古田博久 

17年務めた医療法人の理事長を退任しました。今の立場になったからこそ、医療従事者、患者…

古田博久 

17年務めた医療法人の理事長を退任しました。今の立場になったからこそ、医療従事者、患者を問わず、お役に立てることがあるのではと思っています。 文中では公平性を保つため、お医者さん、患者様などの呼称とせず、医師、歯科医師、患者などと記載しています。ご了承頂けましたら幸いです。

最近の記事

  • 固定された記事

自己紹介と著書紹介

自己紹介はじめに、私自身のことについて紹介させて頂きます。 私は、今から17年前(2023年現在)、歯科医院を開業しました。 当時、日本の保険医療制度に疑問を感じていた私は、無謀であろうと言われながらも、自由診療専門の歯科医院を立ち上げました。 歯を削れば削るほど保険医療制度上では点数(報酬)が上がる。 いかに虫歯の予防をしようとも、その評価はされず。 ただ単純に、その仕組みに理解ができませんでした。 もちろん、保険医療制度の素晴らしさも理解しているつもりです。

    • 総合格闘技的なフツウの歯医者

      題名から誤解されてしまうといけないので、始めにお伝えしておきますと、 『総合格闘技的なフツウの歯医者がいる』ということではなく、 『フツウの歯医者は総合格闘技的である』という意味です。 フツウの歯医者とは、いわゆる『一般歯科』の開業医のことを、ここでは指しています。 では、その理由を挙げていきます。 最後に歯科医院にかかるときの注意事項についても、簡単にお伝えします。 『フツウの歯医者は総合格闘技的である』3つの理由①  相手を倒すには、たくさんの技が必要 『総

      • 時間を掛ければ誰でも上手くなるのか?

        先日、ネットのある記事に対しての意見について、考えさせられることがありました。 職人的な仕事に対して、そればかりに時間をかけているのだから、上手く出来るようになって当たり前だという意見。 皆様は、どう思われますか? 私の個人的な意見としては、時間を掛ければ誰でも上手くなるというのは、ちょっと違うのでは?と思います。 私の仕事も、歯科治療という職人的な要素が大きく占める仕事でした。 もちろん私もその当事者でしたし、多くの歯科医の技術も、ずっと間近で見てきました。 経

        • 【歯並びが気になったら読む本】のご紹介

          歯医者へ行く前の予備知識として、考えておきたいこと 新しく本を出版しました。 私は、よく『いい歯医者を紹介してほしい』と言われます。 『近かったら、そっちに行くんだけど…』なんて、気を使ってくれながら。 今まさに歯の調子が悪いから、という場合が多いのですが、 歯並びのことが気になっているから教えて欲しい、という方も多いんですよね。 そんなとき、後悔しないように一呼吸置いて、じっくり考えることをおすすめしています。 もちろん、歯並びが気になりだして、すぐにでも治した

        • 固定された記事

        自己紹介と著書紹介

          『歯並びと咬み合わせ』 のご紹介

          歯の矯正をしている方はもちろん、 歯並びが気になっている方、 これから矯正治療を考えている方、 お子様の歯並びが気になっている方、 咬み合わせの不具合が気になる方など、 矯正治療にご興味のある方のお役に立てるよう動画を作ってます。 八重歯、乱杭歯、受け口、出っ歯など、様々な歯並びや咬み合わせがあります。 気になる歯並びの動画を見てみてください。 治った時のイメージの参考になります。 皆様の歯並びや咬み合わせに関する皆様の悩みを解消する一筋の光となれたらと思っ

          『歯並びと咬み合わせ』 のご紹介

          歯科の自由診療とは

          保険診療はオーダーメイド治療とは真逆 2006年、私の開業した歯科医院は全ての診療行為を自由診療としてスタートしました。 理想的な歯科治療を行うには、すべての人を保険制度のガイドラインに当てはめること自体に無理があり、限界があると感じたからです。 保険診療では歯を削らないと1円にもなりません。 ごく初期の削る必要のない虫歯でも、削って詰め物にすれば収入になります。 歯を守らなければならないはずの歯医者が、歯を守ってもお金にならないというのが今の健康保険制度です。

          歯科の自由診療とは

          感情の 55%は表情が伝える

          「人は見た目じゃない。中身だよ。」 誰でも一度は聞いたことがあるこの言葉。 でも 現実はどうでしょう? 就職試験の面接、 営業・接待の場面、合コンに行ったとき、 お見合い相手に会う日、結婚相手のご両親 に初顔合わせ、入学試験の親子面接...。 誰もが毎日「出会い」の場に遭遇しています。 数え切れないくらいの「初めて」があり、 それが一度きりの勝負の場面であることも 少なくありません。 ステキな人に出会って、 一目見て好きになってしまうこともあるで しょう。 「

          感情の 55%は表情が伝える

          僕の右足に入っているサファイア

          僕の右足には、サファイヤが入っています。  サファイヤといっても、宝石ではありません。 医療用の人工サファイヤです。  27歳のとき、交通事故で両足を骨折しました。 車を運転していて、正面から衝突しました。車体は、ちょうどボンネット部分で折れました。 アクセルとブレーキの下の床が車内にせり上がって、両足は床とハンドルの間に挟まれてしまいました。 上半身はハンドルに口をぶつけて口の中を切ったくらいでしたが( 実はそのとき私は矯正治療をしていました)、自力では抜け出せ

          僕の右足に入っているサファイア

          一本の歯に対する考え方の違い

          僕が大学の歯学部5回生、病院実習のときのことです。 口腔外科のM先生は、大学病院の受付カウンターで、ものすごいけんまくで受話器に向かって怒鳴っていました。 『お前、こんなええ歯、わしに抜け言うんか、ボケ!』 M先生は僕のインストラクターでした。 持っていく器具を間違えたせいで、僕はその鋼の器具で頭をなぐられたことが何度かあります(なぐられても、また間違えてしまった。。) 患者さんの処置中で両手がふさがっているときは、足でけられる始末… でも、何故か嫌な気持ちは全く

          一本の歯に対する考え方の違い

          切断された父の指

          私の父は、愛知県の田舎で小さな歯科医院を営んでいました。毎日同じことの繰り返しに見える歯医者の仕事は、当時の私には面白いと感じませんでした。しかし、現在、私が歯科医をしているのは、まぎれもなく父の影響です。 50歳を目前にし、父は右手親指に違和感を覚え病院に行きました。病気もせず健康だった父は、精密検査をはじめて受け、疲れていました。  「ちょっとした皮膚炎だろう」。しかし、下された診断は、予想にもしない結果でした。 ―― 進行性の皮膚癌。  父は、あまり愛想のない職

          切断された父の指