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『夢を探して』 [8] 妖精の城
城は、ほとんど権力の象徴だという。
中には、ルードヴィッヒのように、夢物語を現実にしたくて、夢現実だけのために創られたものもある。それらは、他の城と比べて何か違う美しさを感じる。冷たい感じの権力だけを見せつけるための城ではなく、誰もがひとつは心に持ちたいと願ってやまない夢の城である。若き王は、狂気だと言われたが、本当のことは、城を写す湖と森の自然だけが知っている。
何だか、解るような気がする。夢を
『夢を探して』 [7] 夢の城
そこは、たぶんドイツだと思う。
深い崖の下に湖があった。バスに乗って、その湖を見ている。すると不思議なほど美しい城があった。
臼紫色の岩の上に建つその城は、誰も行くことが出来ないという。城を取り巻く薄紫のコケが岩肌を覆っていて、誰も寄せ付けない。
まだ、どの本でも見たことがない。
あざやかな屋根を持った白い城は、この世のものとは思えないほど、美しかった。
その城は、どこにあるのだろうか。
続きは、
『夢を探して』 [6] 夢の場所
いつしか、夢で見た場所へ必ず行ける。
夢の場所は、そこへ行けた時、ガイドブックの写真では解らなかった事まで、夢と同じだったりする。嘘だとか、作り事だと思われるかも知れない。
どこかで見た場所だから知っていたに過ぎないと、信じない人は言うだろう。
「信じるものは救われる」
信じれば、信じるものになれたりする。
信じることは、魔法と同じだ。
夢の中で、青い鳥やきれいな紫色がかった青い空を見て感動してい
『夢を探して』 [3] 夢の色
夢を視ますか?
夢には、色がついていますか?
そう聞かれて、即答出来る人は少ない。
考え込む人の方が多い。
簡単な質問なのにと不思議に思う。
夢に色がないと答える人が多い。夢を見たかどうかなんて、考えたこともないし、すぐに忘れてしまう。思い出せない夢を沢山持っている人たちは、考え込むだけだ。
こだわってはいけないのだろうか。
素敵な夢に感動する事がないなんて、美しさを最も現すのは、やはり色の景色だ
『夢を探して』 [2] 香りのない花
妖精の橋の入口には、紫陽花が咲き乱れているんだと思えてきた。どうして、妖精と紫陽花が結びつくのかと、追求されても答えられない。
どんな風に作ったのかわからない。
頭の中の方程式を解くと、そんな答えが出てきた。
虹は七色=紫陽花の七色
花には、それぞれ香りがあり、独特な香りを持って、蜜蜂たちを誘惑するが、紫陽花には、香りがない。それなら、蜜蜂たちはどんな風に、紫陽花を見つけられるだろうか。
私の旅も
『夢を探して』 [1] 夢を探しに
10年前、忘れられない風景を見た。
霧雨の早朝、峠の山道を下りながら、持っていたバッグを落とした。落ちたバッグを拾おうとして、ふと、何気なく振り返った時、
直ぐ近くの畑の中に、ぽつんと建った小さな小屋の屋根の上から、向こうの山まで続くように架けられた「虹の橋」が見えた。
「何て美しい風景だったろう。」今でも、はっきりと心の中に残っている。まるで、「妖精の国へ続く橋」のように思えた。
あの橋を渡って
『Angelo che canta 』[11] ヴェッキオ橋
ヴェッキオ橋のたもとに、
たくさんの貴金属の店が、立ち並ぶ。
ほとんど金製品ばかり。
銀製品の店は、少ししかない。
ハートの形をした小さな、指輪を買った。
『Angelo che canta 』[10]ダ・ヴィンチの住んだ街
ダ・ヴィンチの住んでいた街だ。
ウフィッツィ美術館で、
ダ・ヴィンチの絵に出会った。
魅かれるように、1枚の絵の前に。
大好きな、「受胎告知」
百合を持った天使の指が気になる。
『Angelo che canta 』[9]いざ、フィレンツェへ
ベネチア「サンタ・ルチア駅」から、列車に乗る。
線路が、イタリア本土へと続く。
コンパートメントで、朝食のお弁当を食べながら、
いろんな話をしながら、
列車はフィレンツェに向かう。
『Angelo che canta 』[8] 鉄道駅へ
ホテル前の広場から、船着き場に。
船に乗り、鉄道駅サンタルチアへ。
列車のコンパートメントに、荷物が入りきらない。
列車の中で、サンドイッチを食べる。
ジュースの栓抜きが、何処にもない。
隣のコンパートメントの人が、アーミーナイフを持っていた。
『Angelo che canta 』[7] 水上タクシー
交通機関は「Vaporet」バポレット。
水上バスで、広場や駅、島に行く路線がある。
各駅停車、急行便があり、ヴェネチア全体をほぼ循環している。
「Taxi Acquei」水上タクシーは、水上を走るモーター・ボート。
駅、市内要所に停泊し、急ぎや荷物が多いときは便利。
『Angelo che canta 』[6] 金色の看板
幾つもの橋が結ぶ広場。
フォークとナイフとスプーンを型どった、金色の看板。
レストランのメインは何だろう?
パスタって、スープなの?
幾つもの橋を見ながら、頂く食事は、美味しいだろうな。
『Angelo che canta 』[5] 溜息の橋
橋の上を見上げると、建物を繋ぐ橋が。
ドゥカーレ宮と牢獄を結ぶ橋。
橋を渡ると帰っては来られない。
罪人たちは、溜め息をついて、
一方通行の橋を渡ったのか。
『Angelo che canta 』[3] ホテルの庭
赤っぽいホテルの壁、
並ぶテーブルと椅子。
植木を置いた台のレリーズが花とリンクする。
どのホテルの前もテントが張られ、
カフェが楽しめるよう、テーブルと椅子が用意されている。
建物の中と外では、料金が違うようだ。
『Angelo che canta 』[2] 夢で見た運河の街
スキアボーニ埠頭が、見えてきた。
もうすぐ上陸。
ホテルの前の船着き場に、船が着く。
川のように、運河が続く。
中学の頃、母がもらって来た海外のお土産は、
ベネツィアのチョコレートだった。
個包装の写真と、同じ場所に来たことが、不思議だ。
旅は、ここから始まる。
*1991.09.02 ベネツィア