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12/22実装【てのひらの答え】福丸小糸を読む

 最近マジで寒いですが体調は大丈夫ですか?基本馬鹿なので風邪をひかないことに定評のあるいれぶんです。こちらは12/22に実装された【手のひらの答え】福丸小糸の感想文兼怪文書となる記事です。以下注意点です。

・記事というよりかはただの自分用の感想まとめなのでいろいろ話が飛躍してる気がします。
・コミュ内容のネタバレを含みます。さらに今までのノクチル全体のコミュの内容を前提としつつ絡めるのでさらにネタバレと妄想が飛躍します。お気を付けください。
・私個人の好意的・拡大解釈および誇大妄想を含みますが、それらを押し付ける意図のものでありません。むしろ自分の考えとの違いを発見してより幅の広い解釈を見せてくれ…。
・ゲーム内プロデューサーのことは名前が分からんので「シャニP」と呼称します。

では以下本文となります。

【てのひらの答え】福丸小糸のイラスト

 かわい…いや寒そう!!小糸に寒い思いさすな!!しかし小糸は寒い中でも手をかじかませながら、単語帳をめくって勉強している様子。真面目が過ぎるだろ。寒空の下でも勉学を欠かさぬ小糸は踏切の向こうにいる誰かに気づいてこの最高の笑顔!果たして視線の先には誰がいるやら…(すっとぼけ)。ともかくこの小糸の表情を見ると心の底から言える、「守護りたい、この笑顔」。
 ところで、その小糸のめくる単語帳には「~を受け取る」と書いてありますがどうせシャニマス君のことだから意味があるんだろうな!!個人的にはこのクリスマスの時期に実装されたということから考えても、小糸が受け取るのはおそらくクリスマスプレゼントでしょうね!果たしてどんなプレゼントが彼女には贈られるだろう…?しかしそう思うと、なんとなくこのコミュはきっと明るい物語になるんだろうという気がしますね!

 さてフェスイラストの方…もう分かり切っていたことですが、小糸もまたパーソナルカラーであるスミレ色の衣装を身に纏っています。小糸…お前もとうとう「透明」ではなくなってしまったのだな…。
 そしてノクチル3週目恒例の最高スタイリッシュなアニメーションと謎ポエムもちゃんとあります。ノクチル3週目思い出演出マジで好き。ピンボケしたフェンスの網からピントが合って映し出される小糸、ミラーに映る小糸の一歩、笑顔で見上げる先には天高く伸びゆく建設中のビル!もうこれでもかと、天高く未来へと向かう小糸の姿勢を感じさせる演出となっているなと思います。また一方で階段に座っている小糸はまだまだ発展途上なのだろうとも思わせるイラストであるなと思います。
 そして謎ポエムのほうは「糸を たぐる その先に」という文言でした。全員それぞれの名前(の一部)が入っているポエムであるということは分かっていましたが、これをピタリ当てられた人いたらあなたはノーベルノクチル賞受賞です!おめでとうございます。飴あげる。しかしこのポエムもまた、「その先に」という部分からも小糸の未来を感じるものとなっています。もしかしたら小さな糸かもしれないけれど、それをたぐり寄せて自分のものにしていくことがいつか大きな何かを成し遂げるための一歩であるはずです。そこで再度このアニメーションを見てみると、空に向けて伸びゆくビルの上には、大きな建造物を作り上げるために「糸」を垂らして建材を「たぐる」クレーンがいることが分かりますね!意味あり気な描写だらけで気が狂っちまうよ。そうやってどんどんデカくなってくれ、天を衝く摩天楼のように。

1つ目のコミュ「どろぼうと小テスト」

 さて小糸、事務所で唸り声。心配するシャニPに小糸は学校での出来事を語ります。それは、学校で同じクラスの子が「二年生の綺麗な先輩」として透と円香の噂話をしていたということ、それと同列に雛菜が「スタイルの良い読モみたいな子」として見られていたこと、そして「その3人はいつも一緒に居てみんな芸能人らしい」と思われていたこと、その後に小糸が声を掛けられ「いつもテストの成績の良い子」として見做されたということでした。小糸ォ…。これは当然、ちんちくりんな小糸だけが容姿の良さの面で校内では一目置かれていないと言ってもいい状況です。
 しかしそのことでまた「自分だけみんなと比べて…」と劣等感に囚われ気味な小糸ですが、「もっと努力しないと」と前向きな姿勢を見せつつも自分だけではどうその問題を解決して良いか分からないようです。

 そんな小糸の姿勢をシャニPは認め、その気持ちを満たすために営業先へのあいさつ回りだの新たなオーディションだのと次へ繋がりそうな提案をしています。小糸はそのシャニPの勢いに若干気圧されながらもその提案に乗ることにしています。シャニP小糸相手の時なんか急に元気になるときあるよな。そういうとこが割と好き。でもいい流れな気がするな!

2つ目のコミュ「高校生クエッション」

 夕暮れ時の事務所、シャニPは小糸に新たな仕事持ち掛けています。それはこのコミュタイトルまんまの「高校生クエッション」という文字通り高校生が3人チームを組んで教養と学力で鎬を削る感じの地上波放送のクイズ番組であるようです。普通に高校生クイズだろこれ!ひねりが無さすぎておもろい。
 小糸はその番組に出るとしてもチームを組む必要があると分かっており、透や円香や雛菜と一緒に出るということか問いますが、シャニPは「芸能人チームとして出る」ということを伝えます。賑やかし枠か…と思ったら既に決まっている人たちの他に、事前の試験をパスすると出られる仕組みになっているようで、それを勉強が得意な小糸を見込んで受けさせたいみたいです。うーんなるほど。

 「アイドルもやって、学校の勉強もとなってさらにクイズの勉強もというのは大変だから無理はしないでもいいぞ」とシャニPは気遣いますが、小糸は「やります…!」と相当に強いモチベーションを覗かせます。なんだかんだでそんな小糸の姿勢が嬉しいシャニPは「そういうと思った」「じゃあ一緒に頑張ろう」と仕事を請けることを決めています。小糸が本気で取りたいと思えるお仕事、もしかしたらこれが小糸にとっての嬉しいクリスマスプレゼントになるんじゃない!?なって欲しいし、出来ればいい結果を残してもっと素晴らしいプレゼントになればなお良いな!

3つ目のコミュ「単語帳おばけ」


 シャニPが道を歩いていると、踏切の向こう側へ小糸の姿を確認しています。大声で「前見ないと危ないぞ」と声を掛けていますが、単語帳をめくっている小糸は気付いてくれません。ここがガシャアニメーションのシーンであるようです。

 小糸は呼ばれていることに気付いていなかったようですが、それは「もしかしたら自分が勉強してる内容がクイズに出たらと思ったら時間を無駄にしたくなくなった」ということらしいです。うーん凄いモチベーション!しかしシャニPは小糸が実は無理してるんじゃないかということが気がかりらしく、小糸の前向きな気持ちを認めつつもその身を案じるように優しく諭しています。
 ハイパーウルトラ大天使優等生の小糸は当然、「確かに何かあったら周りの迷惑になっちゃう」とシャニPの心配をしっかり受け止めています。いや迷惑とかじゃなくて小糸が悲しい目に合ったこっちもガチ凹みするから本当に何かあって欲しくない。シャニPもそう思ってか小糸に(言い方は悪いですが)説教を続けようとしますが、小糸はそれを「でも」と遮り、「私、無理してないですよ」と笑顔で言い切りました。小糸はこの仕事の話が来てから、「今まで何かに追われるようにやっていた勉強が本当に自分がやりたいって思えるようになって楽しくなった」と言うのです。そして自分がそうなれたのが本当に嬉しいようで、「素敵な提案をありがとうございます」と満面の笑みでシャニPにお礼を言います。泣いた。この仕事の話がきて、いい方向へ小糸の気持ちが向いたことがこの提案のもたらしたものだったんだ…そしてそれを受け取った彼女のこの満面の笑みこそがシャニPや私たちオタクにとっての最高のプレゼントなんだ…。救われた俺たちに、メリークリスマス…(安らかな顔で死亡)。

4つ目のコミュ「解答用紙を走れ」

 でもさあ!!(バカデカ死者蘇生)どうせやるんならちゃんと結果に繋がった方が良くない!?!?小糸め↑ーっちゃ頑張ってるじゃん!その気持ちは一緒なのか、番組の試験に向かう小糸を見送ろうとしているシャニPはガチガチで小糸にも「プロデューサーの方が緊張してる」と笑われています。気持ちは分かり過ぎるほどに分かるよシャニP。小糸の頑張り見てるとそう思っちゃうよな。しかし受験生の親ってこういう気持ちなのかなあ…と思ったらシャニPが全く同じこと言ってくれました。流石。
 小糸は結構落ち着いていて、シャニPはそれを「自信の表れか?」と問いますが、小糸は「試験には絶対的な答えがあって、それを知ってれば答えられるし知らなければ答えられない」「だから実質的に今の時点でもう結果は決まっているんだ」ということを言います。達観し過ぎだろ小糸…。でもだからこそ良い問題が出るように、アクシデントが起こらないように祈っていて欲しいと伝え小糸は試験会場に向かいました。それに大きく頷くシャニPは「いい結果を積み重ねて欲しいから」とその小さくも勇敢な背中に祈りを捧げています。祈ることしかできないけれど、それが応援するって事なのかもしれないね。

 小糸は試験を終えて戻ってきました。シャニPはずっと同じ場所でそわそわしていたらしいです。ワロタ。多分俺も同じ立場だったらそうしてる!この試験は問題も回収されるタイプのものなようで、自己採点も出来ないため結果はまだ分かりませんが、気持ちの逸っているシャニPは小糸に試験の手ごたえはどうだったかと聞いてしまいます。
 すると小糸は神妙な顔をして黙りこくってしまいました。小糸ォ…(絶望)と思ったその瞬間!彼女は「すごく…すごくよくできたような気がします!」と、ノーベルドヤ顔賞受賞確定のドヤ顔を見せました。いやもう泣いた。あの後ろ向きで自分のことを認められないで苦しんできた小糸が、あの小糸が…自分のしたことの結果を待たずに認めて笑っているんだ…!最高!もう小糸がそうやって笑えただけで十分だと言ってもいいのでしょうけど、でもそうだからこそ、やっぱり小糸の頑張りが認められて欲しいんだ!うお~受かっていてくれ~!(祈祷)

Trueコミュ「教科書を閉じたら」

 初手から描写されるのは件の「高校生クエッション」の番組終了の挨拶。それを固唾を飲んで見守る小糸とシャニP…これはつまり…!?受かっていたみたいです!!イエ―!!…なのですが、どうやら番組内ではほとんど小糸は映されていなかったようです。ゔ~んこのシャニマスとかいうゲームがよぉ…!甘くねえなあ…。流れとしては「海へ出るつもりじゃなかったし」や小糸のG.R.A.D.編と似ていますね。
 小糸と同じくテストをパスして出演した人には難問を回答する人も面白回答を出す人もいたらしく、対して小糸は早押しボタンを押すことすらも出来なかったらしく、小糸は「ただの試験とは違うな…」と反省しています。

 ちょっと凹み気味な小糸をシャニPは「まず出演できたことが凄い」「もっと自分を認めていい」「もっと自分のことを認めてあげても…」と心配しきりです。実際、ほとんど映らなかったとしてもネット番組ばかりに出演しがちなノクチルの中で、単身地上波の番組に出演出来たのは凄いことです。
 しかし此度も小糸はシャニPの心配を遮り、「この番組に出るためにやってきたことは何ひとつ無駄じゃなかった」と断言しました。素晴らしい。事実上は今までの強迫観念じみた思いでやってきたこととは変わっていないけれども、「だからこそ今までそうやってやってきたことが今の自分のやりたいことに全部繋がっていたんだと思う」とまで言います。強過ぎる!これと同じような発言はW.I.N.G.編の時もありましたが、今回はしっかりとした小糸の体験を通して描かれたためにより深みを増したよう思えます!
 しかもそう感じられたことを通して、「お母さんや先生が自分に『こうしなさい』『ああしなさい』と言ってくれていたのは全部自分のためだったんだ」とすら言います。いやもうこれ…答えじゃん…。ただただ甘やかすのではなく、厳しく接することもまたひとつの愛情であるはずです。それがどう受け取られるかという問題があるのですが…その問題による悪い影響をもろに受けていたのが小糸なんですけどもね。でもそれに対する一定の答えをもうここで出しちゃってるでしょこれ。流石は成長性S系アイドル。

 「そう思えるようになったのはプロデューサーさんのおかげだ」「自分のやりたいことを一番に考えてくれるから」と小糸は言います。「それが一番大事だから」と言うシャニPに、「勉強してきたことしか試験では答えられない」「だからこれからたくさん勉強して、少しずつ積み重ねて、少しずつ色んなことをできるように精一杯やるぞって」「すごく前向きなんです」と言った!小糸が!あのずっと俯きがちで後ろ向きだった小糸が…!
 そして「プロデューサーさんがいるから」と付け加えてコミュは終わります。泣いた。俺のおかげだって…?いや俺はシャニPじゃないが???(正気)まあちょっとメタなことを言えば、これはアイドルマスターのアイドルとして成立するためには「プロデューサー=我々オタク」が必要みたいな、ちょっとしたファンサ的発言的側面も持つものでしょう!ただ、これもちゃんとまとめで後述できたらいいな~って感じですが、ここでそういう風にとれる発言があったというのも大切な要素として示されているのだなと思います。ともかく、小糸はこうして前に進む強い意欲を見せてくれました!小糸のコミュはいっつもこうやって希望を持たせてくれるから最高!

まとめ

〜を認識する

 毎度新たな物語が来るたびに、少しずつ、しかし確実にその一歩を踏み出していくことに定評のある小糸ですが、今回もまたひとつ歩を進めたというところでしょう!
 さて今回のコミュでは冒頭、小糸が学校で同じクラスの子たちに自分が「アイドルとして認識されていない」という風に感じられてしまう出来事があったと描写されています。他の3人は校内でも有名で、芸能人であることも認識されている一方、小糸は「成績の良い福丸さん」止まりでした。まあそもそも、バカほどビジュアルに優れてかつキャラも立ってる浅倉樋口、芸能人である以前にその自由奔放さで校内では既に問題児扱いされてそうな雛菜に挟まれて埋もれるなというのは難し過ぎますが…。

 小糸はその状況が思わしくないようで何とかしたいみたいですが、もっと努力して頑張るという風に意気込みつつも、「そのために自分がどうしたらいいかわからない」とも言っています。小糸のこの「どうすればいいかわからない」という発言、それをただ彼女がまだまだ人生的にも芸能人的にも経験値が足りてないと言えばそれまでですが、もっと根本的な部分に問題があるように思います。
 私が思うに、それは「小糸は自分のことをアイドルとして認識していない」ということです。小糸は自分が3人と一緒のタレントとして見られていないことを気に病みましたが、それ以前にそもそも彼女自身が自分のことをタレントとして見ていません。それはこのカードの2つ目のコミュでも、高校生クエッションに自分が「芸能人枠」として出るという発想が一切なかったということからも伺えますし、【ポシェットの中には】のコミュでも学校に遅刻しそうな小糸をシャニPが車で送ろうとした際、「そんな芸能人みたいな登校の仕方…!」と驚いていたことも挙げられます。
 アイドルがアイドルとして「認識」されるためには、当然アイドルとしての仕事や行動を通して他者の心に残る必要があります(そういう部分では実は他の3人もそのヴィジュアルの良さからアイドルではなく「モデルだっけ?」「いやアイドルじゃなかったっけ?」みたいにあやふやな認識をされていましたね)。しかしながら、先述のように小糸はアイドルとしての自覚が無く、そんな状態では「アイドルとしてどうすればいいか」なんて分かる訳が無いのです。

 そんな小糸の状態を見越してか、「自分がアイドルである」ということを自覚できるような仕事をシャニPが提案したのが今回の物語の大事な点でしょう。「芸能人枠」で試験をパスしてそれなりに名のある番組に出ようという提案は、小糸に自分がアイドルであるという「認識」を抱かせ、かつ地上波で放送する番組であるという事実は「自分は他者からアイドルとして認識されていない」という悩みを解決するための明確で分かりやすい可能性を示しています。しかもそのフィールドは小糸の大得意な勉強!敏腕過ぎないかこのシャニPとかいうやつ?ともかく、こうして小糸に自分自身を「アイドルである」ということを「認識」させる、これが実はとても大切なプロセスなんじゃないかと思います。

~を受け取る

 小糸は自分をアイドルであると認識し、同時にシャニPの持ってきたその「高校生クエッション」に出られる可能性を手にしたわけです。それは確かに希望に満ち溢れた可能性ですが、あくまで可能性は可能性です。いわばプレゼントボックスを示されただけで、その中身が何か、それを開けていいかどうか、それはまだ分からないのです。今回小糸が試験を受けることになるというシチュエーションも鑑みれば、「テストで良い点とったら欲しいもの買ってやる」って親に言われるみたいな感じですよね!ありがちありがち。私も人生で何度かそういうのありました。
 しかしながら、そういう可能性を手にした小糸は番組出演のために猛勉強を始めましたね。それはつまり、「今自分が目的のために何をすればいいか」が分かったということです。小糸がそれを分からずにいたのが冒頭のコミュでしたが、その問題をここであっさり解決してしまっています。今回のパターンでは、小糸が普段から頑張ってきた勉強をより頑張ればいいという形に落とし込んだことですんなりいったという部分もあるかもしれませんが、これまでの物語から見ても小糸は「今自分はこうすればいい」と見定めた途端、急激に馬力を増して前進する子であると思うので黄金パターンと言えば黄金パターンだと言えます。

 そしてその「こうすればいい」ということを見定めるために、一役買っているのが対小糸の時最高のイケメンになりがちなシャニPです。というかそれがシャニPの仕事なんですが、今回も分かりやすく仕事を通して小糸の進む道を示してあげました。そしてそれと同時に、ただ前に進んだからヨシ!みたいな感じじゃなく、小糸の横に寄り添いながらしっかりと気にかけてあげています。今回も「無理してないか?」ということを随分気にかけていたようだし、前も見ないで単語帳を手に雪道を歩く小糸に柔らかくもしっかりと注意していました。しかしこの辺はG.R.A.D.編でシャニPが大失敗しやがって望まずとも小糸に無理強いさせてしまったことから来る反省の部分もあるんでしょうね~!アイドルにだけじゃなくてシャニPにもこういうところで成長とか進歩感じさせてくるからシャニマスすき~♡
 小糸はそんなシャニPの言葉や気持ちを受け止めて反省しつつも、しっかりと自分の言葉も伝えて気持ちの確認を取りながらこれからの指針を決めており、それはこれまでの小糸の物語で何度もあった、問題が解決する黄金パターンの典型的な流れです。シャニPとの対話を通して現状の「認識」をアップデートしていく、つまり反応を「受け取る」という過程も小糸が前に進むために重要なものであると感じます。ご存知の通り、小糸はだいぶ重篤なコミュ障であるがゆえに、他者からのフィードバックを受けられずにいて、そのせいで孤独な反省会をし続けてどんどん自己肯定感を低めていって身動きが取れなくなりますが、それを打破するのがシャニPとの対話なんですね。必要なのは自分がアイドルであるということと現状を「認識する」こと、そして提示された可能性や現在の自分の気持ちや考えに対しての細やかなフィードバックを「受け取る」ことなのではないでしょうか。

 この誰か自分以外の他者からの反応を「受け取る」のが重要という部分が、「『プロデューサー=我々オタク』が必要」というように読めるTrueコミュでのファンサ的発言とも繋がると思います。今回の物語では、やっていることに対して反応を返して小糸に「自分のやったことは正しい」と肯定させるのはシャニPの仕事でしたが、本来ならばこの部分を埋めるのはこちらの世界かあちらの世界かを問わずに小糸の事が大好きなファンやオタクたちの役目です。アイマスの世界ではアイマスのオタクたちを「プロデューサー」と呼称するので、やはりあのラストでの「プロデューサーがいるから」という言葉は、小糸のLP編で示された「歓声」を届ける役目を負う我々オタクに向けた意味もあるのだろうと思うのです。今はこのご時世のせいで物理的に「歓声」が届けられんことには毎日ブチ切れそうで…ございます…!になってるけど!ほんとクソウイルスがよぉ…。

~を実現する

 「認識すること」「受け取ること」をしっかりひとつひとつ踏みしめていった小糸はなんと!地上波番組への出演を果たしました!!めっちゃ端役だったけど…という流れでしたね。プレゼントボックスの中身、それは期待していたよりも随分とショボいものでした。
 しょっぱいサンタクロースがよぉ…と小糸がなるはずもなく、シャニPと一緒にその結果をしっかり受け止めています。と書くと何か悪い結果になったように見えますが、実際に地上波番組に出演するという大きな仕事を「実現する」ことに紛れもなく成功しています。普通に偉過ぎるんだよね。この結果は自分の不断の努力を続けた小糸の掴んだ成果です。

 そしてその成果を、とっても小さなものとはいえ、「実現した」というのは小糸にとってそれ以上のものをもたらしていると言えます。まず最初には、3つ目のコミュの段階で「今まで何かに追われるようにやってきた勉強が楽しいと感じられるようになった」と言っています。ただ、この時点ではまだ「高校生クエッション」に出られることを確定させられているわけではないので、それはまだ「楽しい」と思えているに過ぎないでしょう。しかし最終的にしっかりと目に見える結果に繋げた小糸は、「今までやってきたことは間違いじゃなかったんだ」と、ただ「楽しい」だけではなく自分自身を肯定するにまで至っています。泣いた。

 さらには、「先生やお母さんに言われてやってたことは全部自分のためだった」とまで言ったのはこれもう凄いですよね!私はシャニPが小糸にテストに向けて頑張れば何か結果が出せるぞという提案をするのを「親から『テストで良い点とったらご褒美』と言われるみたい」と例えましたが、その提案をする親の思いって「良い点とってご褒美をもらって欲しい」ということではなく、「目的はご褒美でも良いから、そこに至るまでの過程で身に付けたものが我が子のためになって欲しい」というものであるはずですよね。シャニPもきっとそういう考えだったから、今回のコミュでも「どうせなら良い結果であって欲しい」とか「出れただけで偉い」くらいの、結果そのものに対しては少し消極的な言動が多いように思えます。
 そしてそういう考えは、小糸自身が言うように、小糸のお母さんだって同じだったはずなんですよね。お母さんとしては何も大きな結果に繋がらなくたって、そこまでの道のりで色んなことを学んで成長していって笑っていて欲しいだけだったろうに、コミュニケーション不足ゆえに2人はどんどんすれ違っていって…というのがLP編で読めましたが、小糸はここでそういう母親の思いに対して一定の回答を出せたのかもしれないと思うと「おお…もう…」みたいな感じになっちゃう。成長して欲しくて厳しい条件を課すことも、受験会場やステージに臨む子を固唾を飲んで見守ることも、やっぱりそれはひとつの「愛」で、小糸はそれを少しばかり理解できたかもしれません。LP編の段階では小糸のステージを見て「歓声」を上げてくれなかった母親について少し残念そうでしたが、こうやって少しずつ母親の思いを理解して、今の関係が優しくほどけていったらいいなあ。

 ともかく、小糸がそうやって今までの自分のやってきたことを肯定できたのは、たとえどれほど小さくても目に見える結果を「実現した」ということが大事だということです。よく行動のライフハック的なものとして、「最初から大きな目標に向かうのではなく短期的な目標を立てろ」とよく目にしますが、それこそがこの「実現する」というプロセスでしょう。
 小糸はW.I.N.G.編の段階で「居場所のない誰かの居場所になれるようなアイドルに」とか、【おみくじ結びますか】でも「世界中を笑顔に」とか、結構大きめの目標を立てています。それはそれでクソエモくて泣けるんですが、そこばかり見据えているとそれを実現できていない自分に絶望しちゃうんですよね。小糸は特にその傾向が強いように思えるのですが、今回のようにひとつの結果を出せたことで、ただ遠くを見据えるばかりでなく今までの時間を振り返ることもできて、さらにはそこから反省を活かすということも出来るのでしょう。そうなれたこの物語こそ正に「地に足が着いた」地点であるということ、Landing Pointです!繋がってますね〜これ!

 しっかりとした状況の認識、誰かから自分の行動に対する反応を受け取って現状の確認、そして実現した結果を受け止めて反省点を活かしながら次に次にと一歩一歩繋いでいくことの繰り返し。それはこのカードが実装されたガシャのページにある「少しずつ、もっと、色んなことができるようになります」ということ。ガシャ演出アニメーションで小糸が持っている単語帳、おそらくは「recognize(~を認識する)」「receive(~を受け取る)」「realize(~を実現する)」という順番で並んでいます。実はそこからヒントを得てこじつけたまとめでした!W.I.N.G.編の時点でも小糸が今までの自分のやってきた努力を肯定する場面がありますが、そういうところに至るまでの具体的な部分を物語にして描いたんだなという感じです。
 ところでこの小糸とシャニPの導き出したやり方、要はPDCAサイクルですよね~。よく聞くやつ~。ん?サイクル?「まわるもの」だこれ!限界解釈オタクなので、どうにもノクチルの持つテーマには「まわるもの」的な概念が付き纏うように感じることが多くてまたこじつけました。そう感じてるのは私だけでは???その通りです。

 小糸は今回の物語を通して、ひとつ大きな学びがあったのでしょう。ただがむしゃらに走るのではなく、少しずつ少しずつ状況を確認して、自分だけで考えこまず、たとえ大きな目標を志していたとしても一歩一歩を踏みしめながら前に進むことで自分の「やりたい」と思えたことが現実になっていくということ、そういうできることを増やす方法を学んだのです。それはひとつの「答え」と言っていいでしょう。
 小糸はテストに挑む前、「試験は知っていることは答えられるし、知らないことは答えられない」「だから結果はもう決まっている」と言いました。Trueコミュでも同じように口にしています。それは「自分はできることしかできない」というちょっと後ろ向きな言葉に思えますが、できることの増やし方を知った前向きな小糸にとってはもはや絶望を齎すものでは有り得ません。
 だからもし、小糸の言う通り「試験は知っていることなら答えられる」とするならば、指先を寒空にかじかませながらも得た【てのひらの答え】を握りしめながら前に進む小糸がこれからアイドルとして成功するかどうかなんて、たぶん13月を待たなくたっても、もう結果は決まっているんじゃないか?そうだろ?小糸!来年も少しずつ出来ること、増やしていってくれ!

祈ってるよ…!
これからも、ずっと!

感情置き場

 いえー。小糸ちゃん相変わらずの大成長!小糸はいつも、何か大きな結果に繋がらずとも何かひとつ気付きみたいなものを得ることで成長していきますが、そういう彼女の在り方を分かりやすく描いてくれたなと言う感じです。
 ただ、それはある意味で歩みが遅いという風にも取られることもあったりします。小糸のLP編も「ほとんど何も変わっていないのでは?」というように言われたりもしていました。まあぶっちゃけそれは確かにそうなんですが、それは小糸に限った話ではなく、ノクチルは全員そんな感じだと思ってます。そんな4人が「これから変わっていくぞ」と未来へのスタートラインに立ったのが「さざ凡」やLP編なのだろうというのが、今年のノクチルなんだろうなって。ノクチルの歩みは意図的にゆっくりしたものに描かれていて、その分もあってか特段アイドルにやる気のある小糸は相対的によりゆっくりに見えちゃうんでしょうね~。
 とはいえ、LP編でもイマイチ理解できていなかった、厳然とした母親の抱える自分への思いみたいな部分に少し触れられていたり、地に足を付けて物事を考えることで何かを実現したりと、十分にこれからの小糸の未来に希望を抱けるような内容になっていたようにも思います。LP編とこのカード、セットで見ると結構いい感じになるのかもしれません。商売上手め!割とすぐ出たから良いけどこの小糸恒常なのに天井300連だったじゃねえかよ高山ぁ!も~。
 あと、記事内容とは関係ないことですが、流石にLP編の怪文書量産しててあまりにもその冗長さに流石に危機感を覚えたのでなんとか記事のスリム化を図っています。それで前半が短くなりました!そのくせ普通に12000字になりました!しかも結構時間もかかった!くそ~文章力が無い!助けてくれ…。前半全部なくてもいいと思わんでもないんですが、どういう内容のコミュかを記事内だけで分かるようにしたくもあって…上手いことやりたい…。

  なんにしてもここまで読んでくれた方、もしいらっしゃるなら人生の貴重なお時間を頂きありがとうございました。今回の小糸のイラストじゃないですが、今年ほんとに寒いしドカ雪だしなので皆様ご自愛ください。オタクだって体が資本だからな!さてそんなところで、またどこかの福丸小糸ぴゃぴゃぴゃ検定1級受験会場で会いましょう。それではよいお年を!

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