見出し画像

【リーグワン戦記 2】東葛VS近鉄、サントリーVSクボタ

開幕節の2日目。今日は東葛のリーグワン初勝利が劇的でした!

○東葛 36 ー 34 近鉄×

昇格組の近鉄。メンバーも充実しており、クーパー、ワカがいませんが、戦力的にはD1で戦えるメンバーでしょう。他方、東葛は入れ替え戦を凌いだとはいえ、リーグでは1勝もできませんでした。上位を狙うというよりは、いずれもまずは残留から中位を狙うというところでしょう。

試合は付かず離れずですが、両チームともアタックは十分にできているのですが、ディフェンスに回った時の脆さが気になります。ランナーが強いのもわかりますが、D1ではどこもこのトップレベルのランナーはいるので、走られ過ぎ。。という感じがします。

この辺りが、上位とやる時は差になりそう見えます。

試合は後半に近鉄が追いついて、追い越してからはどんどんヒートアップ。後半30分に東葛が追いつき、追い越して、その5分後に近鉄がトライを返すのですが、この時、最後抜け出た竹田をしっかり追いかけて、プレッシャーをかけて、グラウディングの位置をライン側に追い込んだのがレメキ!このプレーは、今日の隠れたMV Pプレーでしょう。このプレーで、コンバージョンキックが、ポールに当たるという悪戯をうみ、2点差を生み出しました。ここは、レメキの中に、「2点は絶対抑える」という強い意思を感じました。チームの精神的柱です。

しかし2点差。80分まわってから、近鉄が東葛陣内で怒涛の連続攻撃。近鉄もミスなく攻め続けますし、東葛も、ペナルティで3点取られれば逆転されるわけで、絶対に反則できない中で堪え続ける。夕日を受けて影の大きくなったグランドに、初勝利を願う東葛ファンの熱気が立ちこめる。会場の雰囲気は、とても「初戦」ではなくて、まるで「決勝戦のラスト」のような雰囲気に。

思えば、東葛は、昨年は、このような状況で最後に捲られた試合がいくつかありました。彼らは、この場面をなん度も経て、その都度悔しい思いをしてきたはず。そして頭の中には、「またやられるのか」という思いも去来したはず。

その思いの積み重ね、悔しさの積み重ねが、最後の粘りにつながったように思います。

ということで、東葛は、ポールも味方にしての、リーグワン初勝利。1勝というのが、ここまで大変なのか、見ていて、初戦ながら、選手たちの想いが伝わってきて、ちょっとグッときました。

チームとしては両チームとも課題が大きいですが、素晴らしい熱量の試合でした!

× サントリー18 ー 31クボタ ○

クボタは、上位に上がってきて久しいように見えますが、サントリーにはどうやらずいぶん長いこと勝っていないようで、今日はメンバー的にもサントリーは少し外国からの選手が遅れていることもあり、必勝を期したい所。この壁を越えなければ、トップはないわけで、単なる初戦ではない、という意気込みを感じます。

その思いの熱量の差か、前半からクボタのタックルの激しさと、接点での圧力の強さが目立ち、サントリーを明らかに押しまくっています。特に、ボールを持っていない時の選手たちの「仕事」の激しさが、サントリーのそれを明らかに上回っていて、鮮やかな蛍光のオレンジ色が一歩二歩、前に出続けています。

得点ということになると、PGを刻み、派手さはないのですが、見ている方としては「この激しさで後半も持つのだろうか。。」と危惧してしまうくらいの激しさをクボタからは感じます。あとは、今日はSHの藤原の動きが目立ちます。相手が斎藤ということもあって、ライバル心は大いにあると思います。FWが自分優勢ということなので、イコール条件では見れませんが、今日の動きは思い切りの良さが目立ちます。サントリーは、中野が孤軍奮闘。リーは、根塚のトライのところのディフェンスの甘さが残念。

勝負としては、後半の立ち上がりのクボタの完璧な流れの中からのトライと、難しいコンバージョンをフォーリーがしっかり決めて、15点差をつけたところが1つのポイントでしょう。本来は、サントリーが取るべき時間帯でのこの得点は痛かったはずです。しかもコンバージョンが決まって2トライ2ゴール差を超えたのも痛かったでしょう。

その後サントリーが松島抜けるー>斎藤捌いて→タタフが中央突破、という代表選手の並びでスコアを戻しますが、クボタはヘルが出てきてから、スクラムがまき直してきており、相手ボールスクラムを捲ってペナルティとっての60分手前の3点も大きかったです。

後半の後半になってきて、流石にクボタの圧力という点では、前半の勢いは無くなってきています。それはしょうがないですよね。。サントリーのスピードに振り回されてきている印象があります。その中で、65分の、ファンデンフィーハーのキックチャージからのオーバー、そのボールを、マークスが大きく(まるでハーフのように)捌いて、フォーリーが、慌てて上がってくる相手を嘲笑うかのように裏へキックパス。木田がそれをしっかり待っていて、鮮やかなトライ。少し劣勢に見えた時間でのこのカウンタートライで、試合は概ね決しました。

サントリーはまだメンバーが足りていない印象ですが、今日は明らかに接点の圧力、1つ1つのタックルの激しさなどで負けていて、勝機を見出せない試合でした。他方でクボタは、完勝、と言っていい内容でしょう。出だしの激しさから、最後までその余韻を持って戦っており、控えメンバーの充実もあり、厚みのあるチームになっています。あとは、フォーリー。彼の存在は大きいですね。。ゴールキックは微妙だと思うのですが、今日は素晴らしい。今日は足技もさえ、そして、何よりも彼は、熱い。この激しい、熱いチームを率いるにふさわしい闘将、という感じです。申し訳ないですが、田村が霞んでいます。。

16試合のリーグ戦、去年を見ても、3、4敗くらいまでがトップ4に残る条件でしょう。その点はこの1勝、この1敗がシーズン全体に及ぼす影響は、そこまででもないと思いますが、クボタは、勢いに乗るでしょう。間違いなく。そういう試合に見えました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?