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7/20実装【ダウト】樋口円香を読む

 コンニチハ。ワレワレハいれぶんだ。こちらは7/20に実装された【ダウト】樋口円香の感想文兼怪文書となる記事です。以下注意点です。

・記事というよりかはただの自分用の感想まとめなのでいろいろ話が飛躍してる気がします。
・コミュ内容のネタバレを含みます。さらに今までのノクチル全体のコミュの内容を前提としつつ絡めるのでさらにネタバレと妄想が飛躍します。お気を付けください。
・私個人の好意的・拡大解釈および誇大妄想を含みますが、それらを押し付ける意図のものでありません。むしろ自分の考えとの違いを発見してより幅の広い解釈を見せてくれ…。
・ゲーム内プロデューサーのことは名前が分からんので「シャニP」と呼称します。

では以下本文となります。

【ダウト】樋口円香のイラスト

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  ピピーッ!!覗きは犯罪です!!覗きダメ、ゼッタイ!!シャニPお前…綺麗な体になってシャバに帰って来いよ…というような気持にならざるを得ないくらいに怪しいシチュエーションに感じられるイラストです。
 見た感じ円香が海水浴場にあるシャワーを浴びているというシチュエーションのようですが、手前にある気の壁のせいで隙間から覗いているような状況になってしまっています。これがシャニPからの視点だとすると…いやまさか俺たちのシャニPがそんなことをするわけが…なんなんだこれは…。まさかシャニPに対しての疑念で脳が壊されるような思いをするとは…。
 水着のデザインの方は結構シンプルな感じですがよく似合っていますね。なんやかんやで円香は年齢不相応に大人びている(ように振る舞う)ので、こういう落ち着きのあるデザインの方が似合うかもしれません。描かれている花は何の花なのかよくわからないんですがなんか意味がある?もうなんでもかんでも深読みしちゃう。助けてくれ。
 しかしながら円香はこうして水着を着て海にいるわけですが、あの樋口円香がシャニPと一緒に海水浴を楽しみに来ました!なんてのは地球の自転が反転してもあり得ないのでこれは仕事なんでしょうね。水着のモデルか何かなのでしょうか。
 ところで円香は今までpSRが存在しておらず、これが初めてのものとなるわけですが、それがいきなり水着とはシャニマス君は優しいですね!円香も大概かなり人気のアイドルだと思うんですが、水着という稼ぎ所を無料配布のカードにしちまうなんて!!ありがたやありがたや~。

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 さてフェスイラストの方です。なんか綺麗(小並感)!黒を基調としたシックでエレガントなデザインですね。なんか女王様感みたいなものを感じました。
 何をモチーフにした衣装なのかイマイチ分かりかねるのですが、いろいろと意味を感じてしまうようなものが随所にあります。まず目につくのは鳥や羽でしょうか。右肩にグラデーションのかかった綺麗な羽が付いていたり、ヘアピンが鳥の形をしています。ヘアピンの色的にカラスかなと思ったんですけどそうなると肩についている方は何?ってなっちゃいますね。そこはよくわかりませんが、なんにしても彼女にも翼があるのでしょう。羽ばたくことに対してものすごく臆病だけど。
 そして特に注目したいのは、このイラストの全体のシチュエーションですね。全体が見えていないので確証は持てませんが、円香の上から砂が降ってきていること、そして丸く湾曲したガラスに4本の支柱、これはほぼ間違いなく「砂時計」が描かれています。海にいる円香のカードであるとすれば砂浜から着想を得たのかもしれませんね!
 しかしながらそんな「砂時計」が何を意味するか考えてみると如何にも円香らしいように感じられます。先日実装された【雨情】でもよく見えていたように、円香は「過去や今の時間」みたいなものに固執します。円香は自分自身の身の回りで起きた物事たちが、時が過ぎ去って過去の事になってしまうことを恐れているように思える言動が多いのですが、そういう風に考えるとこのイラストもそれっぽくないですか?時の経過を意味する「上から落ちる砂」を右手で受け止め、過ぎ去ってしまった時を意味する「下に落ちた砂」を左手で掬い上げようとしてはそのどちらも指の隙間から零れ落ちてしまう…というのは円香のその時の流れに対する恐怖と、いくら円香がそれを恐れて留めようとしても残酷にも流れていく時間を意味しているように見えます。円香…(クソデカ感情)。
 そうして円香は未来へと踏み出すことを恐れ、いつまでもその場に踏みとどまってしまいがちなんですが、そういう風に感じながらこのイラストの円香の足元を見てください。「白い」ですよね。不釣り合いなくらいに。全体的に黒を基調とした豪奢なデザインになっているにもかかわらず、(あんまりちゃんと見えていないですが)この靴だけは随分とシンプルで真っ白なデザインです。あれ…?「いつだって僕らは」で「きっと憧れているだけじゃ ダメだって知ってるんだ 僕の靴はまだ白いままで」というパートを歌っていたのは誰だっけな…誰だっけ樋口?やっぱり円香は臆病でひねくれ者で、それ故に本当はまっすぐで純粋です。この白い靴のように。

1つ目のコミュ「90%」

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 コミュの方では、何やらシャニPが円香に何かを伝えたいようですが、どうにも伝えがたい内容のようです。円香の方は新たなボーカルレッスンに臨んでいたようで、シャニPに感想を尋ねられて「初めての気づきが多かった」と好感触な感じです。なんだかんだ真面目にアイドルやってるよなあコイツ。

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 その後いつも通りとでもいうべきか、シャニPは円香を「日が高くなったけど帰る頃には流石に暗くなる、俺も同じ方向に行くから送っていく」と提案しますが、「ひとりで帰れますが」「私の都合も確認せず強引に」とバッサリ言われています。しかし我らがシャニP、「どこか寄りたいところがあるのか?」「そういえば今バーゲンの時期だからどこか店に寄ってもいいぞ」と言い始めます。コイツどうしても円香を送っていきたいのか…。
 そんな謎の提案に円香は「お前と一緒に買い物しろと?」という感じで疑義を呈し、シャニPは「店の前まで…」とか苦しい言い訳をしますが、更に円香は「まさか買い物が終わるまで待ってるつもりですか」「到着する頃には日が高くなったとはいえ暗くなると思いますが」とキレキレです。レスバ強者かよ。しかしシャニPも「もちろん嫌なら待たないよ」と食い下がり、なんやかんやで円香を応じさせました。シャニPは「店はこの近くか?」などと聞いていますが、円香は「寄りません」と切り捨てています。まあそりゃ「店に寄る」なんて言い出したのはシャニPの方なんで当たり前ですな。シャニPも大概面倒くさい円香に合わせて面倒くさいやり方するようになったな。

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 帰り道、シャニPは円香にさらに新しいレッスンを受けることを提案しています。ポージングなんかのレッスンを想定しているようで、円香にモデルの仕事は避けたいかどうかを尋ねています。円香は「オファーがあれば(モデルの仕事も受ける)」という感じで前向きなようですが、そこからシャニPは「もしそれが水着でも?」と切り出します。
 なるほどこれがシャニPが冒頭で円香に伝えることを躊躇ってしまった話の内容か!とはいえ確かに、年齢的に年上の成人男性がお年頃の女子高生に「水着を着てくれ」という話を切り出すのは流石に我らがシャニPでも結構厳しいものがあるでしょう。しかも相手はあの樋口円香です。どうなるシャニP…話を切り出しますが、そうすると…。

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この顔!!!!!

 やっぱりこうなっちまったか!!なんだその顔!!まさに嘲笑。女子高生が良い大人の男にして良い顔かそれ。やはり円香はシャニPにそういう下心があるという風に感じてしまい、必死の弁明も無下に「やっぱり自分にそういう仕事をさせたいだけだった」「自分の気持ちに寄り添ってくれてありがとう、下心は隠せてないけど」と強烈な皮肉をグサグサと突き立て、最後には「近寄らないで」とまで言いました。終わった…シャニP…南無三。

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 という風になる可能性が「90%」です。いやこれお前の脳内シミュレーションかよ。すげえ解像度の高いシミュレーションだな。流石は敏腕プロデューサー。そういう意味でのコミュタイトルでした。
 脳内シミュレーションを繰り広げていたシャニPは危うく赤信号に飛び出していきそうになり円香に止められています。相当悩んでるなこれ。シャニPは意を決し、円香に対してシミュレーション通りにモデルの仕事に対する意識を聞きますが、シミュレーション通り「オファーがあるなら」と反応されます。精度高いな。
 ここで選択肢が出るので、いざ「水着モデル」の話を切り出してみると…死んだ、と思いきや円香は一切の躊躇なく「問題ありません」と答え、シャニPの方が若干動揺しています。シャニPの想定を覆し「10%」の答えが返ってきました。シャニPは「無理しなくてもいいんだぞ」と精一杯気遣いますが、「そういう風に聞く方が失礼」だと言われたりしてます。ホントだよ。円香はやるって言ってんだから。

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 また、ここでの選択肢のうちのひとつの流れで、円香は「問題があるとすれば、そういう風に自分の意志を問われるのが困る」と言う場面があります。これは物凄く円香らしくて、円香は自分がそういう他者からの期待だとか使命感のような外圧がかからないと動けない人間であるという事を自覚しています。円香はほっとくと怠惰でアクションを起こしたがらない部分が出てきてしまうのですが、いざ「ああしろ、こうしろ」という状況になると多少無理してでもしっかりと動き出します。だからそういう仕事の話についてシャニPに対し「いちいち自分の気持ちなんか確認するな、やれと言われればやる」という感じでこの発言が出るのだろうと思います。それはある意味で、円香は任された仕事は仕事として割り切ってやる人間であるというようにも見えますが、そういう円香の在り方はシャニPの考え方として完璧に良い事であるかというとちょっと違うと思います。
 シャニPがシミュレートしたあの「90%」という確率は、「円香にドギツい言葉で罵倒される確率」でもありますが、言い換えれば「円香が水着の仕事に対して嫌悪感を露にする確率」です。じゃあ残りの「10%」は?そこには「円香が本当は嫌なのに自分を殺して水着の仕事を受けてしまう確率」が含まれます(上掲の画像の発言の際に円香の立ち絵が消えるのそういう意味な感じしちゃいますね!)。
 そう考えると、シャニPがあの脳内シミュレーションで「90%」の確率でああいう展開になるという事を想定した上で尚その仕事について伝えたのは、「10%」の方を引くチャンスに賭けたとかではなく、むしろその「90%」の方であって欲しかったのではと感じます。シャニPは円香が嫌な顔ひとつせずに我慢してこの仕事を受けることになってしまう方が危ういという懸念を持っていた部分があるんじゃなかいかなと思いますが、まあ結果はこれです。果たしてどうなるか…。

2つ目のコミュ「シャワー」

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 次のコミュでは、1つ目のコミュで仕事を受けた通り水着のモデルの仕事をこなしたようで、今はどうやらシャワー中のようです。そんな折にシャニPはタオルを持って来てあげたようですが、円香も流石にシャワー中とあっては手が離せません。

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 シャワー中であることに気を遣って早々に立ち去ろうとするシャニPに円香は「今日の撮影の出来はどうだったか」と尋ねています。そういう風に仕事の出来を聞くのなんか珍しいな?するとシャニPは「太陽がこんなに似合うとは思わなかった…」などと言ってどうしたコイツ?と思ってたら、撮影したカメラマンさんがそう言ってたという事らしいです。
 それに釈然としなかったか、円香は「お前自身の評価はどうなんだ?」と問いますが、シャニPは実は席を外していたらしいのです。急な連絡があったんだってさ。円香はその言葉に「でしょうね」と言った感じです。円香はシャニPが撮影の現場に居なくて答えられないことを分かっていたからこそ自分の仕事の出来を聞いたのでしょうね。ほんまコイツ樋口って感じ。

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 そして円香は「つまりわざと見ないようにしていたわけじゃなかったのか?」と確認します。シャニPは「当然本当は立ち合いたかった」と言っていますが、円香は「じゃあなぜさっきから目を閉じているんだ」と指摘します。お前の方がシャニPのこと覗いてんのかよ!!なんだそりゃ!!イラストの通り、そこの簡易シャワー室は本当に簡易なもののようで、隙間が空いてるみたいです。そこから円香はずっとシャニPの事を観察していたみたいですね。まさかのこっちから覗いてるみたいなイラストにしといてからの実は円香側から覗かれているというオチ。おもしろ。
 そのことを指摘されたシャニPは若干気まずそうではありますが、「つまり俺の答えはそういう事だ」と言い、こんな状況で引き留める円香にも非があるんだぞという風です。円香は「なぜ?」なんて言いますが、円香の言う通り珍しく「本当にわかってないとは言わせないぞ」なんてやんわり叱っています。なんだこのやり取り?G.R.A.D編以降この2人の言葉のやり取り加速度的に中二病じみてきています。

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 そんな厨二な言葉のキャッチボールをしていると突然円香の悲鳴が!!どうした円香!!しかもその後一切言葉を発しなくなりました。シャニPも異変に気付き心配していますが、だいぶ間を開けて円香は「大丈夫です」といつもの平静を取り戻しています。事情を尋ねるシャニPにも答えません。この強情っぱりがよ。
 とりあえず何かあったのは間違いないですが、そんな状況でもまだ円香はシャニPの事を観察していたようで、シャニPがこんな何かしらトラブルが起きたであろう状況でも「目をつぶり続けるなんて、紳士の鏡ですね(ここ本当に鏡って書いてあります。多分誤字?)」などといつもの調子で皮肉り、最後には「もっとも自分は最初からずっと水着を着ていたけど」と言ってコミュは終わりました。

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 さて、そんなシャワー中の円香を覗いていると思ったら逆にシャニPが覗かれていたでござるの巻なんですが、果たしてシャニPはこのコミュで嘘をついているのだろうかというところが気になります。
 個人的には100%ではないにしろ嘘をついているだろうと思います。「仕事の連絡があったから立ち会えなかった」というのは、どうにも円香の水着姿を見ないようにするための方便のように思えます。シャニPは「そんな短い間にも仕事が終わったんだから大したもんだ」というようにも言っていますが、そもそも連絡くらいならやろうと思えば撮影の見える範囲で出来そうな気もします。そういう連絡があったのは本当かもしれませんが、何かにかこつけてその場を離れようとしていた部分があるんじゃないかなと思います。まあそもそも「俺の答えはそういう事だ」って言ってるのは言外に認めているようなものでしょう。この男は意図してずっと目を閉じ続けています。
 先述したように、シャニPは円香が水着姿を自分に見られることに嫌悪感を覚えることを危惧しています。そうしてその仕事の話をした場合、円香は激しい嫌悪感を示し、「90%」の確率で自分はボロクソに言われてしまうだろうという事を覚悟した上でこの仕事について話をしましたが、その予想を裏切り円香は余りにもすんなり仕事を受けました。
 そのことはむしろシャニPに疑念を抱かせてしまったんだと思います。やっぱりシャニPとしては、「90%」の確率を引いて明確な嫌悪を見せられた方が幾分か分かりやすく動けたのでしょう。この男は一切の嫌悪を示さずにいる円香を見て「お!普通にやる気じゃん!全然水着を見られるの嫌じゃなかったんだな~」なんて短絡を起こすような男じゃないですよね。シャニPはむしろ何でもないようにこの仕事を受けて見せた円香の雰囲気を見て、「円香は水着姿を見られるのを嫌がっている、その上で自分を押し殺して仕事している」という可能性を感じ、そのために徹底して目を閉じています。隙のない紳士っぷり。まあ実際の所はところどころ隙があるんですけどね!まるでこの簡易シャワー室のよう。でもわざわざそんな隙間を覗いて粗を見出そうとしてる円香も大概だぞ本当に。

Trueコミュ「横顔」

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 最後のTrueコミュでは、前のコミュでの仕事の帰りの車のようですね。そこではなんだかまたシャニPが円香に詰められています。シャニP大変だなあ…。どうやら円香は「シャニPは恥ずかしがって自分の裸を目にしないように目を閉じ続けていたんだ」という事を主張しているらしく、シャニPは断じてそんなことは無いと言っています。円香は「むきになっているのは事実だという証明だ」「耳まで赤くしていた」と攻め立てますがシャニPもタジタジです。もう許したれよ。

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 やれ中学生レベルだの偉そうに説教しやがるだの言われて流石のシャニPも適わないなという風に言いますが、円香は「一瞬の隙を見せるから」と言いました。「恥ずかしいと思ってるのがバレたら終わり、その後はどう取り繕っても無駄だ」と言い、「じゃあ俺はどうしたらよかったんだ?」と問うシャニPに対して「事も無げにしていればよかった」「何事もはねつけるくらいなら受け入れる方が楽」と答えます。そしてここではこの仕事を受けた時の円香のアニメーションが挿入されています。
 なんかもう樋口って感じの発言ですよね。1つ目のコミュでの「わざわざ自分の意志なんて確認するな」という発言とも重なります。しかしこれはシャニPに向けての皮肉のような言葉ですが、どう考えても円香自身へも向いてしまう言葉ですね。挿入されているアニメーションもそういう事です。やっぱり円香はこの仕事の話をされた時、実際にはきっと何か思うところがあったんでしょうが、「事も無げ」にその仕事を「受け入れ」ました。その方が「楽」だからと。
 そういう部分もあって円香はシャニPに意地悪しているのかもしれません。円香はそういう風なスタンスでこの仕事を「事も無げ」に受けて見せたのに、当のシャニPは「もしかしたら円香は自分がいると嫌な思いをするかも」という可能性を最後まで捨てないまま仕事を終えた、つまり「目を閉じたまま」でした。
 シャニPはその「事も無げ」な円香の仕事を見ていなかったという事になり、円香が「事も無げ」に仕事を受けたことの意味が無くなってしまいます。そういう意味で、ちょっと語弊がありますが、円香は「自分の『事も無げ』な水着姿を見て欲しかった」という事にもなります。シャニPにそんな自分の姿を見せることで、初めて円香は「事も無げ」を完成させることが出来たはずですが、シャニPはそれを「目を閉じる」事で完全に回避し、挙句の果てに円香は「悲鳴を上げてしまう」という形で隙を見せてしまいました。
 そうなった円香はどうする?そう、やるべきことはただひとつ!シャニPに攻撃だ!なんで?というところなんですが、結局の所、今まで「嫌悪感」という風に書いてきましたが、ザックリ言ってしまえば円香はやっぱり水着になるのがちょっとは恥ずかしかったんだと思います。まあいくら円香でもそういううら若き女子高生が水着になって、しかもそこにいる見知った異性に見られるかもとなってそんな状況を恥ずかしげもなく受け止めるってのは難し過ぎるでしょう。しかし円香はひねくれ者なのでそんな自分を隠すために、「事も無げ」に仕事を受けて、しっかりこなすところを見せつけることで「隙の無い樋口円香」としてシャニPを黙らせるつもりだったんでしょう。しかし結果的にはその作戦が上手く嵌らずに、しかも色々カマかけたりしたにも関わらずシャニPは最後まで「目を閉じた」ままで、結局自分だけが恥ずかしい思いをしたためにシャニPもまた恥ずかしい思いをしたはずだ、つまり「お前も耳が赤かったんだぞ」という事を(本当にそうだったかもわからんのに)ひたすら責め立てて自分の恥ずかしい思いを必死に誤魔化そうとしているんじゃないかなって感じです。「むきになるのは事実の証明」ってなんかつい最近聞いたな…誰が言ったんだっけ円香?耳が赤かったのは円香もなんですねえ…きっと。

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 しかしここでシャニP!とうとう反撃に出ます!「そういう円香の方こそ取り繕えてない時、あったよなあ」となんかネットリした切り出し方をします。色んな意味でシャニPらしくないけどまあ冗談交じりでしょうね。これはお分かりの通り、2つ目のコミュで円香が悲鳴を上げた時の事を言っているのでしょうが、円香は「そうでしたか」「別にこっちからは聞かないから勝手に喋って」と特に突っ込まず、シャニPの攻撃はめちゃくちゃあっさりかわされました。慣れないことするから…。
 もう既に半分負けてますが、シャニPは「あの時悲鳴上げていただろう」と一応言い、円香は「虫は苦手なもので」と「事も無げ」に答えてシャニPは完全に負けました。よわい。ここのシャニPを言い負かした円香、超ご満悦です。やっぱり円香は「事も無げ」な自分を見せつけてシャニPを黙らせたかったんでしょうが、ここでシャニPが負けてあげたことで円香の体面は保たれました。本当優秀だなこの男。ところでここでイラストをちょっと見返してみると、手前の方に蝶が描かれていますよね。おそらくこの蝶に驚いたんでしょうけど、蝶ですらも苦手となると相当に虫が苦手なんでしょうね。

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 そして最後には「でも隙を見せてもあなたは何もしないんでしょ、ねぇミスター・ジェントルマン」と言ってコミュは終わりました。いつものミスター構文ですが、なんだか色々感じてしまう言葉です。
 当然これは皮肉として放った言葉でもあるでしょうが、実際円香の言う通り、例え円香が「事も無げ」に居られずに綻びを見せてしまったとしてもこの男は何もしません。シャニPの指摘した、あの時虫に驚いてしまった円香は確かに隙を見せたのかもしれませんが、それでも目を閉じたままシャニPは何とか無事を確認しようとしていました。シャニPが見ないようにしていたのは円香の水着姿だけじゃなくて、その隙をも見ないようにしていたのです。
 ただ、シャニPが「隙を見ないようにする」というのは「本当は隙があることはわかっている、でもそれを見ない」という意味にもなってしまいます。見て見ぬふりをしているんですね。円香は円香でそういうシャニPの態度を敏感に感じて取っていて、その「本当はわかっている」みたいなのが鼻持ちならなくてシャニPに反抗してしまう部分があるのだろうと思います。しかし、本当の所は円香も自分自身が完璧に取り繕えていないこともそれを悟られていることも分かっていて、それでも目を閉じ続ける「ジェントルマン」であり続けるだろうシャニPに対するひとつ諦めというか、これはそんな感じの言葉に思います。円香にこの仕事の話をした時に露骨に嫌悪感を示される方がシャニPにとっても分かりやすい形だったように、シャニPがそういう隙に付け込んできたり本人の意思を尊重せずに仕事を押し付けるたりするような悪い大人であった方が円香にとってもやりやすい相手だったんでしょうが、円香は少しずつシャニPがそういう奴じゃないと感じられるようになってきたのでしょう。
 普通はそういうのって良い信頼関係と言いたいところですが、円香は余りにもねじくれているので、シャニPがそういう態度で居続けるとするとどうしても自分も意地を張ってしまうのかもしれません。シャニPの在り方は円香にとってプレッシャーを与えがちなのは今まで通りそうなんですが、でもたまには透ばりに肩の力抜いて隙見せてもいいんじゃないかなあ。だってシャニPは「ジェントルマン」なんだからさ。いつか円香もそうなれるかな。

まとめ

 ひねくれ者どもめ!せっかく水着カード実装だってのにひねくれ者とひねくれ者に対応してひねくれるひねくれ者のひねくれたひと夏じゃねーかよ!!
 相変わらず円香は最高にひねくれていてそれはいつも通りの事です。しかしながら、ここ最近はシャニPも円香の相手となる時に結構ひねくれています。それは決して悪いことではなくて、むしろそうでなくてはならないという事をシャニPが理解できているという事でもあります。
 G.R.A.D.編でシャニPは円香の事を「物事の裏側を見ようとする」と言っていましたが、それが円香の特徴そのものです。これは円香が「裏も表も見る」という事ではなく、「裏ばかり見ようとする」という意味であるように感じられます。実際、シャニPが円香と会ったばかりの頃はそういう円香の特性が分からずにまっすぐな言葉をかけてはキツい皮肉で一蹴され、という光景がよく見られていましたが、今となってはその特性の裏をかいてシャニPもまた「裏」を読ませる形で円香とコミュニケーションをとるようになっています。難しいことしやがって…それを読まされるオタクの気持ちを考えたことがあるのかお前らは…!!(憤怒)

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 今回のコミュでは冒頭、悩みに悩んだシャニPは結局率直に仕事とそれを受けることに対しての気遣いの言葉を伝えましたが、円香はシャニPの「90%」の予想を裏切りあっさりとその話を決めました。おそらくシャニPはその円香の態度を見た時点ですぐにその残り「10%」に「裏」がある事を察し、円香の「目を閉じる」というやり方で対応しました。
 そしてそんなシャニPを見た円香もまた、その態度に「裏」があることを敏感に察し、お互い隙を見せないようにしながらの仕事となりました。なんだこれ?そんなピリついた関係で仕事することある?このゲーム本当にアイドルマスター?
 ただそれでも結局はシャニPの方が人生の長さ的に一日の長があるか、円香の方が隙をさらした形になってしまい、それでちょっとプライドが傷ついた円香はシャニPを言い負かして少し満足気でした。とはいえ、これもシャニPはわざと負けに行った感じもしますよね。あの時本気でシャニPが円香の隙に付け込んで反撃しようとしていたとは到底思えません。これが円香にとってのシャニPの厄介な所でしょう。

 先述したように、最近のシャニPはあえて裏を読ませる形での言動を円香に対して行っているような気がします。つまり、シャニPは体面上「裏を読ませない」ように振る舞っているけれど、実は「円香に裏を読まれてしまう事」を前提としているのではないか?というように感じられるのです。「撮影に立ち合いたかったけど急な連絡で…」なんて円香なら簡単に見え透くような言い訳をわざわざしたり、目をつぶっていることを指摘された後でもずっと目を閉じていたり、円香に何かとガーガー言われるような材料をちょいちょい出しているように見えます。
 円香はやっぱりそういう部分に噛みついてきますが、それは同時に円香がそのシャニPの「隙」から覗いた「裏」を読み取ろうとしてしまうという事でもあります。じゃあ円香が覗いたその「裏」には何が?そこには「表」と同じものがあります。そうですよね?シャニPは「表」にある円香の事を気に掛ける思いやりをわざわざ「裏」に隠すことで円香にそれを伝えようとしています。
 そしてシャニPの思惑通りか、円香はその「裏」にある「表」どおりの思いを受け取ってしまいます。だから最後には「ミスター・ジェントルマン」と言ってしまうのでしょう。今回の事を通して、いくら円香がシャニPの「裏」を見ようとしてもそこには円香の見出したかった、自分に付け込もうとする下心とか負い目のようなマイナスのものが無かったのです。

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 シャニPはそうやってめっっっっちゃ遠回りして円香に自分の気持ちを伝えるというやり方を会得していて、それによって今回円香はシャニPに一本取られたという感じです。円香的には若干不愉快かもしれませんが、シャニPがそういう風にしてくれているのはとてもいいなと思います。
 やはり思い起こされるのは、円香にとってシャニPは綺麗事や理想を述べ、努力家で、誠意に満ち溢れた「折り目正しいスーツ」の大人として見えているという事が描かれる【ギンコ・ビローバ】です。そのシャニP像はまるで裏表などなさそうですが、そのことがかえって円香に強い疑念を抱かせる、というの見えてしまっていました。
 しかし当の【ギンコ・ビローバ】でシャニPは「俺もスーツを脱いだらただのなんでもない1人の男だ」という事を、つまり自分にも「裏」があるんだという事をあの時点でもう語っています。それでも円香はどうしても裏側を見たがるので、ここ最近のシャニPは敢えて言動の「裏」を気取らせる、つまり円香に【ダウト】と言わせることでその切ったカードの裏側を見させているのです。
 そしてその裏返されたカードには、円香が望んだような薄汚れたものはないということは先ほど述べました。そのことがどういう意味を持つかというと、「裏があるからといってその裏が決して悪いものでもないんだ」という事になるんじゃないかなと私は思います。「裏」というのはどうしても悪いニュアンスを持ちがちな言葉なんですが、やはり円香も物事の「裏」にはきっとよくないものがあるに違いないという感覚があるからこそそういう態度を取ってしまうんだと思います。しかしここでシャニPは人や物事には裏表があるという前提を示しながら、いつものまっすぐな「表」だけでなく自身の「裏」にまでも「円香への思いやり」という綺麗なものを置き、それを衝立の「隙」間から覗かせることで「ミスター・ジェントルマン」の称号を手に入れました。やったね!まあ結構偶発的な状況だけど!

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 さらに言うと、その「裏」にはよくないものがあるという感覚は円香自身のパーソナリティがそれを補強している部分があるかもしれません。これまで何度か見てこれたように円香は他者からのプレッシャーを感じないでいると、怠惰で臆病だったり、水着を人前で着ることに恥じらいがあるだろう等身大の少女の樋口円香が顔を出してしまいます。それは円香にとっての「隙」であり「裏」ですが、円香は聡いので自分にそういう「裏」があると分かっているからこそ自分以外の物事にも「裏」があると思うのでしょうし、それで自己否定的な嘲りをするようなところもあるように感じます。
 しかしシャニPのこのやり方は、そういう円香の「隙」「裏」を肯定してあげることもできます。このコミュのシャニPは自分からそういう「隙」を与え「裏」を見せることで「本当は円香にもだらしなかったり臆病だったりする『裏』があるのはわかってるし、あってもいい」と、ものすごく遠回しに伝えてあげているんじゃないかなと思うんですよね。そして「目を閉じて」見て見ぬ振りもするのです。
 シャニPは円香が仕事や自分なんかに向き合うとき、そうやってなんでもかんでも「事も無げ」にこなす「隙」の無い樋口円香であろうとすること、そしてそんな円香をストレートに気遣っても上手くいかないという部分を今までシャニPが学習し続けてきた結果、シャニPはこのやり方を編み出し、本当に少しずつですが円香のそういう余裕の無さを、円香自身を傷つけることなく解きほぐしていってるのかなと思います。これはG.R.A.D.編の「椅子の背もたれ」で見えたものと一緒で、シャニPとしてはやっぱり「そんなに自分を悪いものだと思わなくていい、肩肘張らずにもっと力を抜いていいんだぞ」というのが一番伝えたいのかなと思います。

 結局の所、裏表のない「100%」の人間性や物事なんてそうそうありません。あの俺たちのシャニPですら完璧にはなれていないし、なんとか取り繕い続ける円香だってどこかで結局ぼろを出します。今回のコミュは2人して「90%」取り繕いながら「隙」となる「10%」を探り探りの妙に緊張感のある物語ですが、シャニPの回りくどいやり方で少しは円香の緊張も解けたかなと思います。
 シャニPの「隙があっても何もしない」というそのスタンスで少しは円香も自分自身の「隙」を認めてやって、いつかはもっとリラックスして世界や物事を感じられるようになったらいいな。何事も突っぱねるくらいなら受け入れる方が「楽」だって円香自身が言ってたじゃないか。言葉ではそういうけど、まだまだ未熟で若い円香はまだ自分の「隙」を受け入れたりとか、そういう風になれていないみたい。だから後は頼んだぞシャニP!うまい具合に何とかしてくれ!!(他力本願)

感情置き場

 夏。しかも気怠い方の。まあ円香の事なんでこうなるわな。まあある意味シャニマスらしい!
 しかしながらみなさんどうでしょう?2つ目のコミュで円香が虫に驚いたの、本当だと思います?一応イラストに虫がいるので本当だった前提で読み取りましたが、あそこ明確な描写が無いのでもしかしたらシャニPに目を開けさせるために円香のついた嘘である可能性もあるんですよね~。まあ結局シャニPは「目を閉じた」ままだったんで円香の負けなんですけど!
 でももし本当に虫がいたんだったら面白い事にもなってます。イラストに描かれている虫は「蝶」です。「蝶」なんですよ。ん?樋口円香さんのソロ曲のタイトルなんでしたっけ?「夢見鳥」(=蝶)ですよ!!もしあの隙間から蝶が円香の方に向かって行ったとなるとなんか意味深な感じが…しませんか?まあいつもの深読み病です。死んだ。
 なんにしても、このシャニPと円香の2人の関係はむしろややこしくなっていってる感じすらしますが、G.R.A.D.編辺りからなんだかそういう「裏」を読みあう関係になっています。それは傍から見たら疑り合ってるかのようですが、それが今のこの2人の信頼関係なんだなと思いました。確かに円香相手は「自分には裏表なんてないよ〜w」という感じでいったら上手くいかないでしょうからね!なんかそのせいで中二病同士みたいなやり取りになっちゃってるけど…面白いからヨシ!!

 なんにしてもここまで読んでくれた方、もしいらっしゃるなら人生の貴重なお時間を頂きありがとうございました。またどこかの簡易シャワー室の衝立の隙間で会いましょう。ねえ、

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