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2024ドラフト展望 ~今年の補強ポイント~

お久しぶりです。
今年もドラフト関係について更新していきます。
まずは今年度25歳以下の選手の一覧表を貼り付けた上で各ポジションの雑感と補強ポイントを書いていきます。

この中から育成再契約や戦力外の選手が出てくるかもしれませんが、現時点ではこういった形となりました。全体的に投手野手ともにバランスが少しずつ取れてきており、編成の偏りが少しずつ解消されてきた印象です。
現在の戦力で足りないのは先発投手、捕手、スラッガー(特に左打者)、外野手といった所でしょうか。逆に指名を見送っていいポジションはこの2年多数指名してきた二遊間くらいで、それ以外なら誰を指名しても補強になる状況です。戦力が足りないチームではありますが、変にバランスを意識しすぎて実力が中途半端な選手を指名するくらいなら現行戦力と被っても実力が抜きんでた選手を指名する方がいいのかなとも思いました。

・先発投手
高橋宏が覚醒。リーグトップクラスの成績を出すまでに成長しました。
しかし、彼以外の投手がなかなか続けません。小笠原と松葉は安定していますが、なかなか勝ち星が付いてこず。涌井も援護に恵まれない中奮闘しましたが、夏場に故障離脱しました。大野も衰えが隠せませんし、柳、メヒアも不安定な投球が続きました。
間隔を空けながらの起用となったが梅津が1年間投げきれそうな事、松木平のプロ初勝利と良いニュースもありますが、全体的に見れば収穫は少なかったと言わざるを得ません。
2軍は昨季リーグワーストだった防御率が今季は2点台になり、大きく改善されました。しかし内容を見ると、圧倒的な成績を出した松木平以外は先程上述した大野や柳等の1軍クラスの投手がローテを回した事も要因となっており、若手が成長したから良くなった訳ではない事は留意しておく必要があります。当然新たな外国人投手の獲得に動くとは思いますが、ドラフトでも即実戦投入可能な先発投手の指名はマストと言えます。

・救援投手
マルティネスが今季も素晴らしい活躍を見せ、清水も防御率0点台と安定感を見せています。松山は開幕は苦労しましたが、見事に立ち直り8回の男に定着。藤嶋は不規則な起用が多いながらも安定した投球を見せました。ウィークポイントだった左のリリーフも斎藤が昨季に続き活躍。さらに橋本が1軍に定着し、チームを助けました。昨季勝ちパターンを務めた勝野やフェリス、梅野の不調、また祖父江らベテラン陣の勤続疲労はあるものの、救援陣の層は昨季と比較すると厚くなった印象があります。2軍を見渡すと石川翔や近藤、故障から復帰の岡田が好成績を上げ、来季の支配下復帰に多少期待が持てるまでには復調してきました。
優先順位が低いポジションではあるもののマルティネスの来季契約が不透明である事、また好成績を上げた投手が来季不調に陥る可能性もある事を考慮すると何かしらの補充はしておきたいのが本音です。他球団の戦力外の獲得や新外国人も必要になるとは思いますが、ドラフトでも来季すぐに実戦で使える投手の指名はお願いしたいですね。

・捕手
最も問題点を抱えているポジションと言えます。
木下は昨年に続き打撃不振が続き、出場試合が減少。宇佐見も1軍と2軍を行ったり来たりとなった影響もあり、加藤の起用が増えました。ただ加藤に関しても課題である打撃を克服出来ておらず、スタメンで使い続けるには余りにも頼りないのが正直な感想です。石橋もスローイングへの不安があるのか首脳陣の信頼を得られておらず、出場試合数を増やせていません。
ここまで書きましたが
①1軍起用を重ねた中堅捕手達が結果を出せてない
②石橋等の若手捕手達に1軍での実戦機会が充分に与えられていない
③木下のFA流出の可能性もある
という問題だらけの状況となってます。
来季から石橋等の若手捕手達の1軍起用を増やす事を前提にしたとしても、彼らと競い合えるような大社捕手の指名は必要になってくるかなぁとは思います。

・内野手
一、三塁は中田と周平で開幕はスタートしましたが、中田は3度の故障離脱もあり、本来の実力を発揮できず。周平は開幕当初チームを引っ張りましたが、4月に脚を故障。復帰後はそれなりの成績を維持しています。ビシエドも衰えが目立ち、代打で期待した中島も全く役割が果たせなかった為、中堅、ベテラン陣が総倒れの状況となってしまいました。
そんな中で福永が昨季より成績を伸ばした事は不幸中の幸いでしょう。外野手にも挑戦し、守備位置がなかなか定まらない状況で好成績を出しました。昨季規定到達した石川の出番が昨季より減少したものの、夏場から一、三塁の布陣が石川、福永、周平の併用となりました。来季も引っ張っていってもらいたい所ではありますが、まだまだ3名とも不安な所が多い事に加え、石川以外に長打力のある若手内野手が不在である事を考慮すると、ホームランの打てるスラッガーは補強ポイントに合致します。
二遊間は田中、ロドリゲスで開幕はスタート。田中は体調面に考慮しながらの起用となりましたが、常時1軍帯同を達成。ロドリゲスは守備では光る物を見せましたが、打力不足が目立った事もあり、春先からアピールし続けていた村松がショートの座を掴みました。若手では龍空、辻本らも控えていますし、バックアップでは山本、板山もいます。過去2年二遊間の強化に力を入れてきた事もあり、レギュラー確定の選手はいないものの人員は充実してきたので、基本的に大社二遊間の指名の必要はありません。高卒二遊間の選手であれば指名してもいいとは思いますが、基本的に優先順位は低めのポジションとなります。

・外野手
細川は昨年に引き続き活躍し、クリーンナップの座を不動の物としました。
しかし、それ以外の外野手がパッとしません。夏以降は調子を取り戻したものの、岡林が右肩の故障の影響もあり、一時打率2割を切る大不振。代わりに開幕スタメンを掴んだ三好、今季加入の上林も打撃不振に陥ってしまい、結局岡林からレギュラーを奪う選手は現れず。ディカーソンも低空飛行が続きました。
ベテランの大島は代打に回り、要所では活躍を見せましたが、成績は大きく落ちました。皮肉な事に内野手のカリステと育成で加入した板山が細川以外だと一番活躍する外野手となり、既存の外野手達にとっては厳しい結果となりました。
本来なら外野手を補強したい所ではありますが、中日は他球団と比較しても外野手の人数が多いチーム。さらにカリステに加えて、もし福永が外野をメインに守る事態にでもなれば、一気に出場機会の割り振りが難しくなります。今オフに3~4名リリースしたと仮定しても、外野手の大量指名はまず不可能。よって、外野手はこれと決めた選手を1人指名するのがベストではないかと思います。左のスラッガーであれば最高ですが、右打者でもまるっきり補強ポイントから外れている訳ではないので、状況を見て柔軟に対応してほしいですね。

・総括
補強ポイントを纏めると、①高校生右腕②大社の先発投手③大社の捕手④スラッガー(特に左打者)⑤外野手となりました。
優先順位を付けるとすれば、②④③①⑤の順番でしょうか。
大社の先発投手とスラッガーに関しては指名の優劣をつけがたい所です。
今年からプロ野球は使用球、高校野球はバットの規格が変わった影響で投手のレベルが上がり、野手のパフォーマンスは下がりました。
その影響もあるのか「打者が当てにならないから、投手を先に確保するべき」という意見もあれば、「野手の候補が少ないから、良い野手は先に確保するべきだ」という意見も散見されます。
どちらが正しいというのは無いのですが、今年の中日のドラフトに関していえば投手の確保を重視する方が現実的かと思います。
年齢表を見ても野手は少しずつ形になってきていますが、投手を見ると先発は宏斗以外の若手投手の台頭が見られない事に加え、宏斗自身も将来のMLB挑戦の可能性もある事を考えると毎年先発投手を確保しないといけない状況になる事が予想されます。そうなると先発投手の優先順位を上げざるを得なくなる事は仕方がない事かなと。
ただし野手の1位指名がダメという事ではありません。有望な野手は毎年出てくる訳ではありませんし、貧打解消は長年の課題。ここはしっかり編成部と現場で話し合ってベストな選択を出して欲しいですね。
捕手は木下が残留したとしても、パフォーマンスが年々落ちている事を考えれば、なんとか指名をしたい所。ポジションの関係で1年目から1軍で活躍するという事は難しいですが、このままいけばいずれ捕手も弱点になる事は確実。そうなる前に課題を解消したい所です。
高校生右腕と外野手に関しては今年の市場を見る限り、確保自体は正直難しくないでしょう。特に高校生右腕は豊作の年。過去の傾向を見るに中日のスカウト陣は高校生右腕を好む傾向にあるので、おそらく誰かは確保したいと考えているはず。但し中日は高校生投手の育成はお世辞にも上手とは言えません。絶対に避けて欲しいのが、「若い右腕がいないから」という理由だけで中途半端な実力の高校生右腕を指名してしまう事。そういう思いだけで指名しても育成が上手くいくとは思えませんし、お互いが不幸になってしまうだけ。確かに22歳以下の若い右腕がいない事は気になる所ではありますが、無理に指名する必要は全くありません。指名状況を見て良い選手が残っていれば指名すると考える方がベストかもしれませんね。

次回は高校生投手について書いていきます。