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圧倒的な暖かさ・軽さ〜ダウンウェア①〜

ここ10〜15年くらい店頭での防寒アウターの主役といえば一般的に『ダウン』という状況です。

なぜかというと表題通り、他のアウターと比較して圧倒的に能力が高いから。
(ハイテク素材みたいに“パフォーマンスが高い“という言い方がしっくりくるほど、機能性が高い素材です。)

『暖かくて軽い』

シンプルにこの能力が圧倒的です。

◉なんで暖かいか?

「ダウン自体の正体がタンポポの綿毛状で羽枝(繊維としてとらえると)がめちゃめちゃ細かく、保湿性(空気抱合力)、透湿性、圧縮復元力に優れている」からです。

つまりどういうことかと言うと

『暖かい空気をとどめておく力がすごい』


◉なんで軽いか?

「ダウン自体の正体がタンポポの綿毛状で羽枝(繊維としてとらえると)がめちゃめちゃ細かくて軽く、この原料の綿毛の状態、ほぼそのまま使用される珍しい素材」だからです。

カシミヤやウールとの重さの比較というよりも、綿毛のまま使うということが軽さに直結してると思われます。(他の繊維は一旦、糸にしなくてはいけない)

これも今更ですがダウンボールの形状画像です。


ダウンウェアの重さもダウン自体の重さより側生地や付属の重さ次第なのはよくおわかりだと思います。(ダウンウェアはこっちの進化で普及したといってもいいくらい)

珍しい比較をしてるサイトがあったのでどうぞ。アウターの重さの平均値比較をしています。(もちろんそこは“モノによるでしょ“が本来正しいですがご参考までに。)

http://lovetalk-info.com/coat-weight/

ダウンウェアの重さは目的に応じてだいぶバラツキがあります。が、ダウン自体は圧倒的に軽いので「軽さ」を重視すればかなり軽いものがつくれるようです。

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「暖かい」「軽い」、ダウンウェアはこの二つの特徴に色んな要素が集約されていきがちです。

ダウンがらみで開発された素材や技術や工夫は全て『暖かくて軽い』を最大限活かす、(または損なわないようにする)ためのものと言ってもいいくらいです。

例えばダウンは綿毛状のまま使わないと『暖かくて軽い』を実現できません。
身につけるなら綿毛を人が着れる衣服の形にしなければいけません。

(言われないと意外と気付かないですがダウンは糸にできません。他の動物系の繊維のように糸にして、生地にして、服にすることができない)

今となってはあたり前ですが、キルティング技術の応用で小さい部屋をたくさんつくってパッキングすることで「ダウンが満遍なく体を覆える」ようになり人が着れるようになりました。

(と言っても布団や寝袋としての利用の方が断然古いらしいのでその辺からの応用だと思われますが、、)

ダウンウェア製品の最初はエディバウアーの「スカイライナー」というのが定説です。

(1936年のことなので当時のウールのフランネルやメルトンとかブランケットのような素材、ウールのローゲージニット、ムートンなどと比較すると本当に圧倒的に『暖かくて軽い』素材だったはずです。が、当時の側生地は軽くないかも、、)


ダウンウェア自体の歴史は浅いです。

昔からいろんな形で利用はされてきたようですが、衣服の製品として形になってからは90年も経ってないみたいですし、デイリーユースとして広く普及しだしてからは30年くらいだと思われます。


(本当に最初のダウンウェアといわれてる登山用特注モデルからの返還が紹介されてました)

https://blog.gxomens.com/history-of-down-jacket/


(こちらは参考までにエディバウアーについて)


<まとめ>

・ダウンの最大の特徴は『暖かくて軽い』こと
◉暖かい空気をとどめておく力がすごいので暖かい
◉タンポポの綿毛状の素材をそのままの状態で使用するので軽い
 (ダウンは糸にできない)

・実質ダウンウェアの重さは側生地と付属次第

・ダウンウェアの歴史は浅い(最初の既製品は1936年アウトドアウェアとして登場、デイリーユース、タウンユースで普及したのはここ30年くらい)

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