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総合格闘技的なフツウの歯医者

題名から誤解されてしまうといけないので、始めにお伝えしておきますと、

『総合格闘技的なフツウの歯医者がいる』ということではなく、

『フツウの歯医者は総合格闘技的である』という意味です。

フツウの歯医者とは、いわゆる『一般歯科』の開業医のことを、ここでは指しています。

では、その理由を挙げていきます。

最後に歯科医院にかかるときの注意事項についても、簡単にお伝えします。



『フツウの歯医者は総合格闘技的である』3つの理由

①  相手を倒すには、たくさんの技が必要


『総合』格闘技と言うくらいですから、いろいろな技術が必要です。

キックが強くても、パンチが弱ければ勝つのは難しい。

それだけではなく、投げ技や関節技など、たくさんの技の習得も必須です。


では、歯医者の場合はどうなのか?

まず、歯医者に来る理由は人それぞれです。

歯が痛い、歯ぐきが腫れた、血が出る、
アゴが痛い、口が臭い、歯が無くて食べにくい、
歯並びが悪い、歯の色が汚い…

挙げ始めたらキリがないくらい、たくさんの主訴があります。

街の一般歯科では、このような悩みを解決していかなければなりません。

ですので、一般歯科での治療は単一の技術やアプローチではなく、いろいろな分野からの知識や技術が必要とされます。

② 同じキックでも、相手によって違う


同じキックでも、スピード、高さ、強さ、回数など、相手の選手によって受ける感覚は全然違うことでしょう。

虫歯と言っても、Aさんの虫歯とBさんの虫歯では、やはり全く違います。

患者一人ひとりの状況が異なるため、個々の状況に合わせて治療しなければなりません。

②は①が細分化されたものですので、膨大なパターンが当然あります。

それらに対応する能力がないと【フツウの歯医者】をすることは困難でしょう。


③ 1人で戦うのは難しい


格闘技の試合に出るためには、いろいろな人の力を借りなければなりません。

トレーナー、セコンド、イベンター、ドクターなど、
もちろん他にも、たくさんのスタッフの力があって試合も成り立ちます。

一般歯科の現場でも、歯科医師以外に、歯科衛生士、歯科技工士、受付スタッフなど、さまざまな専門家が協力して患者の治療を行います。

歯科治療にもチームワークが欠かせません。

歯科医師一人で運営している歯科医院も無くはないですが、本当に極めて稀です。

実は私、患者の受付、準備、治療、片付け、会計まで、全て一人でやっていたことがあります。

正直、心身ともに限界、一日が終わった時にはふらふらでした。。



以上、ちょっとカッコつけて、総合格闘技的と言ってしまいましたが、

良く言えば【オールマイティ】

悪く言えば【なんでも屋】

の側面もあります。


一般歯科にかかるときに注意したいこと


では、ちょっとここで、患者目線で一般歯科にかかるときの注意事項をお伝えしておきましょう。

総合格闘技の選手は、相手の攻撃を食らっているだけではありません。

上手に自分の得意技に誘い込み、勝利の瞬間を狙っています。

フツウの歯医者でも同じように、自分の自信のある治療法に誘導する歯科医もいます。

治療についての説明をよーく聞いていると、わかる場合もあるのです。

例えば、歯のないところに歯を作る代表的な方法としては、
① ブリッジ
② 入れ歯
③ インプラント

があります。

(それぞれの詳しい説明は、ここでは省きます)

これらには、メリット・デメリットがあるのですが、

【あなた】にとってのメリット・デメリットではなく、
治療法そのものを、はなから否定していたり、
治療法の選択肢を与えない場合などは、要注意です。

例えば、

インプラント自体を否定している場合、
本当は、インプラントの治療ができないから言っているだけだったり、

入れ歯そのものを否定している場合、
どうしてもインプラント治療を、歯科医がやりたいのであったり。


かなりひねくれた見方にはなりますが、こういったことは無くもないです。

歯科医院といえど、やはり経営しなければなりませんから、自分のやれることにもっていきたくなります。

プライドが邪魔して、自分には出来ないと言えない人もいることでしょう。


私自身も、医療法人の経営もしていたし、得意な治療と不得意な治療もあったので、気持ちはわからなくはないです。

ただ、そんなメッキはすぐにはがれると思い、正直に伝えていました。


格闘家と違うところは、自分ではなく患者に健康や美という利益をもたらした時こそが、歯科医の勝利という点です。


【あなた(患者)】にとって一番良い選択はなにか?

フラットな考えのもと、患者にとって最良の策を提案する【フツウの歯医者】が、実は一番強いのではないかと思います。


今や歯科においても、治療法や材料に至るまで、非常に多くの選択肢があります。

歯科医や歯科衛生士、歯科医院にいるカウンセリングスタッフなどと、よくよく相談の上、あなたにとって最良の治療を受けて頂きたいと切に願います。


新しく本を出版しました。
歯科医院選びの参考にして頂けましたら幸いです。

最後まで、お読み頂きまして、ありがとうございました。



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