年間50作品を映画館で鑑賞する私が「鬼滅の刃」を見た結果・・・

去る1ヶ月前の10月16日、映画『鬼滅の刃・無限列車編』が公開された。初動の興行収入は歴代1位。公開日には新宿のTOHOシネマズで1日に42回上映されるという前代未聞?の記録も達成。社会現象化して今どんでもない盛り上がりをみせていることは改めて語るまでもないことだ。

お恥ずかしい話、鬼滅の刃は原作はおろかアニメも全く見たことがなかった。しかし、映画館で年50本程以上の作品を見る映画ファンとしては、この潮流を無視するわけにも行かない。ということで”映画を楽しむために”鬼滅の刃を本格的に見始めた。結果…

■10/23〜10/28 : amazonプライムにてアニメ全26話を鑑賞

■11月7日 : 劇場版を鑑賞

■11/7〜11/10  : kindleで原作全22巻を購入し読破

■11/10〜11/13 : YouTubeで関連動画を見漁り余韻に浸る

と、まあ完全にはまってしまったわけです。

最初は映画を楽しむのために見始めたアニメだったが、最終的には原作まで全て堪能してしまった。(漫画を買ったのはおろらく5年ぶりくらいのことだろうか)

そんな私の個人的な感想として、鬼滅の刃は原作以上にアニメ・映画がより素晴らしいなと感じている。もちろん原作も十分すぎるほどに面白いのだが、映像作品(特に劇場版)の出来栄えが尋常じゃない。

そう考えている理由は主に3点だ。

①戦闘シーンの演出・迫力が段違い

他のアニメにも共通して言えることだが、アクションシーンはやはり原作よりもアニメが映えるケースが多い。臨場感や迫力は紙面上では伝わりにくい要素であり、光・音・色などを駆使して動きを表現できる映像作品の方に分がある。

だが、映像化に際しては「どう演出するか」が非常に重要になり、原作の雰囲気を壊さないようにアクションシーンを再現することは容易ではない。戦闘物は特にそうだが、過剰な演出をしてしまうとリアリティが薄れ、まるでコメディかのように見えてしまうという事例はよくあることだ。

その点、鬼滅のアニメ・映画はこの演出がすば抜けて素晴らしい。原作と比較しても違和感がないどころか、むしろ戦闘シーンは原作よりも数段クオリティが高い。各キャラクター技が「良い感じにかっこよく」描かれており、臨場感あふれる戦闘にはハラハラ・ドキドキが止まらない。

②声優さんの演技力が素晴らしい

やはりこれも外せない要素だろう。アニメの出来は声優次第と言われることもあるが、声優陣の名演技が作品の魅力をグッと引き上げているのは間違いない。

その中でも私が特に素晴らしいと感じたのは伊之助役の声を担当している松岡禎丞さん。インタビューでも「これで声優人生終わってもいい」と語っているが、本当に熱の込め方が半端じゃない。

劇場版でも松岡さんの名演には圧巻の一言。煉獄さん死後のシーン「弱気な事言ってんじゃねぇ…」の名ゼリフなんかは、それだけで映画代の元が取れると言って良いほどのどんでもない熱演だった。

③無限列車編を映画に持ってくるという神采配

原作を全て読んだ上で感じたことだが「鬼滅の刃を映画化するなら無限列車編以上に適したパートはないな」ということ。

アニメは全26話だが、これは原作の1〜53話に該当する内容だ。単純計算するとアニメ1話で原作の2話分を描いていることになる。アニメ1回の放送枠からCMや次回予告等を抜くとおよそ20分。つまり、原作1話=映像化したら10分ということだ。

一般的に映画の上映は約2時間程度なので、鬼滅の刃を映画化するとした場合は原作12話程度の内容になるということだ。実際、無限列車編は原作の54話〜66話に該当する部分なので、この計算もピッタリ当てはある。

※巻数情報は下記のサイトから転用させていただきました。

無限列車編はたった12話ながら、起承転結が全て揃っている/1つのストーリーが完結する/涙なしには見れないほど感動する/さらにはメッセージ性まである、といった具合に名映画になる要素が詰め込まれている。

その後に続く・遊郭編・刀鍛冶の里編も非常に面白いのだが、それぞれ30話程度のボリュームがあるし、無限城編なんて映画化しようとしたら5部作くらいになりそうなものだ。

映画『鬼滅の刃・無限列車編』は”売れるべくして売れた”とさえ言えるのではないか。作者・声優・監督・ディレクター、その他関わる全ての関係者の方に「素晴らしい映画を作ってくれてありがとう」と感謝を伝えたい。

いち映画ファンとしても、本当に良い作品だったと思う。続きはぜひ映像でも見たいので、アニメのシーズン2をぜひ制作お願いします。鬼滅の刃、完全にはまってしまいました。

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