NFTの本質的価値その1 「コミュニティの強固化」
最初に
この記事では、NFTの技術的な理解を前提に、NFTの本質的な価値を考えていきます。
NFTを用いることで具体的に何が嬉しいんだっけ、NFTを購入する人のインセンティブってなんだっけ、みたいなことを議論してます。
NFTとは?
NFTの技術に関する説明はこの記事では省略します。
NFT技術の概要を理解したい場合、これらの参考記事がわかりやすいです。
(クリエイターが知りたいかもしれない NFT 関連技術、NFTの仕組みと NFT取引に関する法的問題)
技術のより深い部分を知りたい場合は、etherscanやOpenSeaを色々いじってみることをお勧めします。
NFTの技術を理解した上で、NFTの本質的な価値を考えていきましょう。
NFTの本質的な価値とは?
NFTの本質的な価値は大きく分けて二つあると考えています。
一つ目が、「コミュニティの強固化」、二つ目が「相互運用性」
長くなりそうなので、今回は一つ目の「コミュニティの強固化」に絞って議論していきます。
(二つ目は次の記事で書きます。)
NFT技術が何を可能にしているのかを一言で表すと、以下のようになると思います。
…???
具体例で考えてみます。
「ヒカキン(データ発行者X)が、ヒカキンのデジタル似顔絵(とあるデジタルデータD)を書いてそれをファンAに売る」というケースを考えます。
・NFT技術がない場合
NFTがない世界では売り物になりませんでした。なぜなら、ファンAがヒカキンの似顔絵データを購入しても、(似顔絵をローカルに持ち続けて拡散しなければ別だが)、SNSに載せるなどのインターネット上にアップロードする行為をした瞬間に似顔絵データを他者がコピーし放題になり、誰に所有権があるのか全くわからない状態になるからです。
ヒカキン自身が中央集権的に「ヒカキンの似顔絵Dを持っているのはファンAさんです」と証明する手も考えられますが、
1)ファンAがその絵の所有権を外部で自由に売買するのが難しい
2)ヒカキンレベルの著名な人ならまだいいが、そこそこ知名度のクリエイターが同様に中央集権的に所有者を証明するのは大変コストがかかる
という二つの問題があり、中央集権的に所有権を証明するのは望ましくありません。
ここで、NFTを用いるとこれら二つの問題点が解消されます。
・NFT技術がある場合
先ほどと同様に、「ヒカキン(データ発行者X)が、ヒカキンのデジタル似顔絵(とあるデジタルデータD)を書いてそれをファンAに売る」というケースを考えます。
NFTを用いることで、ファンAがヒカキンのデジタル似顔絵Dを入手して、SNSのアイコンに利用するなどのインターネット上にアップロードする行為をしたとしても、(似顔絵データ自体はコピーし放題ですが)、デジタル似顔絵Dを所有しているのはファンAである、ということを非中央集権的に証明できます。
これは先ほど挙げた問題点二つをクリアしている(NFTは外部のマーケットプレイス(ex. OpenSea)で売買可能、非中央集権的に管理してるのでヒカキンに管理コストがかからない)。
ファンA目線、「ヒカキンのデジタルデータDを所有しているのが自分だ」と証明できると何が嬉しいのでしょうか。
これはNFTの設計にもよります。
例えば、デジタルデータDを所有している人だけに限定特典が与えられる、デジタルデータDを持っている場合そのデータを用いた商品を販売できるなどなど。(実際にこのようなNFTの使われ方をしています)
ただ、最も大きいインセンティブは、コミュニティへの所属意識を高められる点だと思います。
ヒカキンの具体例で考えましょう。
ヒカキンが限定100点ものの似顔絵NFTを販売し、それをファンの一人のAさんが購入したとしましょう。
Aさん目線、似顔絵NFTを購入することで何が嬉しいかというと、
1)同じくヒカキンの似顔絵NFTを持っている人々との仲間意識ができる
2)限定100点ものの似顔絵NFTを所有していることで、ファンコミュニティからの承認欲求が得られる
まとめると、ヒカキンのファンコミュニティへの所属意識及び承認欲求を得られるわけです。
最近アメリカやオーストラリアでTwitterのアイコンにNFTを使用できるようになりました。
数ヶ月後には日本でもTwitterのアイコンにNFTを利用できるようになると思います。
そうなると上で議論したように、「ヒカキンのようなインフルエンサーがNFTで限定アイコンを販売し、それをファン達が購入してTwitterやInstagramなどのSNSのアイコンに設定して、ファンコミュニティをより強固にしていく」、という未来が描けそうです。
まとめ
ここまで議論したようにNFTの本質的な価値の一つ目は「コミュニティの強固化」でした。
もう一つの本質的な価値である「相互運用性」は次の記事で書くので、よければフォロー& ❤︎ をお願いします。
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