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ニットソーとは? 〜ニット⑦ニットとカットの見分け方:補足〜

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たまに見かける「ニットソー」的なものを私物で探してみました。
どうやらこれがそうみたいです。
意外とニットソーを持ってないことに気がつきました。

で、ニットかカットかの見分けですが、

リブスタートしてるか?

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裾リブの拡大画像です。リブと身頃の天竺の切り替えわかりますか?
(わかり辛いですね)

さらに拡大

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黄色の線が天竺とリブの境界線。
微妙!ですがとりあえず続き編みのようです。

ファッションマークはあるか?

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アームホール部です。全然ないですね、裁断してます。

では縫製は?リンキングしてるのか?
裏側、サイドシームです。

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この縫いしろの少なさでオーバーロックのほつれ止めもないということはリンキング。
リンキングのステッチ見えるかと思ったんですが画像では見えないです。手で広げるとわかります。かなり細かいです。
(ちなみにリンキング機にもゲージがあります。ハイゲージな編み地をリンキング縫製するならハイゲージのリンキング機も必要になります。)

・リブスタートで
・リンキング縫製で
・減らし目はなく必要なところは裁断

ニットの特徴は2つ使ってあります。
ニット、カットどっちでしょう?

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ニット品番、ニット扱いになってますね。

たぶん、
「横編み機でガーメントレングスとして連続編成して、リンキング縫製」
という段取り。
で、ニット扱いになったんだと思います。
(オーダー先もニット屋さんになるので)

モノ自体は一見カット(ボーダーのロンTEE)にみえて、よく見るとニット?
というニットソーと言ってもいいものだと思います。

つくり手サイドがなんて呼ぶかでカテゴライズされてるくらいの感じがニットソーの曖昧な現状だと思われます。

ニットとカットの見分け方はもともとの手編みニットらしい特徴が使われてるかどうかでした。(ファッションマークは“ニットらしさ“をだすため、意図的に使ってるケースも多い)

が、細かくみていくと画像のスティーブンアランのように中間にあたるようなモノも結構あります。
技術の進化などで時代とともにだんだん曖昧になってきてる感じもします。
(ニットのハイゲージ化とかコンピューター編み機の進化など)

偉そうに見分け方とか言いましたが、実はそんなにはっきりしなくなってきてます。ではこの見分け方は意味なかったのか?というと決してそんなことはないです。

『ニットやカットの細かなディティールがわかればニットらしさやカットらしさというのがこういう細かなことの積み重ねにより表現されてることがわかると思います。』

<まとめ>です

◉ニット・カットの見分け方

1、リブスタート
2、ファッションマーク(減らし目、移し目)
3、リンキング縫製

でしたが絶対確実ではないし、技術的進化でニットソーと呼ばれるような曖昧な商品も増えている。

◉それでも『細かなディティールを知ること』=『ニットらしさ、カットらしさ』を知ることなので
商品の企画意図(なにがしたかったか)や良さを理解することになります。

<補足の補足>                                                
  今回、これを書くために家中の服の細かいところまで改めてみることになってます。で、いざみてみると細かい仕様がそれぞれホントに違います。
スウェットも何枚かみたのですが全く同じ仕様のモノはありませんでした。
それをただ見てみるだけの回も面白そうなのでまた書いてみようと思います。

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