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コンプレックスは最大の長所

小学生の頃から
自分の容姿に対するコンプレックスが
たくさんあった。

小学生4年生くらいの頃
通ってたテニススクールの
他の学校の男の子に
「お前の声低いね」と言われて
声を発するのが嫌になった。

同じ学校に通ってた別の男の子が
「でも◯◯ってこの方がもっと
低い声してるよ」ってフォローしてくれた。

そんなフォローも
その時傷ついた傷にはなんにも響かなかった。

同じ学年の女の子たちは
確かに声も高くて可愛らしい声をしている。
家で誰いないときに高い声で
喋る練習をコソコソやってみたけど、
なんか気持ち悪い。
でも低い声は嫌いだった。

中途半端な声がデフォルトの声になり
いつからか本当の自分の声を見失った。

幼少期からハスキーで
お医者さんに行っても喉風邪じゃないのに
喋ると
「ずいぶん喉やられちゃったねー」と。

知らず知らずのうちに傷ついて
コンプレックスになってたんだ。

小学5年生くらいになると
顔にそばかすができはじめた。

クラスの男の子に
「顔にいっぱいほくろできてるよ」と言われた。

それまで気にしたことなかったけど、
周りから言われて
初めて自分の顔にほくろ(そばかす)が
いっぱいできてる事に気がついた。

近くにいた女の子が
「これはほくろじゃなくてそばかすって言うんだよ」
と言っていたけど、なんのフォローにもならなかった。

母に相談したけど、
「おばあちゃんも若い頃そばかすがあって
でも大人になるにつれて
自然と消えてったみたいだから
気にする事ないよ!」と。

最初はその言葉を信じていたけど
大人になっても一向に消えない。
消えないどころか増えてく一方。

化粧を覚えたとき、
ファンデーションや
コンシーラーでひたすら隠し、
チークも濃く塗った。

それでも隠れた気になるばかりで
全く隠せていなかった。

シミ消しクリームを塗ったり
ビタミンCのサプリを飲んだけど
効果がなかった。

そんなコンプレックスをたくさん抱えたまま
大人になっていった。

大人になってもコンプレックスは消えないけど、
気にしていた自分は少しいなくなった。

今気にしていないかと聞かれれば
自信をもって「はい」と答えられるわけではない。

だけど、気にならなくなってきた。
声もそばかすも。

そんな時仕事中にお客さんからこう言われた。

「あなたのそばかすとっても可愛いわ!
わたしの孫も同じようにあるのよ。
あなた、とってもキュートね」と。

初めてそばかすを褒められて嬉しいと感じた。

今まで何度か「かわいい」と
言われたことはあったけど、
嬉しくはなかった。

だけど、素直に嬉しかった。
初めてそばかすのある自分を
受け入れられるんじゃないかって。


少し気持ちが軽くなった翌朝
シャワーを浴びているときに
大きな声で歌を歌ってみた。

腹からでる低い声で。

そしたらものすごく気持ちよくって
今まで閉ざされていた
腹から喉の詰まりが一気に
開けたような気がした。

どれだけ歌っても
喉に負担がかからない。
歌っていて気持ちがいい。

腹から声出すっていい。

わたしの声って低くて
聴いてると落ち着くんだ。

そんなことを感じた。

周りから言われたことに傷つき、
わたしがわたしを消していた。

小さい頃はそれをするのが
精一杯だったけど、
今はそんな低い声の自分も
そばかすのある自分も
好きでいられるようになってきた。

自分が自分を好きでいると
不思議と周りの人も
好いてくれる。

「あなたの声って
すごく心地よくて落ち着く」
とか
「優しい声してる」
とか
「声が変わって前より良い、
自信に満ち溢れた声してる」と
最近は言われるようになった。

傷ついて自分を何かに替えるより、
そんな自分と共に歩める自分だと
人は魅力的に映るのかもしれない。

コンプレックスは最大の長所なんだ。

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