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今日会いに行きたい!気になる土偶#017尖石縄文考古館

不苦労ふくろう(苦労しらず)で
不来老ふくろう(老いぼれず)にして
福籠ふくろう(知恵袋)となる
福島市の「ギャラリーふくろう」の庭先の石碑に書いてあった言葉です。

フクロウは、苦労しない、福が来る、と昔から縁起が良いとされることから、置物やお土産物も多く、私たちには馴染みの深い鳥ですね。
いつも微笑んでいるような表情と丸いフォルムに、だれもが愛らしく感じる魅力があるようです。

その福を運んできたような可愛らしいフクロウの顔面が付いた土器が、長野県の尖石縄文考古館にあります。
顔面装飾付とは言うものの、〝顔〟だけでなく土器全体がふくろうを表しているように見え、まるで〝フクロウ土偶〟とも思えるような造形です。

顔の上部分の凸凹は、
柔らかい羽毛を上手に表現しているようです。
顔面装飾付深鉢形土器
縄文中期・長野県下ノ原遺跡

止まり木にじっとしている昼間のフクロウのようです。
縄文時代の人々も、このやさしい笑顔が幸せを運んでくれるように思えたのかもしれませんね。

ところで、フクロウとよく混同されるのがミミズクですが、その違いは、耳のように見える〝羽角〟で見分けます。〝羽角〟があるのがミミズクで、無いのがフクロウです。(一部例外もいるようです)

縄文時代後期には、ミミズクに似ていることから名づけられた「ミミズク形土偶」が、東関東で盛んに作られました。ハンコで捺したような丸い目、口、耳飾りが特徴的な愛らしい姿です。
フクロウの装飾付土器やミミズク形土偶が作られたということは、きっと縄文時代の人々にとって身近な存在であり、何か神的な意味合いを持っていたのかもしれません。

ミミズク形土偶
縄文時代後期
さいたま市立博物館


「ギャラリーふくろう」には、4万点に及ぶ世界各国のフクロウグッズ、著名な版画家・斎藤清の弟子である地元出身の版画家・大津一幸の原画が所せましと展示されています。


ずっと昔から私たちにとって身近であった〝フクロウ〟。これからもきっと多く〝福〟を運んでくれることを期待したいですね。


お読みいただき有難うございました☆彡


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