3人の奥さんと1人の旦那さん(1)

NetflixにThree Wives One Husband という、アメリカ ユタ州にあるポリアモリーの集落に迫るドキュメンタリーがあって、これが面白い。ポリアモリーに生きる人、またポリアモリーに興味関心のある方におすすめなので、少しだけ内容をシェア。

番組では、ここまでのところ、主に2つの家族が取り上げられていて、一人一人が素直に無条件に愛し愛される幸せを堪能している一方、ポリアモリーにつきものの、嫉妬や疑念、自信喪失などにも真摯に向き合いながら、より制限のない愛の形に辿り着こうと模索している。ドラマじゃない日常としてのポリアモリーがそこにある。

妻側の女性たちの苦悩は、私がロサンゼルスの彼との関係を確立していく中で向き合って来た感情や思考そのもの。この奥さん今きついだろうな、とか、自分はこうやって次の段階に進んだんだったな、とか、ここでご主人はどうやったらこの奥さんを安心させてあげられたかなとかいろいろ思う。

あるご主人には3人の奥さんがいて、その3人が隣り合った家々にそれぞれ住んでいる。毎日日替わりでそれぞれの家に泊まる取り決め。それぞれの奥さんと気持ちも身体も結びついていて、ひとつひとつの絆をしっかり愛情をかけて育もうとお互いに努力していることが伝わってくる。

彼は毎月1回ずつ一人一人とのデート時間を確保していて、母の日には3人それぞれのことを考えながら、花瓶を選び、飾る花を選ぶ。出産で不安定になる奥様がいれば、他の2人と調整して、出来るだけそばにいて不安を取り除けるよう、心を尽くす。3人の奥様を抱える旦那さんとして、それぞれの奥様に、子どもたちに、愛情を持ち、また示すことができるよう、心を尽くしている。

たとえばある奥さんが出産するとなったら、他の奥さんが付き添うこともある。一方、お互いに気を遣い、旦那さんとそれぞれが二人きりになれる時間も作れるよう奥様同士は工夫をする。境界はあるものの、全員が村落内の近居で、大家族の一員として信頼関係を築けるよう、お互いにも努力を重ねている。お互いへの感情は、姉妹とも違う、なんとも独特なものに見える。綺麗なところもそうでないところもさらけ出して付き合わなければやっていけないこともあり、姉妹よりずっと近いように見える。

同意しての多重婚なので、お互いの存在を否定することはないけれど、他の奥様の存在が、不安の原因になることはたまにある。醜い感情を晒しあうこともあるようだ。ただ彼らは、モルモン教の教えの上で生活していることもあり、心の底からの慈悲を持って、しっかりコミュニケーションを重ねることで、一つ一つの関係をより強固にできるよう、努力を重ねており、それらの努力が、それぞれにとって最適な関係性を築いていくことにつながっている。

続く、、、

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