見出し画像

誕生日

肌寒い北カリフォルニアから今日も元気なきこぺんアロハがお届けいたします。

もうすぐ私のシカゴに住む妹と甥っ子の誕生日だ。出産前の検診でかなり大きい赤ちゃんで妹が40代だったことから帝王切開が決定し、かかりつけのお医者さんが「せっかくだからお母さんと同じ誕生日にしちゃいましょうよ。」と言うことでこの二人は同じ誕生日となった。妹いわくゴールデンウィークの前に先生は片付けたかったような気もすると言っていた。妹は私と違って物事をじっくり考える慎重派で何事も丁寧だ。私だったらお医者さんに「ちょ待てよ。」とすぐ突っ込んだと思うが彼女はそんな失礼なことはしない。そんな二人のお誕生日だけでよかったのに5年位前に妹の夫の母がこの日に亡くなった。亡くなった方にこんなこと言いたくないけど1年365日あるわけでなぜこの日なのか。メーテルにはまだまだ元気でいてもらってくれぐれも私や夫の誕生日に天に召されないようにお願いしたい。

甥っ子が産まれた時にはもう私達の母は他界していた。妹が大変そうだったので私はアメリカから2週間休みを取って帰省した。4000グラム以上で産まれたまつ毛の長いお目目ぱっちりの天使のような赤ちゃん。天使なのにずっしりで長時間抱っこしていると腰が砕けるかと思った。一度、彼を車のチャイルドシートから下ろそうとして夫ぽけぺんがぎっくり腰になったこともある。天使は1歳を過ぎると食べることに貪欲になり保育園でもおかわりがないとモンスターに変身して保育士さんを困らせた。それ以外は体は誰よりも大きいのに温厚でお友達に噛まれて胸に歯形をつけて帰ってきても誰がやったと絶対に言わなかった。その彼がまだ3歳になる前に私達夫婦と妹と甥で伊勢神宮の大好きなおかげ横丁に行った。お土産ももちろんのこと地元の名産品が沢山味わえる。私は松阪牛の入ったコロッケを買い、夫と妹に松阪牛の串焼きを一本ずつ買った。お肉なので喉を詰まらせないよう少しづつ気をつけて甥に食べさす妹。ところが串焼きの最後の一切れが少し筋っぽかったので咄嗟に妹はパクッと食べてしまった。悪気はなく幼い甥が喉を詰まらせないためだ。楽しみにしていたのに何のお知らせもなく最後の串焼き一切れが目の前で母親の口に入ってしまったのを見せつけられた甥は泣き叫び妹の顔にバチーンと張り手をお見舞いした。

あまりにも泣き叫ぶのでぽけぺんが肉まんを買いに走り、甥の目の前で少しちぎってフーフー冷まし出したらピタッと泣き止んだ。涙で頬を濡らしながら「アツい アツい」と笑顔になっている。夫が冷ました肉まんを食べさせて最後の一口になったところで「No more」と言って手をひらひらさせると甥も一緒になって「ノーモア ノーモア」と笑顔で食べ終えた。これが我が家で有名な『おかげ横丁の乱』である。

画像1

そんな甥もアメリカで暮らすようになりもう12歳だ。最近はお料理男子になって妹に色々作ってくれるらしい。

画像3

そんな彼から漫画ワンピースに登場するシェフ・サンジくんのお料理本がぜひ欲しいと連絡が来た。日本語版でも全然良いからと言うのでアメリカの紀伊国屋書店で注文した。あとは大好きなスターウォーズのエプロンとスパチュラのセットをAmazonで見つけたのでポチり、また大きくなったらしいので大人用MサイズのTシャツも2枚用意した。

画像2

あんな可愛かった赤ちゃんがもう12歳。相変わらず食べることは大好きで今では忙しいお母さんのためにお料理する子に育った。今週はお誕生日ウィークで映画鬼滅の刃を観に行くらしい。今度会ったら私も何かご馳走してもらいたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?