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僕、Kaiくん!-僕の方が先だよ

新しいおうちには、「ちょこ」と
いう名前の可愛い猫がいて、
僕はつれて来られた日から、
ちょこちゃんと遊びたくてしかたない。
ずっと後を追いかけてるんだけど、
いつも「ついてこないでよ!」って
怒られる。
「私の方が先にマンマミーナと
一緒に暮らしてるんだから!
あんた、私より後からきたんだからね!
言うこと、聞きなさいよ!」

わかってるよ。先に来たもん勝ちなのは。
でも、遊びたいんだよー。
追いかけっこしよーよう。

ちょこちゃんをびっくりさせたくて、
トイレを使っているときに
後ろでじーっと待っていた。

まだかなー。

わーい、つーかまーえた!
「シャァァァァァ!
うっとしいわね!やめてよ!」

次の日の夜、ママが急にお外に出た。
わらび、わらび、って言いながら。
おうちの中にごはんを取りに
帰ってきたママは、それから
しばらくお外にいた。
ドアが開いたかと思ったら、
すごい早さで猫を1匹おうちの中へ
入れたんだ。
ママは泣いてた。
わらび、無事でいてくれたのね、って。
誰だろう?この、わらびって猫は。
わらびも僕を見てびっくりしてる。
ママが言った。
わらび、この子、Kaiくん。
もうあなたが帰ってこないと思ったから、
おうちの子にしたの。
Kaiくん、わらびはね、ちょこの赤ちゃんなのよ。
仲良くしてね。

ふーん。チビなんだな。
なんだかわかんないけど、
僕の方がえらいんだぞ。

僕、Kaiくん!僕の方が先だよ!

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