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砂浜に、さらさらと文字を書く。
休みなく打ち寄せる波は自らの生理に合わせて
ザザン、ザザン。
その文字を消してゆく。
跡形もなく、砂浜は、まっさらな白紙に戻る。
人生とは、そういうもの。
生という時間の線分の中で、
ここにいるよ、と軌跡を描く。
どんな文字も、かけがえのない、ひとりひとりの光と影。
消えゆく宿命を知りながら
その儚さを知りながら
一瞬の奇跡をまなざす。
今日もコップ一杯の
美しい水を飲んだ。
小鳥たちは、青空へはばたいていった。
ゆっくりと微睡む猫が傍らにいて。
夕陽が落ちてゆく。
日々を数える
幾通りもの数え方を
知れは知るほど
季節は彩りを増し
跡形もなく消えてゆく
砂浜の
ひとつの文字
神はいつもその文字を宇宙から見つめている
穏やかなひとみ輝かせ
一心に
休みなく
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