【小説】あかねいろー第2部ー 70)最高のタックル
SHからSOに向かってボールが出る。今度は10番は少しだけ前に出て、真横のタウファにボールを丁寧に丁寧に渡す。パスをするというより、文字通り、ボールを手渡す。僕らもそこに詰める。ライン間隔はより小さくしている。間を抜かれる可能性は小さい。ならば、彼のする選択はさっきと同じはずだ。
タウファ。彼を倒さずに、彼を乗り越えないで先にはいけない。ここでトライを許せば僕の秋は終わる。僕の高校ラグビーは終わる。沙織、津雲詩音、いろんなものが消えていく。
正面だ。正面から当たるん