昭和のスポーツドリンク「NCAA」と失われた王朝

「昭和」は軽い中毒性を持っている。中毒と言っても「あ〜ひさびさに餃子食べたい!」程度の中毒性である。
「昭和」成分が空になってきたなと思ったら定期的に「昭和」成分をノスタルジーとともに補給するのだ。
昭和は長い。ここで言う昭和とはもちろん盧溝橋事件やフィリピン戦線の頃ではない。
「オイラの子供の頃」とほぼ同義の、バブルとベルリンの壁が崩れる前の昭和ラスト20年ぐらいである。
よって精神分析学的には、子供の頃の状態に接して癒されたいみたいなフィーリングがあるのかなと思う。
なので植木等の無責任シリーズや森繁久彌の社長シリーズぐらい前だと見たことがない景色なので癒されるという感じではないのだ。
映画だと野村芳太郎、角川、トラック野郎、刑事物語、寅さんの中期辺りがちょうど少年期~思春期にあたり、とてもタイムスリップ感があって癒される。
あとはやはり懐かしの商品だ。
最近は「昭和レトロ」なるジャンルが確立されてきており、昭和をテーマにした商品はもちろん、昭和の面影を残す地方のドライブインや商店街の写真を掲載したSNS、まんま昔の写真を集めたSNSなど充実している。
そのような中、ぶっ飛ぶほど懐かしさを覚えたのがスポーツドリンク「NCAA」だ。
そう思って検索したところ、そういう昭和ドリンクばかりを集めた美術館的サイトがあって、これがすごい。

サンキストタンサンシリーズ

「NCAA」と同じく一時期だけ存在したスポーツドリンクのウィルソン

カタカナのフォントにキュンとするコカ・コーラ1974年Ver

ポッカ珈琲の、有名なゴルファー風のおじさんが振り返ってる風のジャケではなく、メキシコ風のむぎわら帽子&ちょびひげのおじさんのジャケ

なぜか昭和の後、姿を消したみかんつぶつぶ飲料の「はごろものこつぶ」

コーヒージョージアのジョージア州の建物のジャケ

などなど昭和の胸キュンドリンクが網羅されている。

色々と見てみると歴史が古ければ感動するというものでもないようだ。カルピス、明治のコーヒー、ポカリスエットなどは上記の胸キュンドリンクよりかなり前に登場したはずだが、現在でも元気に現存しているからか、それほど感動はしない。
NCAA、サンキストタンサン、はごろものこつぶに感ずる感動はやはり隆盛を誇りつつも絶滅した王朝の遺跡に対する感動の種類なのだと思う。




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