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2024ドラフト展望~大学生野手編~

今回は昨年と比較すると人材豊富な今年の大学生野手について。
高校生野手編と同様に上位候補の選手を挙げてからポジション別に雑感を述べていきます。

今年の野手の目玉は宗山塁(明大)。
高校時代から名前を知られていた選手ですが、大学進学後に才能が開花。
通算打率が3割越えとハイアベレージを残せる打撃も魅力ですが、彼の1番の魅力はやはり守備。現在の日本で1番上手い遊撃手であろう源田(西武)の次に上手いと評価される程です。二遊間を1番の補強ポイントに据える球団は何としてでも手に入れたい選手である事は間違いありません。過去2年のドラフトを考えると、中日は宗山を獲りにいけないのですが、9月の記事で彼にも熱視線を送っているとの記事がありました。例えば村松をセカンドかサードにコンバート、福永を外野にコンバートすれば獲りにいけない事もないのですが、やはりほかの若手二遊間の扱いを考えないといけません。現在のチーム状況を考えると宗山指名のメリットよりもデメリットの方が目立つ状況ですので、基本的に縁はないとみていいでしょう。

次に1位候補として挙がるのが西川史礁(青山学院大)渡部聖弥(大商大)。
2名とも高校時代は目立たない選手でしたが、大学で本格化。
西川はパワフルな打撃が持ち味の選手に対し、渡部は牧(横浜)を彷彿とさせる広角な打撃が魅力の選手。またこのタイプのスラッガーにありがちな守備難、鈍足の不安もありません。西川は高校時代は遊撃手だった影響もあるのか外野守備の動きは軽やか。渡部もメインは外野手ですが、可能性を広げる為なのか秋から三塁手で出場しています。いずれにしても守備難に悩まされる事がなさそうなのも1位候補たる由縁でしょうか。本来ならスラッガーの彼らも指名候補に挙げたい所ですが、投手指名が有力な中日に縁はなさそうなのが残念ですね。

ハズレ1位から2位までの指名が有力なのが佐々木泰(青山学院大)麦谷祐介(富士大)。
佐々木は岐阜県出身で1年から活躍している事もあり、知名度が高い選手。通算本塁打も10本を超えていて、崩された状態でもHRを放てるなどパワーは間違いない打者です。ただ最高成績を出したのが1年春で、もう少しアピールが欲しかったかなという印象です。打撃を見る限り、弱点も多そうな点を考えるとどう評価するかは非常に悩ましい所。三塁手は補強の優先度は高くないですが、長打が期待出来る選手は欲しいのが本音ですし、ここはスカウトの眼を信じるしかないですね。
麦谷も1年から活躍している外野手。昨年1位指名の常広(広島)や下村(阪神)からHRを放つなどスペックの高さは感じさせる選手。脚力も標準以上で、ある程度守備力が担保されている所も魅力の一つなのかなと。左打者で長打も期待できる彼は是非とも指名したい所。ただハズレ1位で消える可能性もありますし、例え2位に回ったとしても、中日の指名順まで残っているかは怪しい所。もし残っていればすかさず確保して欲しいレベルの逸材です。
上位指名が期待出来るのはこの5名でしょうか。

今年は外野手、特に左打者の候補が目立ちます。
地元出身で、長打も期待出来る安定した打撃が持ち味の吉納翼(早大)
三拍子揃っていて、父が元プロ野球選手の飯山志夢(立正大)
広角に打てて、走塁の上手さも光る櫻井亨佑(中大)
遊撃手と外野を兼務する中津大和(法政大)
長打を連発出来る竹内翔汰(立命館大)
逆方向に伸びる打球が持ち味の柴崎聖人(大経大)
パワーならナンバーワンの井上幹太(金沢学院大)
小柄だが、フルスイングが魅力の寺本聖一(広島経済大)
右打者は候補が少なく、林冠臣(日経大)が挙がるくらい。
中日の補強ポイントにマッチする選手だと吉納、竹内、柴崎、井上が候補になるでしょうか。麦谷や高校生のニキータ、正林も合わせて7名の中から誰でもいいから確保したいと考えているなら3位か4位の指名で充分だと思います。
逆にこの中にどうしても欲しい選手がいるのであれば、3位だと獲れないかもしれません。どっちの判断になるとしても球団の判断を信じたいなと。

捕手は上位級の選手は不在ですが、粒ぞろいの選手が多い印象。
打撃が良く、地元出身で中日と縁がありそうな印出太一(早大)、攻守のバランスに優れる坂本達也(富士大)、強肩がウリの末田龍祐(愛知学院大)、リーグでは圧倒的な成績を収めている誉田貴之(福岡工業大)笹原愛斗(九州共立大)がいます。どちらかというと打撃が持ち味の捕手が多い印象でしょうか。この中だと経歴も含めて印出は欲しがりそうですが、適正順位が難しい所。同じ六大学出身の郡司(日ハム)や先輩の杉山が4位指名だった事を考えると印出もこの順位に収まるでしょうか。捕手は社会人の候補との兼ね合いもありますが、出来れば1人確保したい所。非常に困難だとは思いますが、程よい順位で獲れるような立ち回りをお願いしたいですね。

内野手は全体的に候補が少なく、一三塁型の選手では柳舘憲吾(国学院大)、森翔太郎(中部学院大)、荒巻悠(上武大)が挙がる程度。いずれも左打者ですが、長打が打てる荒巻は面白い存在。先程挙げた外野手の選手の指名が上手くいかなければ、彼も候補に上がるかもしれません。一三塁だけでなく二塁も守っていますので、チーム状況によって使い分けやすいのは強みですね。
また話題性ならナンバーワンの清原正吾(慶大)もいます。彼が欲しいのであれば支配下最後の指名になると思いますが、一塁しか守れないと判断するのであれば、見送るのが現実的でしょう。
二遊間の選手では三拍子揃う浦田俊輔(九産大)、抜群の走力を持つ庄子雄大(神奈川大)、守備の上手さはトップクラスの山縣秀(早大)、攻守のバランスが良い水鳥遥貴(慶大)、フルスイングが魅力の佐々木大輔(富士大)等がいますが、過去2年のドラフトで二遊間を多数獲った以上、縁はありません。

今年の大学生野手は左のスラッガーに関しては需要と供給がマッチしています。外野手の項に記載している通り、高校生野手との兼ね合いになりますが、中日としては誰かは確保したい所。
ただ上位確実な実力の選手は麦谷のみである以上、3位で残っているかどうかが怪しいという理由で指名順位を繰り上げてもあまりいい事にならないのではないかとどうしても考えてしまいます。
ここはスカウトの目を信じるしかありませんが、狙っていた選手が残っていない場合は無理に指名しない方が吉かもしれませんね。

次回は社会人、独立の投手について書いていきます。