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太陽曰く燃えよ混沌(カオス)

 

こんにちは、きゃろうです。今日は最近面白かったことについてだらだら書きたいと思っています。

 唐突ですが、皆さん「混沌」という言葉を知っているでしょうか?大人の方なら大体の人が聞いた事があるでしょう。アニメ好きなら、這い寄れ!ニャル子さんから、あの伝説のOPから連想できたと思います。
加えて、混沌の対義語は何でしょう?
正解は、「秩序」ですね。カオスとコスモス。現代文では頻出の言葉で自分が塾講師の時にも生徒に何度も教えました。

 先日、この混沌という言葉がTV番組のネプ〇ーグで紹介されていたので、ふと思い出しました。今日はこの”混沌”についてしゃべりたいなと思います。解説の林先生が熱弁したとおり、いや先生の解説の繰り返しになってしまいそうですが、”混沌”単純な二文字からいろんな話題が湧いてくるので、結構面白い言葉だと僕は思うんです。
 混沌という言葉には意味が2つあります。1つは、物事が入り交じっていて無秩序な状態である様子。これが現代社会で使われる意味ですね。そしてもう一つの意味が、神話的な意味合いで天地が不分明である状態。
 古事記においてイザナギとイザナミが矛でドロドロとした液体をかき混ぜて大地を生成するシーンがありますよね?あのドロドロが”混沌”です。 (古事記とか日本誕生の神話が分からない人はこれを見てください、僕は高校の倫理の授業でこれを見させられました)

1つとして日本創造での混沌を見てきましたが、海外でも混沌を使った人がいるんです。紀元前、中国春秋戦国時代の”荘子”です。彼は著書、「荘子」の中で”混沌”について触れているのです。

それは、荘子の応帝王篇の一節に登場し、
七日而渾沌死。 (七日にして渾沌死す。)のフレーズで有名になっています。
 先に混沌とは、天地の未分化状態であると述べましたが、実はルーツは中国神話に出てくる、目や鼻などがないのっぺらぼうの怪物です。渾沌は、会いに来てくれた仲間を手厚く持てなす良いやつだったので、礼に人間が持っている「目・耳・鼻・口」の7つの穴をのっぺらぼうのお前のために開けてあげようという展開になった。 (この時点で若干怖いが・・・)
一日ずつ、穴を開けていくことにしたが、7つ目の7日後に渾沌は死んでしまった・・・ (渾沌、七竅に死す。)
 とまあ一種の怪談みたいですが、冷静な解説としては、「渾沌は本来のっぺらぼうであり、周りの環境を何も区別する必要がない状態であった。 ( 物事をあるがままに受け入れるこの状態こそ荘子の説く万物斉同です)それを無理に穴を開けようとする事は死を意味する事である」と。 これこそ、老子・荘子が思い描く社会の理想像、「無為自然が一番。」道家思想となるわけです。

 以上、長々と話しちゃいましたが、混沌の一語採ってもいろいろな話に発展していて面白く感じませんか?言葉の成り立ちであったり、その背景にある物事を知ると、すっと意味が理解できたり少し賢くなった気分になったり。これだから国語っておもしろいんですよね。


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