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あかねいろ 第2部

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新チームが結成され、改めて目標は花園!ベスト8チームが、上を見てあがき出します! 第1部はこちら! https://note.com/1331/m/m046bc9fc27cb
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#連載小説

【小説】あかねいろー第2部ー 76)応援団

 火曜日の練習の後、応援団の団長の高橋が団員3名を連れてラグビー部の部室を訪ねてくる。 …

Inokichi
3日前
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【小説】あかねいろー第2部ー 75)作戦準備 ー楕円という形をいかす?ー

 2時間ほどしてから、レギュラー組が集まり、ゲームに向けてのプランを確認する。特に新しい…

Inokichi
9日前

【小説】あかねいろー第2部ー 74)作戦準備 ー雨乞い?ー

 月曜日の練習はオフで、次の試合に向けてのミーティングをした。  今の県大会での廣岡工業…

Inokichi
2週間前
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【小説】あかねいろー第2部ー 73)こんな自分に、生きている価値があるのだろうか?

 公園の道は、街灯に照らされてぼんやりと白い。200mほど歩き、大きな広場に出る。小さい…

Inokichi
3週間前

【小説】あかねいろー第2部ー 72)続く夢。2通のLINE

  着替えを済ませて、スタンドに上がり次の試合を見る。  第2シードの廣川工業が東地区の…

Inokichi
1か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 71)ラグビーに愛される男

  ホイッスルが鳴ると、僕は空を見上げる。雨は相変わらず強い。でも、この雨の感覚は1度目…

Inokichi
1か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 70)最高のタックル

   SHからSOに向かってボールが出る。今度は10番は少しだけ前に出て、真横のタウファにボールを丁寧に丁寧に渡す。パスをするというより、文字通り、ボールを手渡す。僕らもそこに詰める。ライン間隔はより小さくしている。間を抜かれる可能性は小さい。ならば、彼のする選択はさっきと同じはずだ。  タウファ。彼を倒さずに、彼を乗り越えないで先にはいけない。ここでトライを許せば僕の秋は終わる。僕の高校ラグビーは終わる。沙織、津雲詩音、いろんなものが消えていく。  正面だ。正面から当たるん

【小説】あかねいろー第2部ー 69)ゴールライン上にて

   20分を回る。自陣22mの真ん中あたりでのマイボールのスクラムは問題なく岡野の手に…

Inokichi
2か月前

【小説】あかねいろー第2部ー 68)火花が引火して心が沸騰

  キックオフのボールはミスキックになり、低い弾道で僕らの右サイドに飛んでくる。回転が不…

Inokichi
2か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 67)逆転の雨

  後半5分を過ぎたところで、試合を土俵中央に押し戻す。しかも、相手の切り札のタウファは…

Inokichi
3か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 66)追い上げの雨

  スタンドの下のロッカールームに引き上げ、前半の反省をする。点差は8点、1トライ差圏外…

Inokichi
3か月前

【小説】あかねいろー第2部ー 65)呆然というよりも唖然

  先制を許したけれども、桜渓大付属に動揺の色は見られなかった。彼らは彼らで、関東大会ま…

Inokichi
3か月前

【小説】あかねいろー第2部ー 64)生きて帰ってこれるのは勝った時だけだ

  10月19日はあいにくの曇り空。灰色の厚手の雲が低く垂れ込み、午後からは雨の予報も出…

Inokichi
3か月前
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【小説】あかねいろー第2部ー 63)僕が力強くなれるのは、僕たち、のことだけ

  24時近くになる。  普段は僕は、できる限り日は跨がないように寝る。朝は6時に起きる。そして7時半には学校に行き朝練をする。  寝なければ、と思う。でも、何かが引っ掛かっている。誰かが僕を呼んでいるような気がする。まだ何か忘れている。何かをやり残している。出かける前に、何かやり残したことや忘れ物がないか不安になる、それに近い違和感を感じる。  もう一度、小窓から空を見上げる。漆黒の夜空を。星は見えない。月もいない。  沙織だ。  沙織にLINEをしなければ。  夏の初めの