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11/10実装Landing Point福丸小糸編を読む

 Piyeaaaah!!いれぶんです。こちらは11/10に実装されたLP透編の感想文兼怪文書となる記事です。以下注意点です。

・記事というよりかはただの自分用の感想まとめなのでいろいろ話が飛躍してる気がします。
・コミュ内容のネタバレを含みます。さらに今までのノクチル全体のコミュの内容を前提としつつ絡めるのでさらにネタバレと妄想が飛躍します。お気を付けください。
・私個人の好意的・拡大解釈および誇大妄想を含みますが、それらを押し付ける意図のものでありません。むしろ自分の考えとの違いを発見してより幅の広い解釈を見せてくれ…。
・ゲーム内プロデューサーのことは名前が分からんので「シャニP」と呼称します。

では以下本文となります。

オープニングコミュ「墨子糸に泣く」

 オープニングでは、「小さい頃のことってあんまり覚えていない」というモノローグとともに、小糸が母親と三者面談をしている様子が描かれます。ぐぇえ(悶絶)。あの独特の息苦しさをいきなり思い起こさせんな。といっても、担任の先生によると勉学の方は全く以て問題ないようで、塾に通っているのかと思うほどのようです。小糸偉い!マジで偉い!しかし小糸がアイドルやってると考えれば塾に通うほどの余裕なんてないと思いそうなもんですが、担任としては小糸のことをアイドルとしてはあんまり認識してないんですかね?しかし隣の小糸はボーっと窓を眺めています。

 そしてまた心の内で、「2歳の頃、どこかから落ちて両親をひどく心配させたこと」という思い出を振り返っています。これが小糸の最初の記憶なのかな。三者面談の方は「入学して間もないですが進路についてはよく考えてください」とお決まりな感じの話を小糸の母親としています。しかし小糸の方はというとまだぼんやりして、今度は「3歳の時ひとりで絵本が読めるようになってすごく褒められたこと」という記憶を思い出しています。三者面談って「三者」とか言うくせに大体親と教師だけで話進むよな。しかし褒められたことより前に両親を心配させたことの方が残っているとは…小糸っぽいというか…。
 そんなところで面談は無事終わったようですが、「透と円香と一緒に手を繋いで幼稚園に行ったこと」「『お姉ちゃんになるんだよ』とお父さんに言われたこと」と、まだ過去の思い出を振り返っています。ある意味で、この「進路」という「未来」へ向けた意思を問われる「三者面談」という場で、小糸は昔の思い出ばかりを振り返ってしまっていますね…。割と小糸は前に前に進みたがるタイプの子かと思ってたんですが、どうにも今回は後ろ向きな感じですね。

 母親との帰り道、小糸は身内相手とは思えないほどありえんおどおどした口調で母親に今日時間を割いてくれたことを感謝しますが、母親は「しっかりしなさい、先生もいつも自信なさげだって言ってたでしょ」などと言います。ゔぅ……なんだこれ…。これまでも小糸の物語の中で、福丸家は母親が厳しい人で、小糸はそれに対して少し身動きを取れなくなってしまっている風なのは読み取れましたが、この感じだともうまともにコミュニケーションも取れていないのでは…?というか小糸は頑張ってるとも先生言ってたじゃん…なんでネガティブな方の話を持ってくるの?
 というところで母親は「これから買い物行くして帰るけど、小糸はどうする?」と聞きますが、小糸は「事務所に行く用事がある」と言って別れます。もうこの時点で2人はお互いのこの後の予定も擦り合わせないまま三者面談に向かったのが分かる。助けてくれよ…福丸家、大丈夫なのか…?

 すると小糸は走り出し、事務所に到着します。どれくらい距離あるんだこれ…?結構あるんじゃないかと思うんですが、走り込みの効果か普通に事務所に辿り着きました。そんな息を切らしてドアを開けた小糸に、シャニPは「どうしたんだ?」「今日事務所に来る予定合ったか?今日何か用事があるって」と言いました。……(死亡)。先ほどの小糸の「事務所に用事がある」発言、嘘でした…。そんなにも、そんなにも母親の隣に居たくなかったのか…。辛すぎるよ。まだオープニングコミュだぞ!居心地の悪さを感じて走ってきたのが283プロなのはこの事務所が居心地のいい場所になってるっぽくて嬉しいんだけど、この背景を考えると手放しでは喜べませんね。
 そんな小糸をちょっと不自然に思いながらも「ちょうどよかった」と言って、ワンマンライブについて小糸の意見を聞く予定だったと話します。それを聞いた小糸は「来てよかった…!」と嬉しそうです。別に来ちゃダメなことなんてないでしょうが、反応的にワンマンライブにはちゃんと気持ちが向いてそうですね!
 そしてシャニPは早速資料か何かを提示し、「もし何か意見があれば気付いたタイミングで言って欲しい」「ちゃんと話し合って満足できるステージにしよう」と伝えました。シャニPも偉い!G.R.A.D.編で小糸の意見を無視した結果すれ違って大失敗したことから学んでいますね!デキる男だなあ。

 最後に、小糸は「求められる通りでいたい」「そうでないと、ここにいてはいけない気がして」と口にし、コミュは終わりました。うぐぅ…。勘弁してくれ。小糸が母親の隣にいられないのは、「自分は母親に求められる通りではない」という思いがあったと推測できます。逆に「ちょうどよかった」とシャニPに言われた時は、偶然とはいえ「求められる通り」のタイミングで現れることが出来たので嬉しかったんでしょう。
 アイドルについて、ワンマンライブについては、小糸はしっかり気持ちを向けられているし、「求められている通り」に頑張ろうとしています。そして、小糸が母親の「求める通り」でいられていないことは、実際アイドルをやる上では直接的に関係はないことでしょう。でもどうだろう、このままその蟠りを残して福丸小糸にアイドルを続けて欲しい、そんな風にはどうしても思えません。

シーズン1コミュ「ささくれた指先」

 レッスン後、小糸を送迎する車内で、遠慮するシャニPは「ワンマンライブ前だしできることはしていきたい、何かあったらいつでも言ってくれ」と相変わらずのイケメンを発揮しています。加えて「ワンマンの告知をしてから盛り上がりが凄いんだ」ということを伝えると、小糸はとっても嬉しそうです。
 それを聞いた小糸はいつものように「もっと練習して良いライブにしないと…」と意気込みつつもプレッシャーを感じています。前のコミュのラストの言葉を考えると、単純に喜ばしい態度にはちょっと見えないかも…。そんなこっち側のオタクの気持ちを見透かすが如く、シャニPは「小糸はよくやってる」と伝えつつも、「でも、そうだな」とワンクッション置いて「自分も気持ちは同じだ」という風に言いました。すると小糸は少し驚いた風でありながらも、何度か頷いています。これもまた、G.R.A.D.編でお互いの気持ちが分からないまますれ違ったことから来る反省として、しっかりお互いの気持ちを確認しているのかもしれませんね。

 小糸は家の既に家の近くに到着しています。そうして車を降りた直後、「あれ、お姉ちゃん?」の声。それに小糸は「なんでこんなところに」といつも通りの可愛い悲鳴を上げています。ちょっと待てこれ、妹丸じゃないの!?よしスカウトしろシャニP!(職業病)
 小糸の妹は全く物怖じせずにシャニPに挨拶をしています。めっちゃフランクな感じでシャニPとも話せていて、小糸とは全く性格が違うことが分かりますね。まあ血が繋がっているからと言って性格が必ず似るってことはない。そんな妹を小糸はずっと横で「なんでこんな遅い時間に出歩いているんだ」とずっと激おこぷん福丸になっていますが、へらりへらりと交わされています。雛菜みたいだな妹さん。
 すると妹さんは「最近帰りが遅い、なにか大会とかあるの?」「お姉ちゃんそういう話家では全然しない」と指摘し、小糸は一気に押し黙ってしまいました。ゔーん…。シャニPはワンマンライブがあってそのために遅くまでレッスンしてるという風に説明していますが、小糸は無理矢理話を捻じ曲げて「母親にちゃんと言ってから外に出たのか」ということを問い詰めています。なんだかあんまり伝わってなさそうな経緯で家を出てきたっぽい妹さんに小糸は「それじゃあ伝わってないかもでしょ!」と憤慨してますが、「お姉ちゃんにだけはそう言われたくない」と返され怯んでいます。これは…。

 そんなところで、小糸と妹の水掛け論を横で見守っていたシャニPは「2人とも家の前まで送っていこうか」という提案をして妹さんは乗っかりかけますが、全力で遠慮する小糸が何とか抑え込んで、2人は一緒に家路についたようです。そんな小糸の後姿を見送るシャニPは何か思うところがあるようで…。
 というか、こんなの我々のように神の視点でなくても、小糸が家庭の方で上手くいってない感じなんて察せてしまいますよね。妹丸の「小糸は家ではアイドル活動の話を全然しない」という言葉や、家族にちゃんと連絡しろと叱った小糸に対する「お姉ちゃんだけにはそう言われたくない」というカウンターから見ても、小糸は家にいる時アイドルの活動についてはおろか、それ以外の話すらほとんどしていないのじゃないかと思えます。小糸にとって、その帰るべき家は「いちゃいけない気がする」空間なのでしょうか…もし彼女がそう感じる原因が、アイドルをやっていることが母親の意にそぐわないことをしていると思えるからだとしたら?そうならば、この問題は解決しなければ、小糸はずっと後ろ暗いままアイドルをやることになりかねなくね?まずいよ!何としてくれシャニPーーー!!

シーズン2コミュ「まだらな刺繍」

 このコミュでも小糸は日が暮れるまでレッスン中のようです。偉いなあ。シャニPもそこに同席し、小糸のパフォーマンスを褒めています。小糸は嬉しそうで、「練習の甲斐あってこの曲は自分でも上手くできてると思う」と言いました。泣いた。そうやって自己肯定感爆上げしてってくれ小糸。シャニPもさらに褒めちぎりますが、小糸は嬉しそうにしつつも首を横に振り、「今回はワンマンライブだから今の練習じゃまだ足りない」「みんなの期待に応えるためにはもっと」とさらに己にプレッシャーを掛けています。そんなに思い詰めなくても…という感じですがシャニPも特にそれを否定はしません。小糸ならもっと頑張れると信じているが故でしょう。
 そんなタイミングで、シャニPはワンマンライブでの演出について小糸に連絡事項を伝えます。その内容とは…。

 場面は切り替わり、小糸は消しゴムを借りに来た妹に自分の部屋で朝から探し物をしているところを見られています。いややっぱりこの独房みたいな狭い部屋小糸の部屋なのか!?アレだよな…それなりに大きさのある部屋の一角だけが映されてるとかだよな…?そうだと言ってくれよ…。どうやら小さい頃の自分が映っている写真の載っているアルバムを探しているらしく、それをライブで使うようです。小糸が見つけたアルバムの中には小学生の頃の雛菜なんかも写っているみたいです。小学生の頃の雛菜見た過ぎる!ガシャに実装しろ。妹さんは「お母さんの部屋にもっと小さい頃のがある」と提案しています。
 先ほどのレッスンの後、シャニPは演出として「ノクチルのみんなの小さい頃の写真を使うという案が出た」と伝え、「小さい頃の写真とかってファンのみんなも喜んでくれると思う」と言っていたようです。それはガチでそう(断言)。しかもアイマス界でも唯一無二の幼馴染だけで構成されたユニットだからみんなでの写真も多いはずだという、非の打ち所がない完璧な施策に脱帽です。強いて言うならその写真群を俺たちが見れないということだけだ。なんとかしろシャニP。
 小糸もその演出には乗り気なようですが、「どういう写真がいいのかわからない」と不安を口にします。するとシャニPは「一緒に選ぼう」と伝え、そういう経緯があって今小糸は片っ端から家にあるアルバムを探しているようですね。

 そんな小糸を見た妹さんは、「そのライブって透ちゃんと円香ちゃんと雛菜ちゃんとやるやつ?」と質問します。全員のことちゃん呼びしてる…!小さい頃一緒に遊んだりしてたんだろうな…!と妄想広がりまくりんぐですが、大事なのはそっちじゃなくて「妹さんがそんな馴染みの3人と自分の姉がやってるアイドルユニットの名前すら知らない」というのがヤバい!単純にあまり興味が無いだけなのかもだけど、これ本当に全然自分の活動に関して家族に話してないな?とも思えます。どうしてこんなことになってしまっているんだ…。
 そして妹さんは、「なんかそういうライブって家族を招待するしかないの?」「部活なかったら行ってあげるけど」と聞いてきますが、小糸は「どうだろう、聞いてみないと分からないけど…」とごにょごにょ濁しています。すまん小糸、断言してもいいか?この感じの「聞いてみないと分からない」は、大体の場合「聞かなくてもわかることだけど、自分の気が進まないから誤魔化してる」のパターンだろう。正直分かるよそういう対応。しかしまあそうだとすると、小糸は「自分の家族をライブに招待したくない」という感じがしますよね。小糸はあんなにアイドルとして成長することには意欲的なのに、どうしてそれを家族には見せたくないんでしょう?何を恐れているんでしょう?なんだか根深そうですね…小糸…。

シーズン3コミュ「縫い違えても」

 とある日の夕暮れ、小糸は大荷物を抱えて事務所に表れます。手伝わせてくれ俺に(突然しゃしゃり出るオタク)。前のコミュの通り、小糸は家に合ったアルバムを根こそぎ持ってきたようで、その量にシャニPも驚いています。しかし、「それだけ多くの写真を家族の方が撮っていてくれたんだな」というシャニPの言葉に小糸は若干言葉を詰まらせています。ううむ。
 小糸は碌に中身も確認せずに色々持ってきたようで、いざその中身を確認してみようとなって若干緊張してシャニPに笑われたところを「変な写真があっても笑わないでくださいね」と慌てふためいています。なんか子供の頃の自分を見るってこっぱずかしいですよねえ。

 開かれたアルバムには、本当に、本当にたくさんの小糸の過去の写真がたくさん残っているようです。0歳から1歳までの間の写真だけでアルバムを一冊使ってしまっているようで、シャニPは笑っているかのような寝顔の写真を候補として選んでいます。金払うから見せてくれよそれ~!福丸小糸写真展を開催してくれい。
 次なる2冊目では、公園で大泣きする小糸の写真が目に入っています。「小糸2歳、遊具から落下して号泣。これ以来公園を嫌がるようになってしまった」と記してあったようです。いやーこれ!大事!シャニPも「小糸が遊具で遊んだ記憶がほとんどないというのはこういうことだったのか」と納得していますが、これは【ポシェットの中には】で触れられていた部分ですね。あのコミュで高校生になってまで公園の遊具で「あんまり遊んだことないからやってみてもいいか」と小糸が言い放った時には、まさか福丸家では公園で遊ぶことすら許されないほどに厳しい躾が行われているのか…(絶望)なんて思ったもんですが、こういう背景だったようでひとつ安心しました。いや安心したって言うのもちょっと違うけど…。

 次には、小糸が3歳の時、妹が生まれてからよくお手伝いをするようになったという記述を見つけています。3歳差ということは妹丸は今中学1年生なんですかね?そんな妹のことを小糸は「小さい頃は手のかかる子だった」と振り返り、「最初の頃は妹の世話で大変そうなお母さんの力になりたいだけだった、ただ笑って欲しかった」と当時の事を思い出しています。べしょべしょに泣いた。あまりにもいい子過ぎるだろ…。
 しかし小糸は、シャニPは「その真面目さは家族思い故なんだな」と褒めてはいるものの、「お手伝いとか勉強ができたら笑ってくれるんじゃないかと思って」「そうしているうちにずっといい子でいなきゃと思うようになって」「求められている通りじゃないとそこにいちゃいけない気がして」と口にしました。あぁ…つらい。いつの間にか小糸はそうやって、自分の首を絞めるような状況に自分を追い込んでしまっていたんですね…。
 さらに、「自分は昔から同じことばかり言ってて変わっていない」「誰かのためみたいに言って、本当は自分が『すごいね』『えらいね』って褒められたいだけ」と自己否定し始めます。小糸ォ…(クソデカ感情)。

 しかしそこで俺たちのシャニP!シャニPはそんな言葉を受けて、「それでいんじゃないか」「小糸はここに居ていいんだ」と伝えました。ほんとにそり!言って欲しいことをそのまんま言ってくれたこの男。流石。とはいえ小糸はまだ「でも…」という感じで、少しその言葉に気持ちが追いついていない感じです。
 そんな小糸の背中をさらに押してあげるように、「必ずワンマンライブを成功させて観客の歓声を聞こう」と伝えます。シャニPによると、ああいう場での観客の「歓声」は「『すごい』とか『えらい』とか『かっこいい』という意味」らしいです。これはねえ、そうです(断言)。マジで。もう叫ぶしかないんよああいう時って。
 そしてそれを「たくさん聞こう」「それが聞けたら俺も嬉しい」と言って、何とか小糸にその言葉は届いたようです。これもマジでいい!!世界最高P!シャニPは「俺も嬉しい」と言いました。小糸が「自分が褒められたいだけなのかもしれない」と言った時、シャニPは「自分を満たすために誰かのことを想って行動するのは『すごい』し『えらい』ことだよ」と回答しています。要は「自分のための行動が誰かのためにもなる」という形の提示ですが、それをここで「小糸が誰かに認められたくて頑張ったワンマンライブで観客が沸けばそれが俺のためにもなる」んだという形で端的に伝えました。素晴らしい。小糸のコミュのシャニPは本当に有能イケメンだなあ。これからどうなるか分かりませんが、少なくともこのシャニPとの対話を通して、小糸は一歩前に進む決意を抱けているような気がしますよね!
 ところで、このシチュエーション、時間帯的にはどのくらいでしょうか。夕暮れ時ですよね。…お察し頂けましたか?これマジでいっつもそうで、小糸が誰かとの対話を通して何か得心がいって一歩踏み出す気持ちを作れるというシチュエーションの時間帯、かなり夕暮れ時が多いです。ここまでくると正直狙ってやってるとしか思えないぞ!しかしそれは、事態が好転したという暗示でもあります!もう勝ったなこれは。小糸はきっと、大丈夫。

シーズン4コミュ「愛しき糸たち」

 このコミュでも引き続き夕暮れの事務所です。前のコミュからそのまま続いているのかな?シャニPはおもむろに「提案というか、渡したいものがる」と切り出し、何かを小糸に見せます。それを見た小糸は驚いていますが、それが何かは示されないまま、シャニPは「今日この後小糸の家までこれを届けに行かないか?」と提案します。何が始まるんです?いきなり切り出して相手を驚かせ、相手方の実家に報告に行かねばならぬもの…まさか婚約指輪とかじゃねえだろうな(名推理)?それなら勝手に小糸のことを娘だと思い込んでる精神異常者たるこの俺を倒してからいけ!!
 まさかそんな訳も無かろうというとこですが、またも小糸の家の近くまで送ると妹丸が外に出てきていました。小糸は「また勝手に…」という感じで叱ろうとしますが、妹さんは買い物に行った母親を待って留守番していたようで、誰かが帰ってきた気配を感じて外に出てきたようです。なんでもかんでもそうやって悪い方向に決めつけるのは良くないぞ小糸。しかしここで母親が留守にしていることを知った小糸は少し驚き、シャニPは「じゃあ待たせてもらおう」と言います。親御さんを交えないといけないほどの大事な話なのか…いったいなんなんだ?と思っていると…。

 おお!小糸とシャニPが家族に渡したかったもの、それは「家族のためのワンマンライブのチケット」でした!当然そこには妹さんの分もあります。それを聞いた妹さんも嬉しそう!なんかあんまり姉の活動に興味ない風でしたけど、やっぱり家族の活躍は嬉しいんじゃないかな?それを横目に、小糸は不安そうに「お母さんが来れるかわからないからしっかり確認してね」「日程も伝えてないし…」と不安そうに表情を曇らせています。
 「お母さんライブのこと知ってたよ」、そんな言葉が妹さんから放たれます。その言葉に小糸もシャニPもビックリ!小糸もシャニPも一切そのことは伝えていないようで、「自分で調べたりしてるんじゃないの」という言葉すら「お母さんがそんなことするかな…」と信じられずにいる小糸に、妹さんは「だってお母さん、家ではいつもお姉ちゃんの話ばっかりだよ」と言いました。

 おえぇ(大号泣)。ダメだこれは。泣いちゃう。小糸は決して愛されてないなんてこと、なかったんだ…!本当に良かった!そうして道を歩いて帰ってきた母親に誰よりも早く妹さんがチケットのことを伝えました。ライブのこともチケットのこともちょっとしたサプライズ的に伝えるつもりだったんでしょうけど、色んな意味で先を越されちゃいましたね!
 しかしそんな2人はどこか後腐れなく爽やかな雰囲気で、シャニPは安堵したように「小糸のご家族からも、『すごい』とか『かっこいい』の歓声を上げてもらおう」と伝え、小糸もとてもいい笑顔で頷きました。最高。おそらくシャニPとしても、ここで小糸の家族の不和をすこしでもほどいて見せて少しでも後ろ暗いものを残さずに前に進ませるつもりだったんでしょう。「アイドルとしての福丸小糸」にご家族を触れさせてそのことをしっかり知ってもらうために、小糸に「ここに居てもいい」と思わるためにやったんでしょうが、少なくとも一番そうしたかった母親は、教えられるでもなく「アイドルとしての福丸小糸」のことも口には出さないだけでちゃんと知っててくれたんですねえ…。泣いた。ほんとに。
 しかしそうなれば小糸としてももうやることはただひとつ、「歓声」を聞くことだけですね!そしてそこに向かう気持ちをしっかり作るためにもこのあとしっかりシャニPからも小糸についての話がお母さんに向けてあったと思うし、小糸もきっとそれなりに気持ちを向けて話すことが出来たんじゃないかな。お母さんもまたそれを聞いて、ネットとかで調べたって知れやしない小糸のたくさんの努力を知ることだってできるはず。これぞまさに「三者面談」、ですよね!そしてそれは「過去」を振り返るためのものではなく「未来」を見据えたもの。まあ実際にそういう風に話し合ったという描写はないんでこれ全部妄想なんですけどね!にへへ!

ワンマンライブ当日コミュ

 開演前、シャニPは「プロデューサー特権で一番最初に言わせて欲しい」「小糸はよくやってきた、えらいしすごいよ」と伝えやがりました。お前~!!ズルいぞ!!俺らにも言わせんかい!!そんな言葉を聞いた小糸はとても嬉しそう!最後に「いっぱい聞いてきてくれ、『歓声』を」と背中を押してあげました。なんだこの綺麗な流れ?アイドルマスターかこれ?アイドルマスターだったわ。

 ステージに立つ小糸は、ファンのみんなの「歓声」を受け止めつつ、「皆さんのその声を聞きたくてここに立っています」と伝えました。うおおん(嗚咽)。「自分が『歓声』を聞きたいから」ここにいるんだと伝えました。それはシーズン3のコミュで言っていた「ただ褒められたいだけ」の自分を認めようとしているということです。それでいいんだよ!小糸!
 そして小糸は続けて、事務所のスタッフやライブのスタッフ、ノクチルのメンバー、そして最後には「今日見に来てくれた家族」に、「自分はまだまだ期待に応えられてないかもしれないけど、これからもここで頑張りたいので応援よろしくお願いします!」とすんばらしい笑顔で言い放ちました。まーたクソデカ丸小糸になってるがな。小糸は確かに「褒められたいだけ」の自分を認めはしたものの、かといってそこで歩みを止めるつもりは毛頭ないようですね!素晴らし過ぎる。そういうところが大好きなんだ。

 舞台裏に捌けてきた小糸は息を切らしています。そのことを「もっと体力つけなきゃだったのに…」と若干の後悔を滲ませていますが、これ多分違いますよねえ?オープニングコミュで小糸、学校から事務所まで(どのくらいの距離あるんか知らんけど)ノンストップで走り続けていたし、それで喋れないほど息が上がっていたとかでもないので、多分相当体力ついてるはずでしょ。
 そんな私の思いに応えてくれるかのように、「それだけ小糸は今日全力なんだろ」と小糸のことを労わっています。シャニPの言うように、きっと小糸は自分でも気づかないほどこのライブに気持ち入ってるんでしょう。そんな小さいけど大きなアイドルは「でも、まだまだこれからです…!」とさらなるエネルギーを感じさせ次に向かいます。スーパーサイヤ人ばりの凄まじいエネルギーにスカウター爆発するわ!いけいけ小糸!

 ライブを終えた小糸はもう体力的にはギリギリのようですっかり息が上がっていて、シャニPも心配しています。小糸は最後少し間違ったことを反省しつつも、「しっかりと声援送ってもらえた」と凄い嬉しそうです。とてもいいですね!これまでの小糸だったら最後の小さな失敗をずっと引きずりがちだったでしょうが、今の小糸はミスしてもそれでもたくさんの「歓声」が聞こえたことの方が印象として強くなっています。決して「ミスしない」ことが「すごい」とか「えらい」じゃないと、ようやくわかったのかな、小糸。
 その上シャニPに対しても「喜んでもらえましたか」と聞き、当然それを「みんなが小糸を応援してることは舞台袖からも分かったよ」と肯定します。これはシーズン3コミュでの言葉と対応していますね。小糸が「歓声」を受けることがそのままシャニPの喜びでもありますが、その言葉を聞いた小糸は「自分もシャニPが応援してくれているのが分かった」とまたいい笑顔で伝えています。小糸の笑顔マジで好き。
 この小糸の言葉はG.R.A.D.編でのような2人の擦れ違いが今はもう発生し得ないということの確認のようでもあるし、シャニPがステージが始まる前、そしてこれまでずっと小糸に掛けてきたたくさんの「すごいよ」「えらいよ」という「歓声」が確かに小糸の力になってステージに立つ小糸を奮い立たせているのだというようにも思えます。かつてシャニPだって失敗したりもしたけれど、それは小糸のことを思ってしたことがちょっと先走り過ぎて失敗しただけで、シャニPはいつだって小糸のことを応援し続けています。そうして2人はここまで歩いて、いや、ひた走って来た!シャニPも「えらい」し「すごい」んだぞ!私は2人に画面の向こうから「歓声」を送ります!

エンディングコミュ「あなたの笑顔まで」

 時は夕暮れ、場所は公園、ワンマンライブを終えた小糸はシャニPと語らっています。小糸は妹に「お母さんは全然声出してなかった」「自分は雛菜ママと一緒にたくさん声出したけど」と伝えられたらしいです。まさかの雛菜ママ登場!きっと朗らかな方なんだろうなあ。
 一方、小糸のお母さんはずっと不安そうに手を握って小糸の事を見守っていたらしいですが、小糸は「最後の方なんてフラフラだったし不安がられて当たり前だ」なんて自嘲気味に零します。そして「少しは喜んでもらえると思ったけど…」と肩を落としました。いや待て。待ってくれ小糸。なんでそうなる?きっと小糸のお母さんは…。

 そこでシャニPすかさず、「アイドルをやるにあたって親御さんに反対されるのは珍しくない」と伝え、「親御さんだって色々真剣に考えているからそう簡単には賛成できないんだ」と説明します。そり!そうなんだよ!小糸のお母さん、多分ただただ小糸の事が心配で心配で仕方がないんだよ!きっとそれだけなんだ…。「見かけは手放しで応援してるように見える親御さんでも心配がないわけじゃないんだ」とも付け加えますが、小糸はまだあんまりしっくり来ていないみたい。
 そんな小糸にシャニPは「親御さん、ライブが終わった後『これからもよろしくお願いします』って言ってたよ」と伝えます。ほらー!全然認められてないなんてことないじゃん小糸!さっきシャニPが「手放しに喜んでいるように見える親御さん」の話をしていましたが、それの逆なだけこれ!しかしそういうことをお母さんから小糸には一切伝えていなかったようで、シャニPは「これ内緒な」と伝えています。そして「また今度ライブに来てもらって、本当に楽しいって思ってもらえるようになろう」「その機会を俺が作るから」とか相変わらずのクソイケメン発言をしました。言ったな?頼むぞ。小糸にもその気持ちがしっかりありそうです。いいね、グー。

 小糸は、今回の出来事を通して分かったことがあると切り出します。「アイドルは大勢の人を元気にできるものだと思ってた」「だから自分たちのライブを自分の居場所と思ってくれたならいいなって…」と言いました。これはW.I.N.G.編で小糸が見出した目標ですね!アイドルモノの物語的には微クリするくらいまっすぐな夢で本当に素晴らしい!しかし小糸は、それが達成できれば一番いいということを前置きしつつも、「もっと自分の近くにいる人やファンの人たちに喜んでもらって、『歓声』が聞きたいのかも」と感じたようです。そんな自分の出した結論を、小糸は少し不安がりながらも…

 いや…「着   地   点」ランディング・ポイント~~~~!!!そんな綺麗なオチを付けてコミュは終わりました。ほんと小糸の物語は直球で心臓をぶち抜いてくれるね!小糸は今までの物語ででも十分すぎるほどに現実を見据えながら地に足を踏みしめながら歩いてきたと思うんですが、ここに来てとうとう気持ちまでそれに付いてきたという感じですかね!
 確かに、今までの小糸はどちらかというと「こうしなきゃいけない」みたいな感じで自分に鞭打って進もうとする感じだと思えますが、今回のワンマンライブの中で、「こうしたい」と思う気持ちを胸に前を見据えることを選べたと言ってもいいのでしょう。しかしそんなんなったら、どこまでも真面目で、誰かのために何かしようと思えて、学年1位の秀才で、体力もついてきた福丸小糸、無敵では?あとは身内意外とのコミュニケーション能力だけだな!小糸がここで言った「喜んでもらいたい」と思えた身の回りの人々の中には絶対家族のことも含まれているだろうし、いつかはみんなが笑顔で写る写真が1枚、アルバムに増えたらいいな!

まとめ

 の心、 知らず

 福丸小糸とかいう奴、いつも泣かしに来る。そんなわけでこの暖かく未来を感じる物語でクソデカ感情になったという部分を色々と考えてみようと思います。

 さて、わざわざ説明するまでもないですが、この小糸のLP編は母丸こと福丸家の母親と長女である小糸の関係に深く立ち入った内容でした。そしてそれは、今までの小糸の物語の中でちらほら見えていた部分から危惧されていた通り、2人の関係がだいぶ冷え切っている状況からスタートさせてきやがりました。殺す気か?なんでアイマスはちょいちょい家庭内不和みたいなの入れてくるわけ?母親の隣にいることが出来ずに嘘をついてまで逃げ出す小糸を見るのは本当に辛かった…。
 父丸に関する情報が今回もほぼ出てこなかったためそれについては何もわからないですが、少なくともこの母親の存在が小糸の人格形成によくも悪くも強く影響していることはもはや疑いようもなくなりました。アイドルを始めて「ガラスの嘘」がバレてしまった時も、「お母さんが良いよって言うわけないと思って言い出せなかった」と、その母親の厳格さに抑圧されてしまっているのが伺えていました。

 この物語の中でも語られていたように、小糸は最初こそは「母親を手伝いたい」という思いから動いていたのが、いつの間にかそれに義務感みたいなものが生じてきて「お母さんの期待に応えなくては」という形になってしまったようです。最初は「やりたい」の気持ちだったのにいつの間にかそれが「やらなければ」になってきてプレッシャーとなり辛くなってくる、なんかわかりますよね~これ。金言として「趣味を仕事にするな」とか言われたりするのはこういう風な形になる人が一定数いることを表しているように思います。だからそうなるのがその人が弱いとか悪いとかではきっとないんですよ…私自身がそれだからそう考えたいだけかもですが。
 少なくとも小糸が生来の真面目さから自分自身をそういう風に追い込んでしまいがちな子であることに異論はないかと思いますが、今に至るまでのお母さんの態度がどのようなものであったのかは想像の余地があります。少なくとも最初の頃こそ、そうやって自分の手伝いをしてくれる小さな娘を褒めて認めてあげていたのではないかと思います。そうでなくては小糸も「そうしたい」という風には感じていないと思いますが、どんどん先述の現象に飲み込まれて自信を喪失していく我が子を見て、「もっと力を付けさせれば胸を張れるようになるかもしれない」と感じてしまったのかもしれません。お母さんが三者面談でも気にしていたのは「いつも自信なさげだ」ということでしたし、実は小糸の能力そのものについての心配をしているのではなく、能力があるにも関わらずに胸を張ることが出来ない娘のことが心配なのだと感じられます。とどのつまり、お母さんも小糸に対して「笑って欲しい」だけなんじゃないかな。「公園で遊具から落ちてそれ以来公園を怖がるようになってしまった」ということと重ねれば、お母さんはきっと、もう一度小糸に公園で笑顔で遊んでいて欲しいんだと思います。

 しかし悲しきかな、母親の「求める通り」の自分じゃないと思ってしまう小糸は「お母さんは自分に能力がないと思っている」と感じてしまっています。新入生総代として高校に入学しても、学年1位の成績を収めても、母親のその厳格な態度は崩れなかったのだろうと推測されますが、お母さんはそういう成績そのものより小糸が自信を持って笑ってくれることを望んでいるのだから、それだけの成績を残しておきながら依然としてオドオドし続ける小糸のことを手放しで認めてあげられません。まあつまりこの2人、平たい言葉で言えば、需要と供給が噛み合っていません。小糸は母親が自分に望んでいることが分からず、お母さんは小糸が自信を持てていないのが自分の小糸に自信を望む態度にあるということをイマイチ分かっていないか、もしくはそのことをどこか分かっていながらも後に引けなくなってしまっているのかなという感じがします。親の心、子の心、お互いすれ違ってしまっています。
 しかしながらこの問題、ちゃんと親子でコミュニケーション取れてればある程度解決しそうだと思いません?すれ違いは基本コミュニケーションで解決するものです。さて問題です。小糸がメチャクチャ苦手なことなーんだ!はい正解。コミュニケーションです。うーんこの…。この親子の根深そうな問題、それはお互いがちゃんと自分の気持ちを相手に伝えていないことが原因の一つとして考えていいはずです。そう考えると、母丸もある意味でコミュ障な人で、自分の娘としっかりコミュニケーションとれません。そうだとするとこの2人はもの凄く似ていて、やっぱり親子なんだなあ…でもだからこそすれ違ったんだなあ…と切なくなってしまいます。

いと

 さて、そんな悲しい親子のすれ違いでこっちは気が違いましたが、やはりというべきかお母さんは小糸の事を愛していなかったなんてことはなかったというのはこの物語で十分すぎるほどに示されました。0~1歳までの間の写真だけでアルバム一冊消費するくらいには小糸は生まれた時からずっと愛されていましたね。泣いた。しかも現在でも小糸のいないところでお母さんは小糸のことばかり話しているのも分かりました。泣いた。
 また一方で、小糸が初めに抱いていた「母親を手伝いたい、笑顔になってもらいたい」という気持ち、これもまた愛であると言っていいでしょう。妹丸が生まれて大変そうな母親に対する慈しみのような気持ちが根底にはあったはずで、それは母親のことを想っていると言えます。
 つまるところ、この2人のすれ違いは「愛」ゆえに起きています。お母さんは小糸の事を愛するがゆえにその気持ちは俯きがちな娘を心配してしまう気持ちに変わり、小糸は母親を愛するがゆえにその愛を「その期待に応えなければならない」というプレッシャーに感じてしまって俯いてしまいます。絵に描いたような負のループ。
 この物語はある意味で、そういうすれ違いとそのせいで小糸の中に生じているしこりを取り払うための物語であって、この2人の間にある「愛」自体が間違っているものではないと私は思いました。それを表しているのがこの小糸のLP編で個人的に私が大好き過ぎてボロボロと涙を流した、それぞれのコミュタイトルたちです!色々限界解釈になる予感がするな。

 まず最初に考えたいのは、シーズン4コミュ「愛しき糸たち」です!いやもうだめだこれ(号泣)。このタイトル表示された時、色んなものが繋がって冗談でもなんでもなく涙が出てきてしばらく画面が見れなくなったわよ。
 「愛しき糸」、もはやこのフレーズだけで小糸が愛されているということが分かってクソエモいんですが、私が感じたのはそこだけに留まりませんでした。このタイトルさあ…平仮名に直すと「いとしきいと」ですよね…。「『いと』しき『いと』」なんですよ…。もうわかりましたね?このコミュタイトルで分かること、それは「糸」いと「愛」いとであるということですよ!いや泣いた。あまりにもエモすぎたこれ。
 そのことを踏まえた上で、シーズン1~3までのタイトルを見返してみましょう。「ささくれた指先」「まだらな刺繡」「縫い違えても」。何かを縫い合わせようとするけれども、失敗して指を針で傷つけて、つぎはぎだらけのまだらになって、縫い違えて。「それでも」と思う気持ち。これが「愛」じゃなくて何なんだよ!!そうして傷ついても間違っても縫い合わせようとする「糸」の存在こそが、何より小糸もお母さんもお互いのことを想っている、「愛」ある関係であることの何よりの証明ではないですか!!(クソデカボイス)
 そしてその「糸」という名を受けているんです、福丸小は。この物語に至るまできっと小糸は母親との冷え切っているように感じられる時間が辛かったと思います。でもこの物語に至るまで道を繋げてきた、辛くても母を「愛」し続けて関係を縫い合わせようとしてきた「糸」は小糸です。そして同じように、少し歪んでしまっているけれども、「小糸に笑顔になって欲しい」という小糸の抱いた気持ちと同じ形の「愛」をお母さんも持っているだろうことはもう説明するまでもなさそうです。ただ少し気持ちがすれ違っていただけで、やっぱりこの2人、親子です。真面目でコミュニケーションが苦手で不器用で怖がりの心配性で、そしてめっぽう諦めが悪い、そっくりな母と娘。小糸はコンビニに行こうとしてるだけの妹を心配して叱っている時の自分の後姿を見たらどう思うだろうね?たぶん自分を𠮟咤している時の母親にそっくりだって、なるんじゃない?

染まるいと

 「糸」は「愛」であると、そんな限界解釈をぶつけさせて頂きましたが、実は「糸」という単語が含まれるタイトルが残っていることにお気付きでしたか?オープニングコミュ「墨子糸に泣く」がそれですね!どういう意味の言葉か載せたいと思います。

墨子糸に泣く
人間が、環境によって善人にも悪人にもなることを、嘆いたことば。

[由来] 「墨子―所染」に出て来るエピソードから。紀元前五世紀ごろ、戦国時代の中国でのこと。墨子という思想家は、糸を見て、こんなことを考えました。糸は染料によってさまざまな色になりますが、それと同じように、君主もよい家臣がいればよい君主になるし、悪い家臣がいれば悪い君主になります。国に仕える者たちだって、同じこと。そう思うと、墨子は、涙が出てきたということです。

https://kotobank.jp/word/%E5%A2%A8%E5%AD%90%E7%B3%B8%E3%81%AB%E6%B3%A3%E3%81%8F-2236820

 と、いう意味の言葉らしいですよ。この故事成語を先ほどの限界方程式でもって言い換えると、「墨子愛に泣く」ということになりますよね。それをまた限界解釈すると、ある意味では母親の思いを歪めて受け取ってしまっている状況、つまり母親の「愛」が小糸の気持ちを良くない方向に染めてしまっているという状況と重なるように思えます。人は環境によって変わってしまうもので、小糸はこの母親に抑圧されている(ように思える)環境が原因でずっと俯いていたし、お母さんもそれをどうにもできないでいました。

 しかしご存知の通り、小糸はほとんど衝動的にでしょうが、「アイドルになる」という選択肢を取ることで色んな意味で新しい環境に行きましたし、そこでシャニPとかいう男にも出会いました。最初の方こそアイドルの世界もそれはそれで息苦しかっただろうけど、少しずつアイドルとして慣れていって期待に応えられるようになって、そこを心地の良い居場所と思える環境だと思えているのでしょう。そう考えたら母親の隣から逃げ出して向かう先が283の事務所だったのも納得です。
 そういう中で小糸という「糸」は、ある意味で「アイドル」や「283プロ」の色に染められたのかもしれません。そうすることに一役買ったのがみんな大好き、俺たちのシャニPですね。シャニPはW.I.N.G.編の時からずっとずっと小糸のことを勇気付けて背中を押そうとしてきました。小糸のコミュに出てくるシャニPはいつもよりさらにイケメン度合いが高くて人気ですよね!よくわかる。

シャニPはW.I.N.G.編にて、小糸がアイドルになろうと事務所にやってきた時のことを振り返り、「小糸にアイドルは難しいんじゃないかと思った」と言っています。しかし、それでも小糸の事をアイドルにした理由として「小糸の一生懸命に幼馴染のことを話す姿を見ていたらこっちも笑顔になった」とも言いました。これは、そういう一生懸命な小糸が(俺みたいなオタクがニチャる的な意味じゃなくて!)「愛」しく思えて、それが色んな人にも伝わると感じられたということなんじゃないかなと思うんです。つまり、シャニPもまた小糸に対して「愛」をもって接していたひとりの「糸」であったと言え、そのシャニPの愛は小糸にとっては基本的には母親の物とは違って息苦しくないものであったのだろうと思えます。
 が、つい先ほど「基本的には」と書いた通り、シャニPも愛ゆえに小糸とすれ違って大失敗してしまった事がありましたね?そう!小糸のG.R.A.D.編です。あの時、シャニPもまた「小糸をもっとアイドルとして成功させてあげたい」という気持ちが前に出過ぎた結果、「小糸のレッスン姿をインターネット上にあげる」とかいう提案をしてしまい、どん底に叩き落された小糸はすっかり塞ぎ込んでしまい2人の関係が壊れかけました。
 ところで、あの時なぜ小糸があそこまで苦しそうだったのか、それは今回のLP編を鑑みれば、G.R.A.D.編でのシャニPの「愛」が母親の「愛」と同種の息苦しいものと同じく感じられてしまったからなのだと結論できちゃいます…。この種の愛は、小糸に「お前は能力が足りない、だから嫌なことでもなんでもやらなきゃいけない」というプレッシャーを掛けてしまうんだ…当人にそのつもりなんてなくても…難しいね。

 しかしご存知の通り、シャニPは自分が間違っていたことにすんでのところで気付いて、お互いの気持ちをもう一度しっかりと確認し合って足並みを揃えて走り出し、2人は問題を乗り越えました。つまり、「壊れかけた関係の修復に成功した」んです。それはもう一度ということ、あきらめないこと、「それでも」の精神です!そういう姿勢は「愛」だと前の項でも述べました。この時点で、シャニPという男は「関係はもう一度やり直せる」ということを小糸に示していたんですね!
 「小糸のやりたいようにやっていい」というシャニPの言葉による部分もあってでしょうが、もしかしたらG.R.A.D.編でのそういう経験もあって、小糸はお母さんにライブのチケットを渡す気持ちを決められた部分もあったりしないかなと思いました。また、シャニPも自分のそういう経験があってこそ、小糸とお母さんとの関係を何とかするためにその提案をしたのだろうとも思えます。シャニPや283プロという環境の持つ「愛」に染められた小糸は今一度母親と向き合う気持ちを作れたのではないでしょうか。まあ実際のところ、小糸とお母さんはシャニPがわざわざ介入するまでもなく強い「糸」で縫い合わされた関係だったってことがシーズン4のコミュで分かるんですけどね!だからあの時シャニPは凄い安堵したのでしょう。
 そういう意味では今回、この親子の関係をどうにかするという点で実はシャニPって直接的には何もしていないんです。でも確かにシャニPの小糸の思ってした行動や言葉、共にアイドルとプロデューサーとして一緒に走ってきた時間という「愛」が小糸の背中を勇気付けていて、家族をライブに呼ぶ踏ん切りも付けられたし、最終的にライブを通して「自分は色んな人たちに愛されている」という感覚を得るに至るのが今回のLP編です。シャニPのこれまでの「愛」は間違いなく小糸に届いていますし、小糸だってそれが分かっているから「舞台袖から応援してくれているのが分かりました」と伝えたんです。泣いた。もうだめだ。

 しかし、そんなライブを通しても小糸は母親を満足させるには至らなかった(ように見える)ことに気落ちしていました。まあそれは、先程読み取ったように、母丸はとにかく娘のことが心配で心配で仕方が無くて、妹さんが言っていた通りただ無事を祈るようにステージを見守ることしかできなかっただけです。しかもライブの終わりにシャニPに「これからよろしくお願いします」と伝えているという部分を見ても、小糸が新しい環境で頑張っていること、そしてその新しい環境で俯きがちな小糸が笑えるようになるかもしれないとライブを見て思えたからそうしたんだろうと思います。そういう意味では大きく前進していると言えますが、そんなすぐに笑顔で…とはいかないんだろうなあ。まだ小糸は母親の態度が自分に向いた強い「愛」ゆえであることにはしっくり来ていません。
 それでも小糸は、シャニPの「またライブに呼んで、今度こそ笑顔になってもらおう」という言葉を噛み締めていた通り、まだまだ全然諦めていませんね!「それでも」、の精神です。今回小糸が学んだのは「やりたい」という気持ちを出していいし、それを受け取ったファンのみんなが「歓声」を返してくれるという在り方です。小糸はファンから愛を受け取っているし、それを受けた小糸はパフォーマンスを頑張って、そんな小糸の一生懸命なパフォーマンスは愛としてファンに(あと俺にも)届くんです。
 多分小糸は今、誰かからの愛をプレッシャーに感じるのではなく、愛を受け止め且つ愛を与えるアイドルになろうとしているんです。だって間違いなく、「誰かを笑顔にしたい」とか「誰かの居場所になりたい」というのは、「愛」以外の何物でもないですから。そしてもしかしたら、そういう風に「誰かのために何かしたい」という「愛」を一番最初に小糸に芽生えさせた要因はお母さんと妹さんの存在かもしれないと考えたら、それは決して否定されるべき過去ではありません。しかもそんな小糸は、【おみくじ結びますが】でその「誰か」の射程圏内を「世界中」に設定しようとしてますからね!最高だよな。福丸小糸マジBIG LOVE…。

 また、少し話が逸れますが、「墨子糸に泣く」という言葉について感じたことがもう一つあります。これは「糸が何色かに染まる」というのが由来のエピソードとして出てきてしまったわけですが、これはなかなかやられたなという感じです。この言葉は環境によって良くも悪くも染まるという意味ですが、それは「染まらない=透明なままの糸」なんてそこにはないと言ってるようなもんです。つまり小糸もまた、「透明だった僕たち」に「さよなら」したということでしょう。これはG.R.A.D.編でのテーマであるグラデーションともLP編のテーマでもあるレイヤードとも重なるもののように思えます。
 しかしながら、このLP編の物語を鑑みて考えると、もしかして小糸にとっての「透明だった」頃って、アイドルじゃない4人の時代のことよりも先に、母親の愛を素直に受け止めていたころ、純粋に母親のことを想って行動できていた時代のことだったりしないか?と思ってしまいました。そしてそこから「求められる通りでなくてはならない」という呪いから己を苛んでしまう暗黒時代が訪れるわけですが、これはつまり暗い色に染まっていた時代であるわけです。しかしこれまでのアイドルとしての活動やシャニPとのやり取り、そしてこのLP編を通して、その良い意味でも悪い意味でも欲の無い純粋な「透明だった」頃に戻る形ではなく、「自分は自分のためにこうしたい」というある種の欲を持った明るい希望の色に染まることで、暗い色に染まっていた過去も「透明だった」自分も清算した、という物語のようにも思えました。そしてそれはやはり、「未来」に向けた物語であったという風に思います。まあいつものクソ深読み憶測ですけどね!

 この物語の冒頭で、小糸は「小さい頃のことってあまり覚えていない」と言いました。きっと小糸が忘れてしまったこと、それは小糸が途方もないくらい大きな愛を母親から受けてこの世に生まれたんだということ、そしてまた自分もまた同じくらいの愛を母親に対して持っていた時間があったということです。ただ、無常に時は流れ2人はすれ違い、指はささくれ、刺繍はまだらに、縫い違えた関係は少しずつ歪んでいってしまったのかもしれません。
 しかし小糸はこの物語で、シャニPやファンたちの愛をまっすぐ受け止めたことで、自分も誰かに愛されていることを感じ、そして今度は誰かを愛することを始めようとしているように思えます。今回は身近な人をターゲットにした感じですが、きっと小糸ならもっと大きくいけるよ!
 自分が誰かに愛されていること、自分もまた誰かのためを思う愛を持っていたこと、それを思い出せた小糸はきっといつか母親の笑顔を、「愛」でもって引き出すことが出来るはず。そしてその時、同時に自分が母親に強く愛されていたのだということも理解できるんじゃないかな!愛するということは愛されるということです。
 いまはまだ…かもしれません。だけどそれでもまだ、福丸小糸の「愛」が「あなたの笑顔まで」結んで世界中を笑顔で繋ぐ、とある不器用な「親子『糸』に笑う」、その時まで!頑張れ、小糸!

感情置き場

 いやもう泣いた。よくもまあこんなんやってくれたな。私はノクチルのLP編実装初日に全部見てやろうという気持ちだったのですが、透と円香に叩き付けられたものがデカすぎたせいで小糸と雛菜のLP編は翌日に先送りしたんですが、その実装日は11/10でした。つまり?その翌日は?11/11?…いや……小糸の…小糸の誕生日じゃん!!冗談じゃねえよ!!気が狂う!!!
 こんな美しい、それでもお互いの不器用さに歪んでしまっている親子愛、しかしそれがいつかお互いにとって遺恨も無く笑える時が来るかもしれないと思わせてくるような物語を、その名がきっと大きな愛情を以て福丸小糸に与えられただろう日にやらせやがった。殺人だろうこれはもう!予告も無くこのタイミングでノクチルのLP編を実装した理由、それは小糸の誕生日に関連した憶測を事前に抱かせないためだったんじゃないかとすら思えてしまう!そして俺はそれに見事に嵌められました!!畜生!!
 そんなんなので相変わらずぐちゃぐちゃの怪文書になってしまっているのですが、やっぱり小糸の物語はまっすぐハートを突き刺してくる感じがして良いですね!取り扱ったテーマ自体はかなりデリケートというか、ちょっと「ゔっ…」ってくるような内容だと思いますし、実際に最後小糸と母丸が綺麗に和解して終われるっていうご都合主義的な展開にもなりませんでした。でもそれは、ある意味では家族の間の溝なんてものがそんな単純に埋まるものではないことをしっかり描いてくれたと思うし、そのことは一方で小糸の「これから」を希望させてくれる要素になっているとも思います。
 また、個人的に大好きな物語に【思い出にもならない】というカードコミュがあるんですが、私はあのコミュを読んでノクチルの4人の時間を誰よりも繋ぎ止めようとしたのは小糸という「糸」だったんじゃないかなと感じました。そう思っているところに、私はこのLP編で「糸」は「愛」であったと読んでしまい、小糸が受験を頑張って3人と同じ高校に入ろうとしたことは間違いなく3人との関係に対する「愛」だったんだ…ってなっちゃって完全に感情が爆発しました。限界オタク。しかしそんな4人の未来が見てみてえんだ俺は!うおおおお(雄たけび)

 なんにしてもここまで読んでくれた方、もしいらっしゃるなら人生の貴重なお時間を頂きありがとうございました。相変わらず書きたいこと書いてるだけのクソ長い内容ですが、もしここまで読んでくれた人いるなら本当にありがとうございます。正直毎度毎度スキが1個でも付くたびに驚いておるよ。勝手に「愛」として受け取っております。兎も角、次の着地点で会いましょう!それでは~。ぴゃ!


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