうが
すこしわかったきがしました

「よろんでくれるのはうれしいな」

それからペンちゃんは
みんながよろこぶことをみつける
はかせになりました。

しっぱいしておこられることも
ありましたが
みんながよろこんでくれるかおが
うれしかったのです

あなたのまわりにペンちゃんみたいな
ひとはいますか?
もしかしたら、つぎのペンちゃんはあなたかもしれません。

おしまい。

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