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2023年2月読んだ本まとめ

3月になりました.2月はあっという間ですね.2月は逃げますもんね.
今月は本をたくさん読んで嫌なことから逃げました.

1冊目.
「愉楽にて」林真理子

あ〜面白かった.という感想です.
上流階級の男性2人の情事を描く物語で,多分普通のおじさんだったらなんだこのクソオヤジ!!って感じなんだけど,こういう世界の綺麗なおじさんはそんなことは感じさせない,やってることはめちゃくちゃだけどね.とはいえ,最後田口さんも久坂さんも最後はあらら…って感じで.まあそういうこともあるよね,彼らも.久坂さんはすごく教養があってそれをやらないと!っていう感じで学んでるわけではなくて自ら学ぶ姿勢っていうのがすごく魅力的だった,私は田口さんよりは久坂さん派.田口さんマザコンだし,流されやすいしね.
林真理子先生はきっとそういう世界に住まれているんだろうなあ〜っと思いました.私もそういう出に生まれてみたかった(笑)(笑)
この本の中に出てくる女性は魅力的な女性が多くて…特にファンリンは私の好みでした.中国人で頭が切れる女性…かっこいい〜!憧れます.
そういえば,この前お父さんと会ったときに何きっかけで言われたかは覚えてないんだけど「ブルジョアだねえ〜」って言われて,この世代はお金持ってる人のことをブルジョアって言うの?なんか私の世代はその言葉使わない気がする.この本に出てきたかどうかは覚えてないけどさ.


2冊目.
「千年ごはん」東直子

これは高山なおみさんが最後解説をしてたから手に取った一冊.
短編の最後に短歌がついてて面白い.
よくある日常の描写が実家にいた頃をすごく思い出させてくれた.一番始めの短歌は心がむず痒くなった〜〜.家の中で学校の男の子の話が出てくるときのとことか…別に好きな人じゃなくてもなんか話題を逸らしたくなるんよな…わかるわかる…他の短編も共感するところがたくさんあって面白かったです.あとご飯すごい美味しそ〜ってなりました.私はやっぱりご飯が大好きでご飯のことがたくさん書いてある本が大好きです!

3冊目.
「コンビニ人間」村田沙耶香

この本ずっと家にあったんだけど,途中で読むのやめてから放ってあったのをもう一度読み直した.芥川賞を受賞した作品なだけあってすごくサクサクページが進んでいって面白かったです.
でも,これが芥川賞なのか〜って感じでした,個人的には.芥川賞ってどういう基準で選ばれるんだろうね?描写が綺麗とか,扱ってるテーマがいいとか?言葉選びがいいとか?

この本の主人公はちょっと変わっててというか,読み進めていくうちにこの人は障害者とは言えないけど,精神疾患持ってる方とか境界知能とかの方なのかな?って思ったりした.ケンカを止めるやり方はスコップで2人を殴ることしか思い浮かばなかったというシーンとか.ちゃんと分かってないけどさ,普通に日常で置き換えるとちょっと怖かった.物事の見方がとても短絡的でさ.ご飯は味が欲しければ醤油や塩をかける.ただそれだけ,というところも.
自分自身,そういう仲裁が必要なシーンが起こったときこういう考え方にはならないだろう.でも,そういう考え方になる人は色んなシーンで生きづらい場面はすごく多いだろう.途中で出てくる白羽さんもこの主人公と同じようなタイプではないのだろうか.
精神疾患の人が起こす事件は少なくないと聞くけれど,やっぱりちょっと偏見を持ってしまうね.(すごく素直な感想です.気を悪くされた方が居られたらごめんなさい.)

内容の中で一番共感できたのは,一緒にいる人に似るって言うところかな.今は会社にいるからあんまり感じないけど,学校で一緒にいる友達ってすごく影響を与えるよね.どんな人かによって自分もその人に寄っていく気がする.もちろん変わらない部分もあるんだけどね,喋り方とかすごくよくわかる気がする.


4冊目.
「なんで僕に聞くんだろう」幡野広志

私この人の写真がすごく好きで.この写真家さんを知ったのは5年前かな.研究室の先輩がカメラが大好きで私もその先輩に影響されてカメラ買って私もどハマりした.もともとインスタに写真載せたりするの大好きだったからカメラがあることでもっと楽しくなった感じ.
そう,そんな中で出会ったのが幡野さんで,写真はもちろん大好きなんだけど,この人の書く文章がすごく面白くてね.なんなんだろうね,この人にしかできない文章の書き方なのよ.
ツイッターをずっとフォローしてるんだけど,途中からcakesで連載し初めて.無料の期間の間に全部読んじゃったからこの本の内容はほとんど読んだことあったんだけど,久々にこの内容を読んで色々思い出したね.

このcakesに質問を寄せる人たちは本当に色んな人がいて,自分が生活したら出会えないような生き方をしている人だったり,いい意味でも悪い意味でも(質問の内容は悪い意味の方が多いかな…(笑))
でも,自分がその立場に立ったときに,確かにあなたならどう思う?どうしたらいいかな?って質問したい内容ばかりだったし,逆に質問されたらなんて答えるか私には想像もつかなかった.幡野さんは返す内容がとても腑に落ちて,そういう考えいいなって思うことが多かった.私の意見をする中での一つの軸になったと思う.
人生経験を積まさせてもらった感じです.

中学生の子だったかな?旅がしてみたい子.すごく胸が熱くなりました.私みたいだった.ワクワクするよね.

5冊目.
「羊と鋼の森」宮下奈都

これは映画化された本ですね.ちょっと前に買ってたんだけど,読んでなくてほったらかされてた.そうこうしてる間に先に映画を見てしまいました.
なので,本を読むたびに映画の映像が思い浮かんできました.
でも,すごく映画忠実に再現されてるな〜って思った.映画を見たから本を読んでそう思うのかどうかわからないけど,あの主人公が思うあの森をすごく映画は綺麗に静謐に映像化されていて,この本の雰囲気を壊してない感じが良かったです.
柳さん,鈴木亮平で正解です.双子ちゃんの役も上白石姉妹で正解.キャスティング良かったです.
この本はすごく文章が綺麗で,山の映像を文章で想像させてくれる.だからこそ映画化がうまくいったのかもしれない.主人公の何も知らないけど,森のこと,自然のことだけはよく知っているあのキャラクターがすごく素敵でした.真面目に貪欲に仕事に向き合うところも大好きです.

6冊目.
「サヨナライツカ」辻仁成

なんでこの本を取ったかというと,私の大好きなツイッタラーの天使さんがおすすめしてたからです.私は彼女の考え方が本当に大好きでこんなにも文章と考え方だけで顔も見えないのに好きになれるんだと思いました.平安時代みたいだね,好きになるのは文章で会話してその文章が素敵だったら…みたいな.(笑)でも,そういうのって素敵だよね.文章ってその人が表れる一つのツールだと思うし,文章で紡がれる内容と単語はその人の経験値だと思うので.

そんなこんなで読み始めたんだけど,沓子…いいわね…私は生まれ変わるなら沓子になりたいくらい.辻さんが表現する沓子は女としての肉体美で貪欲な人.でも,心のうちはちょっと寂しくて.最高ね…
そういう人が物語に出てくるだけで読むのが楽しいよね.
内容ももちろん,素敵で.この物語は沓子の主張が激しいから,光子がいることを忘れてしまうんだけど,光子も良い女性なのよ,違うジャンルで.彼女たちはパラレルというか別の世界で存在するからどちらも美しい女性なんだよね.光子も憧れです.どっちも素晴らしい.

内容はね…なんとも苦しい.苦しいわ…
こんなこと現実で起こり得るんだろうか.2人の2人だけの世界.2人にしかない世界の中で2人は25年間生きてきて…それはそれはとても素晴らしいことなんだけど,なぜって光子がいるから.辛い.2人も辛いのかもだけど,それを知らない(知っているのかもしれないけれど)光子も辛い.
どの立場にたっても辛すぎる.ああ,恋愛ってなんでこうなんだろう.

サヨナライツカ
いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもとっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある
どんなに愛されても幸福を信じてはならない
どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
愛なんか季節のようなもの
ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ
サヨナライツカ
永遠の幸福なんてないように 永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチハがやってくる
人は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと 愛したことを思い出すヒトにわかれる 私はきっと愛したことを思い出す


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